春分の日というのに、冷たい北風が吹き荒れた秋葉原で日本Androidの会が行っていた「Android Bazaar and Conference 2014 Spring ANDROID REBORN」(以下、ABC 2014春)では、こちらで紹介したような基調講演や特別講演、米Google本社 Google Play 技術ディレクターのクリス・ヤーガ氏の招待講演に石川温氏の業界動向説明などを行ったカンファレンス会場(ダイビルのコンベンションホールと秋葉原UDX会議室)とは別に、UDXイベントキャラリーでは、バザール会場を設けて、Androidプラットフォーム開発者コミュニティや企業がブースを展開していた。
ここでは、ブースで展示していた内容から、Android Wear、UnityとOculus Riff、そして、Firefox OSスマートフォンをまとめてみた。
ABC2014春開催直前の3月19日に、Googleがウェアラブルデバイス向けにAndroidの規格やAPIを拡張する「Android Wear」を発表した。それに合わせて、MotorolaやLGなどの海外メーカーもAndroid Wear準拠の製品開発を表明している。
Googleは同時にAndroid Wearの開発者プレビューを公開し、APIの仕様や簡単なサンプルプログラム、それから、Windows PCでAndroid Wearに準拠したスマートウォッチの動作を再現するエミュレータを提供している。ABC2014春のブースでは、このSDKを使って簡単なプログラムを作り、Android Wear準拠のスマートウォッチをPCで再現して、その挙動を紹介していた。
日本Androidの会 Unity部は、Oculus VRが開発してGame Developers Conference 2013で公開したOculus Riftを使って、Unityで構築した立体視3Dグラフィックスの体験コーナーを設けていた。Oculus Riffは、フード状のHMDを“かぶって”内部にある左右のレンズに表示する画像で立体視の3Dグラフィックスを表示するだけでなく、Oculus Riffをかぶった頭を動かすと、その方向に視点も移動する。その動作は軽く、CPU統合型グラフィクスコアを使うノートPCでも顔の移動に視点が遅延なく追従していた。
ただし、Unity部のスタッフによると、わずかな遅れが生じる場合があり(実際に体験したときは、カーソルキーを使ってプレイヤーが移動しながら首を動かして視点も移動したとき)、そのとき、プレイヤーは「酔い」を感じてしまうそうだ。この微細なタイムラグの解消が、実際の製品化では必須となるだろうとUnity部では考えている。
日本Androidの会が主催するイベントだが、バザール会場の一番奥隅に、Firefox OSコミュニティがブースを構えていた。そこでは、Firefox OSを導入したスマートフォン各種を並べて実際に操作や動きを体験できるという、何気に日本では貴重なチャンスだったりした。展示していたデバイスは、Firefox OS 1.0を導入した初期型だが、それでもZTE OpenやGeeksphoneの端末も用意するなど、日本ではまだ見る機会が限られている端末が並んでいた。
Mozillaでは、Mobile World Congress 2014(でFirefox OS 1.4を導入した最新デバイスを多数展示しており、1.0から軽くなった挙動などを紹介しているので、そういう意味では、最新のFirefox OSに関する情報ではないが、それでも、MWC2014でFirefox OS対応を表明してアプリを公開した楽天の「楽天ゲートウェイ」とリクルートのカメラアプリ「Cameran」をインストールして紹介していた。
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