ITmedia 写真、動画、音楽を一元管理できるMediascapeも、Timescapeと並ぶ新しい機能です。まずは、こだわったポイントについて教えてください。
長谷川氏 Mediascapeでもグラフィックの動きを重視し、イメージビデオを作るところから始めました。また、日本向けモデルでは、レーベルゲートの「mora touch」の対応も大きな訴求点です。
西村氏 どのタイミングでサービスを始めるか、レーベルゲートさんも悩んでいたと思います。もう少しAndroid市場の立ち上がりを見たいという気持ちもあったでしょう。そんな中で、サービスインできるよう前向きに検討いただけました。
ITmedia ソニーと音楽といえば「Walkman」ですが、既存のPC向け「mora」で購入したATRAC形式のファイルをXperiaで再生できないのは残念なところです。Android端末でも、その垣根を越えるのは難しいのでしょうか。
西村氏 企画とビジネスの観点から、我々は基本的にはAndroidの標準を重視しています。もちろん、これまでのお客様をどこまでカバーするかも重要ですが、コーデックやDRMなどにすべて対応したら、発売が半年ずれることもあり得ます。
長谷川氏 mora touchは、本来はタイミングが合わない時期、去年の後半くらいから開発がスタートしましたが、Android標準のルールに従って開発してもらったことで、開発を最大限に速めることができました。
ITmedia mora touchはまだ発展の余地はありますよね。個人的には、Walkmanと連携してくれるとありがたいです。
西村氏 著作権保護のかかったファイルは無理ですが、そのほかのMP3やAACなら、楽曲管理ソフト「Media Go」経由で転送できます。まだベストな状態ではありませんが、今はこういう形でお客様のご理解を得たいと思います。ただ、機能は成長していくものなので、一般的な話として、ニーズがある点はOSを変えるタイミングで改善する可能性はあります。次の商品で実現することも、グローバルな視点を含めて考えていきます。
ITmedia ミュージックプレーヤーとしての使いやすさはどうでしょうか。
長谷川氏 プレーヤーや曲一覧の表示は、スタンダードな方法を採用しています。それに加えて、ジャケット写真をきれいに出すという見た目の楽しさも重視しました。また、「インフィニットボタン」を利用すると、楽曲からYouTubeやGoogle検索ができ、そこに関連する情報がすぐに入手できます。これはYouTubeアプリを別途使えば済むことですが、音楽の再生中にすぐに操作できることにこだわりました。
ITmedia Timescapeとは見せ方が異なりますが、Mediascapeではどのあたりにこだわったのでしょうか。
長谷川氏 見やすさはTimescapeと同じくらい苦労しましたが、Mediascapeでは「写真」にこだわり、同じ人物の写真を一覧表示できます。これは顔認識の技術を使っていますが、実はほかのカメラで撮った写真も検索し、認識できたものは同一人物の写真としてひも付けてくれます。デジタルカメラやケータイで撮った、今までの資産を生かせるわけです。
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