auの「EXILIMケータイ CA005」は、EXILIMケータイとして国内で初めて防水に対応しつつ、シリーズ最薄の14.5ミリボディを実現したスタイリッシュなデジカメケータイだ。おなじみの回転2軸式ヒンジを採用し、“ディスプレイをひっくり返せばすぐデジカメモード”の操作性を今回も踏襲している。
ボディは従来のEXILIMケータイよりも直線的でシンプルな形状になった。IPX5/7相当の防水性能を備え、キッチンやバスルームでも端末を安心して利用できる。ボディデザインは、“やわらげる”といった意味を持つ単語「RELIEVE」がテーマで、つややかで継ぎ目のない裏面(カメラ面)のパネルが印象的だ。一方、背面は細かい凹凸のあるマットなパネルが採用されており、指紋が目立ちにくくなっていた。
薄型化したこともあってか、ボディ側面のシャッターキーは従来よりスリムな形状になっている。他モデルと比較して特別押しにくいわけではないが、前モデル「EXILIMケータイ CA003」の大型なシャッターキーと比較すると、半押しの感触などが若干つかみにくいと感じた。ディスプレイを裏返したデジカメスタイルでの撮影はEXILIMケータイの魅力でもあるので、今後はより使いやすいサイドキーのレイアウトや、タッチパネルの採用などを期待したい。
キー面は、革小物などでよく見られる編み込み模様をイメージしたイントレチャートキーを採用している。イントレチャートのモチーフは2009年春モデルの「CA001」にも使われているが、今回はエッジの効いた山型のキーデザインを取り入れ、キーの左右、あるいは上下の表情が見る角度によって変化するようになった。そのほかの特徴としては、カメラリングの縁にLED発光リングが設けられ、着信などの各種動作と連動して光るようになっている。
カメラ機能はCA003から順当な進化をとげており、高画素化や、従来から搭載する機能の改良が主なポイントだ。まず撮像素子に関してだが、有効約1295万画素のCMOSを採用し、CA003より若干高画素化している。
機能面では、EXILIMケータイが強みとする高速連写の撮影サイズが2Mから3Mにアップ。写真のプリントにも十分に利用できる解像度で、0.5秒の間に10枚の写真を撮影できる。さらに2Mサイズの連写では、0.6秒で20枚の撮影が可能だ。
少ない画像劣化でデジタルズームを実現する、最大約3倍の超解像デジタルズームも引き続き対応する。通常のデジタルズームと組み合わせることで、VGAサイズの記録で最大約21倍のズーム撮影ができる。ズーム操作とともに撮影サイズが自動で変更されるオートリサイズモードを選択しておけば、スムーズな操作でデジタルズームの機能を利用できる。
シーン自動判別機能「ベストショット」は、新たに「ビーチ」「スノー」の認識に対応。また、動く合成写真を作る「ダイナミックフォト」は操作方法が簡単になり、より気軽に機能を利用できるようになった。
新機能としては、笑顔を検出して自動でシャッターが落ちる「スマイル検出オートシャッター」を搭載。EXILIMケータイでは初の笑顔検出機能となる。また、撮影した画像を自動で分類するアルバム機能「イメージアルバム」も新たに採用した。季節、撮影シーン、カレンダーのテーマに合わせて、写真や動画を自動的に分類する。さらに、各テーマの写真や動画を待受画面に連続して表示することも可能だ。
CA005に関しては、日常の使い勝手を左右する細かいソフトウェアの改良にも注目したい。これまでKCP+のプラットフォームは操作に対する追従性の悪さ、俗に言う“もっさり感”に対する不満があったが、前モデルCA003ではレスポンスをかなり改善し、CA005でさらに速くなっている。「REGZA Phone T004やBRAVIA Phone S004のように、CPUにsnapdragonを使っているわけではないが、十分に速くなっており、従来のKCPと比較しても遜色ない」(説明員)
さらに、EXILIMケータイ W53CAなどのカシオ製KCP端末からの乗り換えユーザーにとってうれしいのが、文字入力時の文字種類の切り替えや、変換候補を選択するときの挙動を、従来のカシオ端末と同じようにできることだ。細かい機能ではあるが、旧モデルの利用者にとっては、日常で多用するメール操作をストレスなく利用できる魅力的な機能といえる。
さらに、発着信履歴や送受信履歴の画面に「発信頻度」「送信メール頻度」のタブを追加し、頻繁に連絡を取る相手を簡単に探し出すことが可能になった。Eメール/Cメールの作成時には、サブメニューで「よく送る人」を選択すると、送信メール頻度の情報に遷移する。
アドレス帳の使い勝手にも工夫をこらし、ユーザーが任意に選んだ人物のみを表示する「クイックアドレス★」のタブをアドレス帳の先頭に用意した。登録できる件数は10件までだが、家族や恋人といった頻繁に連絡をとる相手を登録しておけば、アドレス帳からの呼び出しが簡単になる。
また、電話番号を利用する画面から、地図検索へと遷移できるようになったのもポイントだ。検索を実行すると、レストランやショップなどの電話番号を認識してau one地図の検索結果を表示し、そこからEZナビウォークやEZ助手席ナビを利用することもできる。
多機能化によって操作が複雑になっている昨今の携帯電話において、こうしたユーザーインタフェースの改良は重要なポイントだ。発信頻度やクイックアドレス、電話番号の地図検索機能は、CA005に加え日立コンシューマエレクトロニクス製の「beskey」にも採用されており、今後のラインアップで対応端末はさらに拡大していくだろう。
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