懐かしの一筆書き文字入力を再現――「Graffiti for Android」

» 2010年07月16日 22時24分 公開
[園部修,ITmedia]
PhotoPhoto 「Graffiti for Android」をインストールすると、Androidスマートフォンの画面に懐かしのGraffitiエリアが表示される

 かつて、「Palm」「Visor」「WorkPad」「CLIE」といった名前のPDA(Personal Data Assistant)が人気を博していたことを覚えている読者はどれくらいいるだろうか。まだスマートフォンが一時代を築く前の、1996年から2005年ころまでの約10年間、Palm OSを搭載したデバイスは、そのシンプルなハードウェアの上に実現したシンプルなユーザーインタフェースと軽快な操作性、そしてユニークな文字入力方式などで日本市場でも一定の支持を獲得した。本家のPalmだけでなく、HandspringやIBM、ソニーなどが同OSを採用したデバイスを販売し、多彩な選択肢が用意されていた。

 そのPalm OSが標準で採用していた文字入力方式が「Graffiti」だ。Palm OSは、タッチパネルディスプレイの下部に専用の文字入力エリアを持っており(一部の機種ではソフトウェアで表示していた)、左側に入力するとアルファベット、右側に入力すると数字として認識され、画面に表示される。入力する際の文字には“書き方”があり、独特の一筆書きの文字を入力することで、手書きの文字よりも高い精度でアルファベットや数字を認識する。

 例えば「a」を入力する場合には、アルファベット入力エリアに左下から「Λ」と書く。「b」なら「β」、「c」は「c」といったように、あらかじめ決められた書き順で文字を入力するとどんどん認識されていく(正式な書き方以外に、いくつか異なる書き順がある字もある)。書き順を覚えなくてはいけないというハードルはあったものの、Graffitiを覚えればかなり高速なアルファベット入力が可能だったため、一部のユーザーから熱烈に支持された。

 そのGraffitiを、現在権利を持つACCESSがAndroidアプリとして再現したのが「Graffiti for Android」だ。Androidマーケットからダウンロードできる。残念ながらIS01ではうまく動かなかったが、HT-03AやHTC Desireなどで動作するのを確認した。

Photo 操作に困ったら、Graffitiエリアからまっすぐ上に線を引いてみよう。ヘルプが表示される

 能書きばかり並べても仕方ないので、ぜひダウンロードして使ってみてほしい。設定メニューから「地域/言語&文字入力」を開き、「Graffiti」にチェックを入れたら、文字入力時に適宜切り替えて利用できるようになる。当時Graffitiを覚えていた人は、しばし思い出に浸れるはずだ。

 操作に困ったら、Graffitiエリアから上に向かってまっすぐ線を引けばヘルプが表示される(この部分もオリジナルに忠実だ)。ヘルプにはGraffitiの書き順がすべて記されているので、Graffitiを知らない人も、一世を風靡したPDAの雰囲気を味わうことができるだろう。

PhotoPhotoPhoto
PhotoPhotoPhoto Graffitiのヘルプを表示すると、アルファベットから記号まで一通りの文字の書き順が確認できる

  • →Androidマーケットで「Graffiti for Android」をダウンロードする(PCからはアクセスできません)。


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