「書いたサインの感触」も伝える、イマージョンの「触感プレゼンス」

» 2013年03月14日 19時11分 公開
[ITmedia]

 スマートフォンやタブレット、ゲームコントローラーなどにソフトウェアと連動した振動や触覚を与える「ハプティクス」技術を開発するイマージョンは3月14日、スマートフォン同士などデバイス間で触覚を伝える新技術「触感プレゼンスソリューション」について、その概要を説明した。

photophoto スマートフォンのみならずゲーム機や車載デバイスにもイマージョンの技術は用いられている(写真=左)、イマージョンの主張する“触覚”の価値(写真=右)

 ハプティクス(haptics)は「触覚情報」と訳され、触覚を通じて情報を伝達する技術や学問を指す。着信があると携帯電話が振動する、ゲームでアクションを起こすと画面上の動作にあわせた振動がコントローラーを経由してプレイヤーに伝わるなど、今や一般的ともいえる挙動はハプティクス技術の実装例といえる。

 NTTドコモのNEC製タブレット端末「MEDIAS TAB UL N-08D」には、ハプティクス技術としてイマージョンの「HDハプティクス」が搭載されている。HDハプティクスでは、一般的な小型モーターによる動き(振動)に比べてより高速かつ微細な表現を行えるほか、コンテンツの音の高低や抑揚に振動を連動させる「HDリバーブ」機能も有しており、より臨場感ある体験を利用者へもたらすことが可能となっている。

 触感プレゼンスソリューションはモバイル端末用のアプリケーションAPIとして提供され、こうした触覚を3Gなどのモバイルネットワーク、もしくはWi-Fi経由で伝達する。このソリューションを導入した製品ならば、ビデオチャットで互いが画面に手を当てて触感を共有したり、ネットゲームで先方から投げたボールをこちらがキャッチすると振動が伝わるといったことが実現する。

左のタブレットで書いたサインが右のタブレットにも表示され、同時に右のタブレットでは“書かれている”感触も表現される
photophoto 想定される触覚プレゼンスの実装アプリ例(写真=左)、米イマージョンのデニス・シーハン氏とイマージョンジャパンの小林剣護氏(写真=右)

 こうした触覚に関するデータ量は動画や静止画に比べると微細であり、来日した同社マーケティング バイスプレジデント デニス・シーハン氏はビデオチャットやメッセンジャーソフトでの利用でも問題ないと述べる。ソリューションは同社の組み込み制御ソフト「TouchSence 5000」に対応しており、2013年後半にOEM向けの販売が行われる予定だ。

 また、同社は2013年2四半期にAndroid OS向けの「統合テーマモジュール」もOEM向けに発売する。これはロックやホーム画面、移行、通知トレイ、アラートなどの特殊な触感効果をもたらせるもの。モジュールにはサンプルテーマが付属するが、OEM供給を受けたメーカー側でも容易にカスタマイズが可能で、ビジュアル以外の差別化を端末にもたらすことができる。

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