NTTドコモから4月に発売予定のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「Xperia」は、日本市場向けケータイの開発経験を持つメーカーが手がけたAndroidスマートフォンという点で、これまでのAndroid端末とは大きく異なる部分がある。それが日本語入力システムだ。
もちろん、国内で一足先に販売されたAndroidスマートフォン「HT-03A」にも、日本語入力システム「iWnn」が搭載されており、日本語はちゃんと入力できる。さらに、オムロンソフトウェアがオープンソースとして公開したOpen Wnnをベースとした「Simeji」や「Open Wnn フリック入力対応版」といったAndroid向け日本語入力システムも公開されている。
しかし、Xperiaに搭載された「POBox Touch 1.0」は、iWnnを上回る快適さを実現している。物理キーでの入力に慣れている日本のケータイユーザーにとって、タッチパネルで文字を入力するのは、案外ストレスがたまるという意見をよく聞くが、もともとソニー製携帯電話やPDAなどで採用されていたPOBox Proをベースに、タッチパネルでの入力に最適化したというPOBox Touchは、そのストレスを少しでも軽減できるような配慮が随所に見られる。発表会場でXperiaを触ったメディア関係者の多くが、「これならiPhoneから乗り換えてもいい」と発言していたほどだ。
POBox Touchを使って文字を入力するシーンでは、QWERTYキーかテンキーが画面に表示される。説明員の話では「QWERTYの方がPOBox Touchの良さを生かした入力ができる」とのこと。その秘密は、独特のキー面積にある。
上の写真を見れば分かるように、最初に表示されるかな入力モードのキーは、キーの大きさが均等ではない。しかも、よく見ると「Q」のキーがない。日本語入力に使用しないQキーを削除し、その分最もよく入力する「A」「I」「U」「E」「O」(母音)の面積を、ほかのキーより大きく取っているのだ。
さらに、入力した文字に合わせて、次に入力される可能性の低い文字は画面から消え、その分母音のスペースが広くなるダイナミック表示に対応。消えないキーも、入力する可能性が高いキーのみを濃く表示するハイライト表示をすることで誤ったキーを押しにくくしている。
意外と入力する機会が多い記号も、日本語入力中にスムーズに入力できるよう、カギ括弧やエクスクラメーションマーク、クエスチョンマークなどの使用頻度が高い記号専用のパレットも用意されている。パレットはQWERTYキーボードでいうところのスペースキー二層等する部分に用意されており、1画面に4個ずつ、3画面分(全部で12個)が登録されている。スペースはすぐ隣にあるカーソルキーで右を押せば入力可能。配列は独特だが、入力のしやすさは一般的なQWERTYキーボードを上回る。
顔文字やその他の記号を入力する場合は、左下の[文字]キーの隣にある[顔文字・記号]キーをタップして候補を上部に表示させ、その中から目的の顔文字や記号を選べる。顔文字はいわゆる絵文字ではなく、記号を組み合わせた日本式の横向きのもの。記号は半角と全角が別々に用意されている。
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