スマートフォンの“進化の息吹”を感じた2009年ITmediaスタッフが選ぶ、2009年の“注目ケータイ&トピック”(編集部園部編)(1/2 ページ)

» 2009年12月25日 21時19分 公開
[園部修,ITmedia]

 2009年は、スマートフォンの新しい方向性が示された1年だったように思う。2009年に登場したスマートフォンには、OSのバージョンアップや、多数のソフトウェアベンダーが開発するさまざまなアプリケーションを追加することによって、端末にいろいろな機能を増やしたり、新たな使い方が生まれたりするものが増えた。エンドユーザーが端末を購入した後も、ソフトウェアによって端末が進化し続けるのが当たり前になってきたのだ。

 一方、純国産のケータイにも、タッチパネル対応機種の増加やカメラの高画素化、HD動画撮影機能の搭載、ソーラーパネルの採用、無線LAN対応など、数々のトピックがあったが、有無を言わさずユーザーを引きつけるような端末やサービスは、スマートフォンほど多くなかったように思う。

触れないわけにはいかない「iPhone 3GS」と「HT-03A」

Photo 「iPhone 3GS」と「HT-03A」

 これまでのスマートフォンは、PC向けのWebサイトが見やすかったり、PC用のメールの送受信がしやすかったりと、PC上でしかできない作業をどれくらいモバイル環境で可能にするかに力点が置かれていた印象がある。しかしiPhoneのApp Storeが成功を収めて以降、アプリケーションストアはスマートフォンのプラットフォームにかけがえのない存在となり、スマートフォンの主戦場は「いかに魅力的なアプリをユーザーに提供できるか」に移った。これからは、端末の出来だけでなく、ユーザーから支持される高品質なアプリケーションを提供できるかどうかが、プラットフォームの成否に大きな影響を与えるようになるだろう。

 そのアプリケーションストアで一歩先を行くAppleの「iPhone 3GS」は、CPUの高速化やメモリの増量などを図ったiPhone 3Gの後継モデル。この端末のおかげで、2009年も2008年に引き続き、iPhoneはさまざまな場面で話題に上り続けた。2009年の注目端末を挙げる上では避けて通れないモデルといえる。

 日本国内でのiPhone 3GとiPhone 3GSの累計販売台数は、公式には明らかにされていないが、200万台を超えたともいわれており、プラットフォームとして一定のシェアを獲得するに至った。2009年は女性や若年層など、いわゆる“ガジェット好き”の30代男性以外のユーザーが増え、幅広いユーザーからの支持を獲得したことも注目に値する。

 App Storeには今や10万タイトル以上のアプリケーションが用意されており、暇つぶしや遊びからビジネスまで、幅広い用途に活用できるのもポイントだ。日本の携帯電話と比べると、まだ至らない部分もあるが、スマートフォンとしてはかつてないほど売れた機種であることは、iPhoneの魅力が広く受け入れられたことを示す一端ではないだろうか。

 日本の携帯電話端末やサービスをずっと使いこなしてきた人の中には、利用スタイルに合わなかったり、使いたいサービスがなかったりするユーザーもいるのは事実だが、iPhone 3GSはiPhone 3Gの多くの不満が解消されており、やはりiPhoneはすごい、と改めて思った。

 国内初のAndroidケータイとなった「HT-03A」も、注目の端末として挙げておきたい。端末自体の完成度はまだあまり高いとはいえないが、日本市場にいち早くAndroidケータイを導入したドコモには賛辞を送りたい。おかげでAndroidマーケットでは日本国内で有料アプリの販売がスタートしたほか、携帯電話キャリアによるアプリケーションストアの開設がアナウンスされたり、PCを利用しないOSのアップデートを実現したりと、徐々に環境が整ってきた。

 2010年には複数のメーカーからAndroid OS搭載端末が登場予定となっている。そのための地ならしをした功績は大きい。iPhoneとは異なり、さまざまなメーカーがそれぞれのコンセプトで多数の選択肢を用意してくれそうなことも、楽しみな点の1つ。2010年の年末には、もしかしたらスマートフォンのあり方がさらに変わっているかもしれない。シャープやNECなど、国内メーカーがAndroid端末の開発を表明している点も、期待している部分だ。iPhoneやHT-03Aにはない、日本のユーザーが使いやすい“Androidケータイ”を出してくれるのではないかと期待している。

