KDDIの2014年夏モデルとして登場した京セラの「TORQUE G01」は、米国防総省が制定した軍事規格「MIL-STD-810G」に準拠し、防水、防塵(じん)、耐衝撃、耐振動、耐日射、防湿、温度耐久、低圧対応、塩水耐久、という9つの性能を備えているのが特徴だ。
京セラでは2013年1月、米Sprint向けに同じ「Torque」の名前を付けた4G LTE対応のAndroidスマートフォンを発売し、さらにその日本向けモデルともいえるSIMロックフリー版の「TORQUE(SKT01)」を2014年1月にリリースしている。今回の「TORQUE G01」は、高耐久性Androidスマートフォンとしての位置付けや名前こそ同じだが、スペックやデザインは全く異なる新作といっていいモデルだ。
OSはAndroid 4.4、プロセッサはクアッドコアの「MSM8928」(1.4GHz)を搭載。ディスプレイはHDの4.5型になり、バッテリー容量は3000mAhに増えるなど、スペックは底上げされている。デザイン面で、G01はエッジの効いたシャープなフォルムとなっているのが特徴だ。メインカメラは有効約800万画素のCMOSで、隣のフォトライトとともに周囲を金属風パーツで囲うデザイン。インカメラは有効約200万画素CMOSを搭載した。また、カラーバリエーションはレッドとブラックの2色が用意されている。
ディスプレイは4.5型で旭硝子の強化ガラス「Dragontrail」を採用した。デザインは、背面のバンパー部の生地とケースの塗装仕上げがV字のラインで分割されたスピード感のあるもの。特に下側のバンパー部は大きく、凸凹した表面加工や曲面形状により、手にした時のグリップ感を高めている。また、物理キーが多いのもデザインの特徴の1つ。ホームキーを中心とした画面下の3つのボタンはクリック感が大きい。側面には着信を受けたり、よく使うアプリを起動したりできる「ダイレクトボタン」やカメラキーを、上部にはハンズフリーへの切り替えボタンを搭載するなど、タッチパネルを操作しなくてもこれらの機能がすぐに使える設計だ。ホームキーの下にはデュアルスピーカーを配置している。
これらの物理キーを採用したことにより、手袋をした状態でも操作がしやすくなっている。さらに、ディスプレイには手袋を装着したままタッチパネルの操作ができる「グローブモード」を搭載した。スマートフォンで広く使われている静電容量式のタッチパネルでは、グローブをした手での操作は難しい。G01のタッチパネルは、素手で触った時には通常の感度だが、グローブをした手で触ると自動的に感度が上がるようになっている。この機能は、工事現場など手袋を着用することが多い職種の人だけでなく、ツーリングでバイクに乗るときなどにも便利だ。
また、画面に水滴が付いた状態でも正常にタッチパネルが反応するようにもなっている。こちらは、画面上に載っている水滴を「ノイズ」とみなして、そこに触る指だけをきちんと認識するように作られている。ただし、水中で使うことはできない。さらに、京セラスマホではおなじみの「スマートソニックレシーバー」も搭載し、ディスプレイ全体を振動させて音を伝えることで、騒音下でも音声を聞こえやすくしている。
高い耐久性を誇るG01だが、その詳細は以下の通り。
項目 | 内容 |
---|---|
防水 (風雨、浸漬) | 30分間にわたる降雨や浸水に対しての防水性能、IPX5/IPX8の防水性能 |
防塵 | 連続6時間の粉じん試験 (8.9±1.3m/sec、10.6±7g/m2) を実施、IP6Xの防塵性能 |
耐衝撃 | 高さ約1.22メートルから合板 (ラワン材) に26方向で落下させる試験を実施 |
耐振動 | 連続1時間の振動試験 (3方向各1時間/20〜2000Hz) を実施 |
耐日射 | 連続24時間の日射試験 (合計1120ワット/平方メートル) を実施 |
防湿 | 連続10日間の高湿度試験 (45%/16時間、95%/8時間を10日間) を実施 |
温度耐久 (高温、低温) | 動作環境: −21度/50度 (各連続3時間)、保管環境: −30度/60度 (各連続4時間) |
低圧対応 | 連続2時間の低圧試験 (57.11kPa /約4572メートル) を実施 |
塩水耐久 | 連続24時間の5%塩水噴霧後、24時間乾燥させる試験を実施 |
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