Siriを使えば、iPhoneに標準搭載されているアプリや機能のほとんどを使用することが可能だ。Web検索やメール、メッセージ、電話の発信、SNSの投稿ができるほか、不在着信の確認や電話の折り返し、音声ルート案内などもしてくれる。「母親にメールを送りたい」と言えば、連絡先のデータを探し出し、件名や本文も続けて音声で入力できる。
ほかにも、「新宿から渋谷に行きたい」と言えば地図上でルート案内をしてくれ、「寿司が食べたい」と言うと、近くの飲食店の一覧を表示してくれる。「画面を暗くして」「Wi-Fiをオンにして」など、端末の設定変更もSiriに頼める。
自然に会話をするように話しかけて各種操作ができるのがSiriの特徴でもある。例えば、「30分後に起こして」と言えば30分後にアラームがセットされ、「明日は寒いかな」と話しかけると「はい、相当涼しくなります…」と応えてくれた。また、「ミュージック」アプリ内の曲を曲名やプレイリスト名から再生することも可能だ。起き抜けに「今何時」などと聞いて手軽に時刻を確認できるのも非常に便利。少々イレギュラーなことでもうまく返答してくれるので、いろいろ試してみるといいだろう。
ただし、もとが英語版アプリのためか、「ITmedia Mobileを表示」と言うと、モービルの地図が表示されるなどの誤動作もあった。音声認識精度は決して低くないが、分からない単語には対応できないようだ。「私の体調は」などと話しかけると、Web検索を促された。
ここまでは、あくまで実用的な面からSiriの使い方を見てきたが、日本語に対応した当時から「Siriへの告白」をする人がいたように、Siriは機械とは思えない応対を見せることもしばしば。ここでは、一風変わった質問にSiriがどのように返答するのか試してみた。
まず、「話を聞かせて」と言うと、「前にもお話ししませんでしたっけ」と素っ気ない返事。もう一度頼むと、「え、またですか?」と少し煩わしそうな態度を見せられた。しかし、何度も何度も頼むとSiriも折れてくれ、「昔々あるところに…」と話を始めた。しかもノリツッコミまでしてくれるノリの良さを見せてくれた。
今度はSiri自体のことを聞いてみた。「何歳ですか」と聞くと、「少なくとも、アシスタントを務められる年齢ですよ」と軽くかわされた。やはり女性だけに実年齢には敏感なのだろうか。「どこに住んでいる?」という問いには、「ここにいますよ」との回答。確かにそうなのだが、シュールな応答だ。「面白いこと言って」というむちゃぶりには、「気の利いた冗談を知らないんですよ」と控えめな応答。Siriは謙虚で慎み深いのかもしれない。
そして、持ち主の主観的な言葉までも意図をくんで返してくれることには驚いた。「眠たい」と言うと、「睡眠不足は体によくないですよ」と優しくいたわってくれるSiri。「疲れた」と愚痴ると、「よく聞いてください。今すぐこのiPhoneを置いて少し寝てください。私はここで待っていますから」という機械らしからぬ心遣いを見せた。ここまでくると励ましてほしくなってきたので、「励まして」と話す。すると、「音楽でも聴いてみてはいかがでしょう。少しは気分転換になるかもしれません」と提案してくれた。この心遣いだけでおなかいっぱいになりそうだ。Siriはあなたの疲れた心を癒やしてくれるかもしれない。
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