2013年、歴史に残るスマートフォンBEST5――いい意味でも悪い意味でも「記憶に残ったあの一台」:石川温のスマホ業界新聞

» 2013年12月20日 11時39分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 2013年も残りわずか。12月も中旬に突入し、あらゆる媒体で今年を振り返る企画が増えてきました。このブロマガでも年末恒例企画として、今年のスマートフォン業界を総括していきたいと思います。まず今週は、2013年に発売された数多くのスマートフォンのなかから、「歴史に残る」と言えそうな端末をベスト5形式でまとめてみました。ベスト5と言っても、石川温が個人的な感想だけでランク付けしたものなので、クレームとかは受け付けません。またこのランキングは「性能が高い」とか「使い勝手がいい」というランキングでもなく、あくまで「歴史に残る」という位置づけです。「すごい快適」というよりも「商品企画が際立っている」とか「使い勝手が悪すぎて逆に印象深い」「おそらく失敗作」という観点で並べてみました。

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■■2013年、歴史に残るスマートフォンBEST5■■

第5位 シャープ「DRAGON QUEST SH-01F」(NTTドコモ)

 大人気のゲームにも関わらず、反響がさっぱりな感がある。ドラクエにはまっていた人でさえ、このスマホに対してはスルーしている節がある。

 一昔前は、まだキャラクターコラボも注目されていたが、特にスマホになってからは反響が薄くなっているように思える。NTTドコモでは今年、初音ミクモデルも投入していたが、必ずしも成功とは言いがたい。NTTドコモはこれまでiPhone対抗でコラボモデルを積極的に販売していたが、iPhoneが手に入ったことで、今後はコラボモデルの位置づけも変えていく必要があるのではないか。

第4位 サムスン電子「GALAXY J SC-02F」(NTTドコモ)

 グローバルメーカーであるサムスン電子が日本市場向けに特別にデザインしたというモデル。確かにモノとしてはよくできているが、あえて「日本向け」を強調するのが鼻につく感じがする。「J」という名称も「HTC J」をパクっているのが見え見えで残念。しかも、日本市場向けを訴えるのであれば、防水性能は備えて欲しかった。サムスン電子も今年は海外では防水モデルを投入するなど、技術は持っているだけに、日本市場を大切にするなら、防水ぐらいは対応してこないといけないのではないか。

 2014年はスマホ初心者ユーザーがさらに増え、日本人にとってブランド力のある日本メーカーのほうが支持される傾向が強くなる。韓国メーカーにとって勝負の年と言えるだけに、もうちょっと頑張ってもらいたい。

第3位 パナソニック「ELUGA P P-03E」(NTTドコモ)

 コンシューマー向けスマホ撤退直前に出てきた逸品。スマホに大きく出遅れたパナソニックであったが、ようやく使い勝手のいい端末に仕上がっていただけに、本当に撤退が悔やまれる。ケータイユーザーを意識した操作性、使い勝手だけなく、メーカーとして、ケータイからスマホへの乗り換えをサポートする講習会も開催。ブランド認知も含め、ようやくこれからのタイミングだっただけに、現場の人たちも本当に意気消沈といったところだった。

 ただ、パナソニックはBtoB向けなどスマホの開発自体はやめたわけではない。いろいろなところから話を聞く限り、おもしろいことを仕込んでいる雰囲気もあるだけに、今後に期待したいところだ。

第2位 HTC「HTC First」(Facebook)

 これほど期待外れに終わった機種も珍しい。鳴り物入りで披露され、話題先行だった「Facebook Home」。Facebookが開発したホーム画面であったが、友達のどうでもいい写真が全画面表示され、バッテリーの消耗も心配になるなど、決して使い勝手のいいものではなかった。「Facebookがスマホを開発したのか」と期待だけは高かったが、結局はHTCブランドとして登場した「HTC First」。アメリカではすぐに叩き売られてしまっていたのが痛い。そのころのFacebookはまだまだモバイルとはどんなものなのかをわかってなかった印象があった。

 個人的には、Facebookがスマホを出すという情報を記者会見の2日前にキャッチ。慌ててサンフランシスコ行きの航空券を購入して弾丸で取材してきたものの、大きな成果はなかったことが悔やまれた。航空券が何十万円もして、相当な出費だっただけに本当につらい思い出しかない。

第1位 NECカシオ「MEDIAS W N-05E」(NTTドコモ)

 白熱灯は切れる直前に一瞬明るくなると言うが、まさにMEDIAS WはNECカシオがスマホ撤退を前に、まばゆいほど輝いた瞬間だったと思う。経営幹部としては、撤退が視野に入る中、コンセプトとして温めてあった折りたたみスマホを出し、なんとか起死回生を狙いたかったのだと思う。現場としても、最後にMEDIAS Wを開発し、製品化できたことで、悔いはなかったのではないか。正直言って、万人向けの商品とは言えない。しかし、それまで築き上げてきた薄型化技術を生かしたNECカシオらしい商品であったし、MWCで展示した際には海外メーカー開発者が行列をなしてMEDIAS Wを見に来たほどだった。将来的には海外メーカーにも真似される可能性は十分にあるはずだ。その点、技術力は素晴らしかっただけに、NECカシオのスマホ撤退は本当に残念でならない。

© DWANGO Co., Ltd.

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