ドコモのNECカシオモバイルコミュニケーションズ製「N-03C」は、ドコモのケータイとして初となる耐衝撃構造を採用したモデル。IPX5/IPX8相当の防水性能とIP5Xの防塵性能に加え、アメリカ国防総省のMIL規格に準拠した耐衝撃性能を備え、「アーバンタフネス」をコンセプトに開発された。防水性能を持ったケータイは最近では珍しくないが、日本で防水性能に加え耐衝撃性能を持ったケータイは、auのG'zOneシリーズだけだった。2010年6月にNECカシオモバイルコミュニケーションズがカシオ日立モバイルコミュニケーションズと事業統合したことで、カシオ計算機が持つG'zOneシリーズの開発ノウハウが生かされた、初のNECブランドのケータイといってもいいだろう。
スクエアな本体の上下端に弾性素材のプロテクターをあしらうことで耐衝撃性を上げるとともに、「タフネスケータイ」としての存在感を主張。カラーバリエーションはRED、BLUE、BLACKのほかに、スノーボードブランド「BURTON」とコラボレートしたBURTON WHITEを用意。BURTONコラボモデルでは前面パネルに大きくBURTONのロゴをあしらい、待受画面やメニュー画面にもBURTONの世界観を表現している。
最近のNECカシオの端末は「N905iμ」からの“スリムケータイ”の流れをくむ「N-01C」「N-02C」「N-01A」や、「N-06A」などのスライドタイプ、コンパクトなベーシックモデル「N-06B」「N-03B」などに分けられるが、N-03Cはこれらのどのカテゴリーにも当てはまらない新しいモデルとなる。
N-03Cと同じPRIMEシリーズの「N-04B」と「N-02B」は、いずれも回転2軸のタッチパネルや1210万画素カメラ機能を備えるが、N-03Cはこうした機能を割愛。その代わりに本格的な耐衝撃機能を備えたタフネスさを付加価値として訴えている。ただ、元祖タフネスケータイといえるauの「G'zOne TYPE-X」が“原点回帰”をうたってタフネスなイメージを前面に打ち出しているのに対して、N-03Cのコンセプトは「アーバンタフネス」として、都会的なスマートさを表現している。
ソフトウェア面は、同時に発表されたN-01CやN-02Cと基本的には共通の仕様となっている。カメラ機能では最近のNEC製端末が得意としてきた「瞬撮カメラ」に磨きをかけ、素早くカメラが起動する瞬速起動は2010年夏モデルの最短約0.6秒から約0.5秒に高速化したほか、撮影してから次の撮影をすぐに準備できる「クイックショット」は従来の約1.4秒から約0.6秒に高速化している。こうした動作速度の向上はカメラに限ったわけではなく、メニューやブラウザ、メール機能など、端末全体での動作速度が改善されている。「これまでのNEC端末は動きが“もっさり”していると言われていたため、N-03Cではサクサク感を実感できるように改良してある」(発表会での説明員)という。
また、オーディオ面では映画館や高級オーディオで採用されている「Audyssey(オーディシー)」の音響技術を搭載。スピーカーはモノラルながら高音質な再生を可能としている。この部分はN-02Cと同じ機能だが、N-03CではさらにMP3再生に対応。MP3ファイルをmicroSD内の「PRIVATE/NEC/MP3」フォルダにコピーすることで再生ができる。Bluetoothにも対応しているため、MP3の音楽をワイヤレスで楽しめる。
同じNECカシオ製であり、同じ防水・防塵・耐衝撃のタフネスケータイでもあるauのG'zOne TYPE-Xでは、アウトドアを象徴するようなツールとして「G'zGEAR」が搭載されているが、N-03Cでは同様のアプリは用意されていない。待受画面やメニューではN-03Cをモチーフにしたものや、野生動物をテーマにしたグラフィックが用いられている。
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