スピードが命――Androidと組織横断のチームで実現した「Xperia」の“心地よさ”:開発陣に聞く「Xperia」(前編)(3/3 ページ)

» 2010年04月07日 08時21分 公開
[田中聡,ITmedia]
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組織を横断したチームで開発

ITmedia Xperiaの気になる点として、多くの読者がキーの反応速度を挙げていますが、私が何度か触った限り、大きく不満を感じたことはありませんでした。

長谷川氏 動作速度については、ようやく十分なスピードが出るようになったというのが正直なところです。世界で発表した昨年11月には、とてもお見せできるレベルではありませんでした。

ITmedia 満足のいく速度が出るよう、何か工夫をされたのでしょうか。

長谷川氏 スピードは全機能の命なので、ハードからソフトまで、すべて同じチームで開発してきました。Timescapeのデザインやムービーを作ってゴールを設定する者と、ミドルウェアに携わる者が同じテーブルに座って議論するなど、組織を横断したチームで開発を進めてきました。

ITmedia 動作速度のほかに、ソフトウェアの開発で重視したところはありますか。

西村氏 出荷するエリアごとに、特有のSNSを入れることはありますが、Googleのサービスと変な形で統合することは、Androidの魅力を阻害しかねません。Googleのサービスにはしっかり準拠し、ソニー・エリクソンでないとできないことに注力しました。

「POBox Touch 1.0」はあえて「ハイライト」を初期設定に

ITmedia 日本語入力システムには、これまでのPOBoxをタッチパネル向けに改良した「POBox Touch 1.0」を採用しています。ここも、日本向けに施した大きなカスタマイズの1つですね。

長谷川氏 私がこれまで担当していたau端末では、「POBox 1.0」から「POBox Pro」まで開発してきました。ダイヤルキーを使った変換では、いかに賢く学習させるか、ユーザーが望む変換をきちんとできるかを重視してきましたが、ダイヤルキーだけでは限界があります。QWERTYキーを使った入力のアイデアは日々考えていたので、今回のPOBox Touch 1.0で念願の第一歩を踏み出せました。まだ温めているアイデアはあるので、継続して改善していきたいです。

ITmedia POBox Touch 1.0は次に入力する文字を予測して、押されそうなキーを大きく表示する独特の入力方法を採用しています。

長谷川氏 今回は最初のキーでどこまで日本語を自由に入力できるかにこだわり、(QWERTYキーでは)よく使う記号は画面を切り替えずに入力できるようにしました。

西村氏 キーの形状を変えられるソフトウェアキーボードは、物理キーよりもカスタマイズしやすいというメリットがあります。POBox Touch 1.0のQWERTYキーには「Q」がないなど(「ノーマル」モード時を除く)、日本語が入力しやすくなるよう割り切った部分もあります。また、次に入力されやすいキーを大きく表示する「ハイライト」では、子音の後は母音と一部の子音しか押されないなどの解析を反映しています。

ITmedia POBox Touch 1.0のQWERTYキーでは、ハイライトのほか、よく使う母音を大きく表示する「ワイド」、ワイドとハイライトを組み合わせた「ダイナミック」という3つの入力方法を選べるのが便利です。

長谷川氏 ユーザーの好みに合わせて複数のモードを考えました。ほかに、キーのレイアウトが変わるのが気になるという人のために、通常のQWERTY配列で文字を入力できる「ノーマル」も用意しています。

photophotophotophoto 左から、POBox Touch 1.0の「ワイド」「ハイライト」「ダイナミック」「ノーマル」

ITmedia 初期設定はハイライトになっていますね。

西村氏 当初は、初期設定をノーマルにすることも検討していましたが、ハイライトの方が多くのユーザーにメリットがあると考えました。ソフトウェアキーボードは使いにくそう、という不安を取り除きたかったという思いもあります。

ITmedia POBox Touch 1.0とフリック入力を併用できたら、完ぺきですね。

西村氏 機能の追加は比較的容易に行えるので、ニーズがあるものは取り入れていきたいと思います。

(後編に続く)

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