「Xperia NX SO-02D」 透明パーツが印象的なボディの“中身”を分解して知るバラして見ずにはいられない(2/3 ページ)

» 2012年12月04日 21時00分 公開
[柏尾南壮(フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ),ITmedia]

マリンブルーの基板

 SO-02Dの分解は、まず背面カバーを手で外すところから始まる。カバーを外すと前述の認証番号等が印刷された大きなシールが貼付された背面パネルが現れる。このパネルは六角星形の特殊なネジでセンターパネルに固定されているが、対応するドライバはホームセンターなどで入手可能だ。背面パネルにはSIMカードスロットを搭載する小型基板が固定されており、この基板はメイン基板とケーブルで接続されている。背面パネルを外して上に引き上げると、メイン基板と接続されているケーブルも抜ける。この下には内蔵されたリチウムイオンポリマーバッテリーや基板が設置されている。

 リチウムイオンポリマーバッテリーは手で簡単に取り外すことができる。前述の通り外装はラミネートで柔らかく損傷しやすいため、傷が付いたりしないよう、安全な保管は大切だ。不要な場合は店舗などに設置されているリサイクルボックスに投函するのが安全だ。

 基板の色は、抜けるような青というよりは、熱帯のマリンブルーという印象を受ける。最近は製品のメーカーによって基板の色が固定化する傾向があり、ソニーのマリンブルーはサムスンの基板の色と似ている。Appleは黒に近いダークブラウン、ノキアはエメラルドグリーンが多い。

マリンブルー色の基板を採用するXperia NX SO-02D。EMIシールドをすべてはがした状態

 SO-02Dの基板は3枚構成だ。バッテリーを挟むように上下に配置されている。上には大型のメイン基板とSIMカードスロットを搭載する小型基板、筐体下部にはアンテナを接続するためと思われる小型の基板が搭載されている。基板はプラスネジでセンターパネルに取り付けられているので、これを外し、基板のソケットに接続されているコネクタもすべて外すと基板が取り出せる。

 基板には電子部品から発生する電磁波が周囲へ拡散するのを防止するため、EMI (Electro Magnetic Interference) 対策シールドがウロコのように設置されている。基板に支柱を立て、その上に鉄板でフタをする構造だ。まずマイナスドライバーなどでフタを外し、最後にプライヤーなどで支柱を除去する。この状態で基板に搭載されているすべての部品を観察する事が可能となる。

PhotoPhoto メイン基板のディスプレイ(表)側。アプリケーションプロセッサのQualcomm MSM8260やElpida製のメモリモジュール、インカメラのモジュールなどがある
PhotoPhoto メイン基板の背面(裏)側。東芝製のフラッシュメモリやQualcomm製のパワーマネジメント用ICが目を引く
PhotoPhoto SIMスロットは別基板で搭載。さらにもう1枚、バッテリーを挟んだ反対側に小さな基板がある

タッチパネルと液晶

 本機ではタッチパネルと液晶ディスプレイは接着剤で一体化しており、分離できない。ゆえに、液晶を割らないように慎重にタッチパネルをセンターパネルから取り外す必要がある。ドライヤーの温風をしばらく当てるとタッチパネルとセンターパネルを固定する接着剤が柔らかくなり、ステンレス定規(鉄尺)を差し込む隙間が生じる。すぐ近くに液晶ユニットがあるため、定規をあまり奥に差し込まず、ドライヤーで周囲を加熱しながら浅く周囲を定規で持ち上げると、数分でタッチパネルと液晶が一体型になったユニットを外すことができる。分解はここまでだ。

 最近は、タッチパネルと液晶ユニットを接着するモデルが増えている。これには以下のようなメリットがある。タッチパネルと液晶ユニットを個別に配置した場合、それぞれが強度を確保する必要があるため、ある程度の厚みが必要だが、接着すればガラスを2枚重ねるため強度が増し、それぞれのガラスを少しずつ薄くできる。0.1ミリでも薄い方が有難いスマートフォンにとっては非常に大きなメリットだ。また液晶とタッチパネルの間に空気の層がなくなるため、内部での光の乱反射が減り、視認性が大きく向上する。

 一方、タッチパネルと液晶ユニットを接着すると、不具合が発生した場合には、原因の所在に関係なく、両方とも廃棄しなくてはならなくなる。タッチパネルあるいは液晶ユニットだけを交換することができないので、コスト面では課題を抱える。またどこまで薄くするかについて、強度との微妙なバランスが必要だ。

次世代パワーアンプ

 パワーアンプとは、電子機器の中で作った電子信号を増幅する部品である。スマートフォンで生成された電子信号は、そのままアンテナから送信したのでは信号が弱すぎるため、信号を強化してやる必要がある。NTTドコモが採用する3GのWーCDMA方式では、800MHz/1.5GHz/1.7GHz/2.1GHzの4つの電波帯域を使用する。同じくauのCDMA方式では800MHz/2.1GHzの2つの帯域を使用する。これまでは帯域ごとに、個別にパワーアンプが配置されている場合が多かった。しかし本機に搭載されている3G用パワーアンプは、すべてWーCDMAとCDMA用の両方に対応しており、このような方式を「マルチモード」と呼ぶ。複数の機能をワンチップ化する次世代技術である。

 部品は米国オレゴン州に本社を置くTriQuint Semiconductor製である。ワンチップ化するメリットは、材料の共用によるコストダウンや省スペース化だ。一方、別個に配置した方が消費電力など電子部品としての特性が優れているという面もある。携帯電話の基板面積は次第に狭くなっており、一方で搭載される機能は増えるため、特性を犠牲にしてでもスペースを開けておくという決定となったのかもしれない。

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