ドコモ、「Xperia A」を110万台販売――ツートップはスマホ移行に効果あり純増は苦戦

» 2013年07月27日 11時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 NTTドコモは7月26日、2014年3月期第1四半期(4月〜6月)の決算を発表した。営業収益は1兆1136億円で前年同期比3.9%増、営業利益は2475億円で前年同期比5.8%減の増収減益だった。

 設備投資額の減少があった一方、フィーチャーフォンからの乗り換え促進やMNP転出対策のための販売促進費がかさみ増益とはならなかった。

photophoto 決算のポイント(写真=左)。スマートフォンへの移行が進み、パケット収入やスマホ向け事業の収益が伸びている
photo ドコモ社長の加藤薫氏

 第1四半期に販売した端末の総数は前年同期比4.4%増の539万台、うちスマートフォンは前年同期比34.4%増の335万台。スマホユーザーはドコモ全体で約2050万契約となり、前年同期と比べて約70%増加。またXiの加入者は前年同期比4.3倍の1420万件に伸びており、これはドコモのスマホユーザーの約6割がLTEサービスを利用していることになる。なおスマホとXiの利用者が拡大したことで、パケット収入は前年同期比で約7.9%、スマートARPU(スマホでのコンテンツやECの収益)は前年同期比で約24.3%増加した。

 ドコモはこの夏モデルで、「GALAXY S4 SC-4E」(Samsung電子製)と「Xperia A SO-04E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)を重点的に販売するツートップ戦略を導入。しかし6月度の契約数が純減となったほか、第1四半期の回線純増数も約8万7000件と昨年同期の26.6万件を大きく下回った。同社代表取締役社長の加藤薫氏は「純増数は苦戦しており、非常に残念で厳しい結果だ。しかしツートップは一定の成果があり、スマホ基盤を順調に拡大している」と振り返った。

photophoto 純増数は苦戦。ツートップ戦略でMNP転出が改善した(写真=左)。Xperia Aは約110万台、GALAXY S4は約55万台を販売(写真=右)

 2機種のセールスは好調で、Xperia Aは約110万台、GALAXY S4は約55万台を販売。Xperia Aの購入者はフィーチャーフォンからの乗り換えが約62%と多く、またGALAXY S4の場合は半数がスマホからの買い換えだった。加藤氏はツートップ戦略について「MNPの転出と解約率の改善に効果があったほか、既存ユーザーのスマホ移行を促進できた。また店舗の回転率も改善し、端末の一括購入で調達コストも低減できた」と評価した。

 夏モデル以降のラインアップについては、「まだ決定していないが、この冬も機種数をしぼるトレンドは続く。トップが1つか2つか3つかは分からないが、かつてのように20機種もそろえることはない」(加藤氏)と述べた。またiPhoneの導入については「(慎重に検討するという)以前の姿勢からまったく変更はない」(加藤氏)と説明、そのほかのプラットフォームではTizen搭載機を予定通りこの冬の発売を目指すほか、Windows Phone搭載機は「今のところ進捗はない」(加藤氏)として当面は販売されないことを示唆した。

 今後の販売施策では、ツートップ戦略の要でもある乗り換えユーザー向け割引の対象機種をスマホ全体に広げるほか、家族でスマホ/タブレットを購入した場合の割引やMNPの転入ユーザーに対するキャッシュバックの増額なども実施。また、またキャリアショップの受け付けにタブレットを導入して業務の効率化を図り、オンラインでの修理受付やサポートサービスを充実させ、実店舗での待ち時間を削減する取り組みも進める。

photophoto ネットワークの増強も順調に進んでいる(写真=左)。第三者機関によるエリアと速度の調査でトップとなった(写真=右)

 さらに加藤氏は、「Strong.」というキャッチフレーズで訴求しているLTEネットワークの強化について、10月末に150Mbpsのサービスを開始することも発表。年度末に5万局の設置を予定しているXi基地局は6月時点で約3万局を達成し、75Mbps対応基地局と112.5bps対応エリアも順調に拡大していると説明した。加えて、第三者機関による4Gのエリアと速度の調査で2回連続のトップとなったことや、7月11日に山開きした富士山の山頂だけでなく、4つの登山道でもドコモが唯一LTEを利用できる点もアピ−ルした。

photo 富士山では山頂付近だけでなく、4つの登山道でもLTEが利用できる

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