iPhone導入の布石か?――ドコモ「ツートップ戦略」の効能と課題神尾寿の時事日想(3/3 ページ)

» 2013年06月03日 07時07分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

ドコモの「ツートップ戦略」は、iPhone導入の下地にもなりうる

 ドコモは今回のツートップを販売戦略の大きな転機と位置づけており、MNPによる顧客流出を止めるための切り札としている。とりわけドコモの顧客流出の原因になっている“iPhone 5対抗”という意味合いが強い。最初のツートップに、グローバル市場でのAppleのライバルであるサムスンと、国内市場ではAppleに比肩するブランド力を持つソニーを持ってきたのもそのためだろう。ツートップ戦略が、まずはiPhone 5に対抗するための措置であることは間違いない。

 その一方で、今回のツートップ戦略は、ドコモがiPhoneを受け入れるための下地にもなる。

 Appleは、iPhoneの取り扱いキャリアに対して、「iPhoneを他社製スマートフォンよりも優遇して販売すること」を前提条件としていることで知られる。Appleのブランド力を最大化するために、あらゆる場面で“特別扱い”を求めているのだ。

 これまでのドコモであれば、すべてのメーカーを公平に扱うことが建前だったため、この「iPhoneを優遇すること」は受け入れにくい条件であった。だが、今回のツートップ戦略で、ドコモが推すメーカー / モデルは、大手を振って広告宣伝から販売価格まで特別扱いで優遇することができるようになった。そのため近い将来、ドコモがiPhoneを導入することになった時に、今回のツートップ戦略を前例にしてAppleを優遇することが可能になったという見方もできるのだ。

 ドコモがiPhoneをいつ取り扱うのか。

 筆者は千里眼ではないので、その正確な時期は分からない。しかし今回のツートップ戦略の導入を始め、ドコモがiPhoneを取り扱うためのハードルは、次第に低くなってきている。他方でApple側にとっても、ドコモの持つシェアの価値が相対的に上がってきているのは確かだ。2年以内に「その日」が来る可能性は、これまでよりも飛躍的に高まっていると筆者は予想している。

 月々サポートの割引を最大限受けるためには、24カ月間、同一の機種を使い続ける必要がある。ドコモ版iPhoneを待っているユーザーにとっては、悩ましい状況になってきていると言えそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月19日 更新
  1. 「ナビダイヤル」の改善を 「dカード」を無理やり契約させているのか――NTT定時株主総会で出たドコモ関連の主要質問まとめ (2026年06月18日)
  2. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  3. Gemini搭載の新「Google Home スピーカー」が1万6800円で登場 会話の推論能力やレスポンスが向上 (2026年06月17日)
  4. ドコモ、「d払い特典」の還元上限を「一律200ポイント」に変更 ランクによっては改悪 (2026年06月16日)
  5. 岐路に立つシャープのスマホ戦略 AQUOS proモデルは「白紙」、wish新機種は「プランニング中」 (2026年06月17日)
  6. DAZNサッカープラン「返金・解約」手続き発表 「画面に書けばOK」はもう通じず――炎上背景と教訓を徹底分析 (2026年06月18日)
  7. 現在povoに未対応の5G SA、早期導入を検討――新社長が語る通信品質への覚悟 (2026年06月18日)
  8. NHK受信料の未収数、6年ぶりに削減 その裏で強まる反発 (2026年06月16日)
  9. お風呂でのスマホ使用、防水性能があっても危険な理由と「どうしても持ち込みたい」ときの正しい対策 (2026年06月19日)
  10. 楽天モバイルの通信品質を意識? KDDIのpovoは「通信不安の声を拾う」戦略 “意味深”なメッセージの意味 (2026年06月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー