LTE開始前なのにハイエンドモデルを投入したい中国メーカー事情:山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)

» 2013年10月25日 13時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]

中国各社が相次いで新製品発表会を実施

 当初の予定では、中国移動のTD-LTEサービスがまもなく始まろうとしているはずなのに、中国政府はLTEの免許を各通信事業者にまだ交付しておらず、正式なサービス開始時期は現時点でも確定していない。中国国内の各メーカーはLTE開始にあわせて新製品を投入する予定だったが、そのLTE開始を待っていられないメーカーが最新スマートフォンを続々と発表している。待っていられないのは通信事業者も同様で、すでに9月末から浙江省の中国移動で一部端末の販売も始まっているという。広東省の中国移動ではLTEのサービスプランを発表し、加入予約の受け付けを開始した。

 中国移動のTD-LTEサービスの開始は中国国内の端末各メーカーにも大きなメリットをもたらすため、各社がその時期をじりじりと待っている状況だ。LTEに対応したフラッグシップ製品の投入は、ブランド力の向上と売り上げの増加が期待できるだけでなく、国外に対する技術力のアピールにもなる。一方、中国移動としてはLTE加入者を増やすために1000元台の低価格モデルでLTE対応スマートフォンを投入する考えだが、LTEという新しいサービスに敏感なアーリアダプタ層や高所得者層向けのハイエンド製品も多数そろえる予定だ。

浙江省でのLTEスマートフォン販売開始を報じる中国政府WEBページ(写真=左)。広東移動ではLTEサービスの加入予約受付を開始した(写真=右)
中国国内大手メーカーもLTE端末はサービス開始と同時に投入する予定だ(写真=左)。もちろん、2番手メーカーもLTE端末を開発中だ(写真=右)

 とはいえ、中国国内のLTE開始時期を待ってからLTE対応製品を投入するのでは、国外大手メーカーとの販売競争に勝てない。この9月にはソニーモバイル、Samsung電子、そして、アップルが新製品を発表しており、10月にはそれら製品が中国市場にも出荷している。中国政府としては国内メーカーの国際競争力アップのためにも、早くLTEサービスを開始してLTE対応のハイエンド製品を投入させたいところだ。だが、中国全土に広がるTD-LTEのサービスインで失敗は許されないため、LTE免許の交付に慎重な姿勢で臨んでいる。

 このような状況の中、中国の大手端末メーカーはLTE対応は後回しにして、8月から9月にかけて“3G対応”の新製品を相次いで発表した。各社とも大々的な新製品発表会を行ない、一部メーカーの発表会には国外の報道関係者を招待するなど海外にも新製品をアピールしている。この時期に発表会を開催したのはXiaomi(小米科技)のほか、OPPO(広東欧珀移動通信)、Meizu(魅族科技)、Coolpad(宇龍計算機通信)、BBK(広東歩歩高電子)だ。スマートフォンの知名度ではトップクラスの各メーカーが同じ時期に集中して発表会を行ったのは、中国でも初めてだ。

 グローバル市場でも大手メーカーで競争が激化しているように、中国国内でも1000元スマートフォンといった低価格帯の製品だけではなく、ハイエンド製品の競争も激しくなっている。9月に各社が発表した新製品は、この冬商戦を勝ち抜くために勝負をかけた製品で、国外メーカーのフラッグシップモデルと肩を並べるほどに高性能高機能のモデルが目立つ。今回は、それらの中から特に注目したい製品を紹介しよう。

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