NTTドコモが発表した新しい料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」。固定・携帯電話宛ての国内通話が定額料金で使える「カケホーダイ」だけでなく、料金ごとのデータ通信量を家族間で分け合える「パケットパック」との組み合わせなど、まったく新しい料金体系となっている。
新しい基本プランは、カケホーダイのほか“通話なし”でタブレットやスマートフォンを使うための「データプラン」と、フォトパネルなどメイン回線に追加する通信モジュール扱いの「デバイスプラス」を合わせて6種類。そのほとんどが2年契約を結ぶことが前提の価格設定だ(2年縛り無しでの契約も可)。
またパケットパックは家族回線とシェアできる「シェアパック」と、単身利用する場合の「データMパック/Sパック」、らくらくスマートフォン向けの「らくらくパック」の合計7種類で、ユーザーの契約期間に合わせた4段階のずっとドコモ割が適用される。さらにユーザーが25歳以下の場合は、「U25応援割」として基本使用料を毎月500円割り引き、さらにパケットパックの利用可能データ量を1Gバイト追加する。
この新料金制度の提供は6月1日からだが、ドコモショップでは5月15日から予約を受け付ける。そして気になるのが、既存のXi向け料金プランは8月末で新規の受け付けを終了する点だ。つまり9月以降にXi対応のスマートフォンとタブレットを新規契約する場合は、今回の新プランから選ぶことになる(機種変更などで既存プランを使い続けることは可能)。
果たして新しいプランは既存プランと比較して得なのか損なのか? ドコモではスマホ2台+ケータイ2台という4人家族のモデルケースを1例として紹介している。それによると従来は月額2万7426円(通話料6000円+通信量10Gバイト※税別、以下同)だったものが、月額2万円(通話料0円+通信量12Gバイト)になるという。
これはあくまでもモデルケースで、特に単身利用する場合のケースとは比較できない。そこでドコモのWebサイトに登場した「『カケホーダイ&パケあえる』かんたんシミュレーション」で、Xi対応のAndroidスマホにおける現状の一般的な月額料金――月額1410円の「Xiトーク24」(743円のタイプXiにねん+667円のXiカケホーダイ)と月額4700円の「Xiパケット・ホーダイ ライト」(通信量3Gバイト)にspモードの300円を合計した6410円――と比べてみた。
新料金をスマホ1台のみで使う場合、一番安いプランは「カケホーダイ(スマホ/タブ)」(2700円)+「データSパック」(2500円、通信量2Gバイト)+「spモード」(300円)の合計6500円になる。90円高くなることでドコモ以外の通話が定額になる一方、利用できる通信量は月2Gバイトと、現在よりも減ってしまう。なお決められた通信量を超えた場合、通信速度の上限は128kbpsに制限される。これを解除する追加オプションの料金は1Gバイトごとに1000円なので、3Gバイトの通信を行う場合の月額料金は7500円になる。電話をかけるよりも着信するほうが多く、データ利用が多い人にとっては損になる計算だ。
ただ、これが25歳以下であればU25応援割が適用されて基本料が500円引きになるうえ、通信量が1Gバイト追加されて、月額料金が6000円で月3Gバイトまで利用できる。そしてドコモとの契約が16年以上の場合は、さらにずっとドコモ割が適用されて600円引きの5400円になる。現在満26歳未満でドコモ歴が16年以上(つまり9歳のころからドコモ回線を契約している)の人が、カケホーダイ&パケあえるを最も安く使うことができる。
新基本料のカケホーダイは定額通話が必ず付くため、従来の料金プランから価格が上がっている。またパケット定額料金も通信量あたりの月額料金はアップした。固定やドコモ以外の携帯電話に頻繁に通話する場合や、家族で通信量を分け合う場合、複数台持ちで月間10Gバイト以上のデータを使い切る場合など、ある程度の回線をまとめて使う場合にお得さを感じることが多くなりそうだ。
また新しい料金プランには、通話サービスがないデータ料金専用のデータプランもある。スマートフォンで電話番号による通話を一切しないのであれば、こちらを使うのも1つの方法だ。さらにケータイとタブレットという2台持ちをする場合も、組み合わせや使い方によって損得具合が変わってくる。自分の使い方で料金がどう変化するのか、まずはドコモのWebシミュレーターでチェックしていただきたい。ITmedia Mobileでは今後も新料金についての検証を行う予定だ。
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