メールチェックやTwitter活用に重宝した「BlackBerry Bold」

Photo 「BlackBerry Bold」

 一般の携帯電話ユーザーには少々ハードルが高く感じられるかもしれないが、「BlackBerry Bold」は、個人的に使ってみてその快適さのとりこになった端末の1つ。iPhoneやAndroid端末とはまた少しアプローチが違うスマートフォンとして、とても興味を持った。月額1575円の「ブラックベリーインターネットサービス」を別途契約する必要があるが、簡単な設定でPCメールのやりとりが自在にできたり、インスタントメッセンジャーサービスが手軽に利用できたりとなかなか便利だった。

 特に秀逸なTwitterクライアントが多数公開されている点が気に入った。トラックボールをくるくる回してタイムラインを流し読みできる心地よさにはまり、Twitterで少し長めにつぶやきたいときなどにも重宝した。また、普段使っているGmailが自在に操作できるアプリもGoogleから提供されていて、スターを付けたり、ラベルを付けたメールだけを表示したりといった操作が簡単にできるのもいい。

 アプリケーションストアのApp Worldはまだ日本からは利用できないものの、いずれは利用できるようになるだろう。ドコモがApp Worldとは別にアプリケーション販売サイトを立ち上げており、将来的なアプリケーションの広がりも期待できる。

日本製スマートフォンの一形態を示した「SH-04A」

 海外製スマートフォンの話ばかりになってしまったが、もちろん日本メーカーの端末でも重宝したものがある。特にシャープの「SH-04A」は、日本ならではのスマートフォンの形を示してくれた端末だったと思う。

 なんだかんだ言って、ファミリー割引などの家族割引を組んでいる家族との連絡にはキャリアメールが使えないと不便という側面があるし、何より日本のケータイインターネットには、独自の進化を遂げた優れたサイトやサービス、アプリなどもある。どちらかを選ぶのではなくて、両方使えるに越したことはないのだ。その点SH-04Aは、iモードなどのキャリアサービスに対応しつつ、QWERTYキーを備え、PCメールの読み書きにも(有償とはいえ)対応するなど、1つの可能性を感じさせてくれた。

 2008年末の記事で取り上げたシャープの「インターネットマシン 922SH」は、後継機が出ていないが、SH-04Aにはほぼ同じコンセプトを引き継いだ「SH-03B」という新モデルの発売が控えており、一定の支持を得られたのだと思われる。

 SH-04Aは、実際に2月に購入していまだに現役で使っているのだが、不満は最近のシャープ端末でおなじみとなったCCDカメラを搭載していないこと。おそらく厚さなどの関係でCMOSカメラを採用せざるを得なかったと想像されるが、シャープのCCDカメラは画質がとてもいいだけに残念に思っている。

 そのCCDカメラで注目したいのは、国内のケータイカメラとしては初めて1000万画素を達成した初代AQUOS SHOTこと「SH-06A」だ。オートで手軽にきれいな写真が撮れることを目指して開発されたSH-06Aは、機能と性能、デザインなどのバランスがよく、SH-04Aを買っていなければ飛びついていただろう。

 SH-06Aの後継機として登場した「SH-01B」は、1210万画素のCCDカメラを搭載しており、さらに手軽な撮影機能に磨きをかけたモデル。ケータイカメラにここまでの画素数は正直必要ない気もするが、広角レンズを採用し画角が広いSH-01Bでは、トリミングをすることで擬似的にズームとしても使えるので、画質が損なわれなければ高解像度化も否定する気はない。オートGPSサービスを利用するために現在買い替えを検討中だが、このSH-01BとNECの瞬撮+Wi-Fiケータイ「N-02B」のどちらにするか迷っている。

PhotoPhotoPhoto 「SH-04A」、AQUOS SHOT「SH-06A」、AQUOS SHOT「SH-01B」
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