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» 2014年07月07日 16時00分 公開

山根康宏の中国携帯最新事情:中国で始まった“Xiaomi包囲網”(後編)──古豪「Coolpad」「Meizu」の反撃 (2/2)

[山根康宏,ITmedia]
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元祖「中国スマホの顔」Meizuも参戦……するのか?

 Xiaomiを取り巻く各社の戦略を横目で見ていたMeizu(メイズ、珠海市魅族科技)もようやく重い腰を上げ「新ブランドで低価格高品質スマートフォン」市場へ参入を開始する。実を言うと、Xiaomiが有名になる以前、Meizuは「中国スマートフォンメーカーの顔」として内外に知られていたメーカーだ。

 Meizuの初代スマートフォン「M8」は2009年2月に販売を開始した。Windows CEをベースとしながらもiOSのようなデザインのUIを採用するなど、それまでの中国メーカーにはなかったスタイリッシュなデザインで一躍有名になった。「M8」の発売日には中国各地の販売店に前夜から徹夜で大行列ができるなど“Meizuフィーバー”と呼べるような騒ぎとなり、販売開始から2カ月で10万台を売り切った。新興メーカーがそれだけの数を売ったのは中国でも初めてのことだった。

 Meizuは、2011年1月1日にAndorid OSを採用した「M9」を発売してAndoridスマートフォン市場に参入した。「あのMeizuのAndroidモデル」ということもあり、大みそかには中国各地の販売店でまたしても大行列ができたほどだ。2012年1月1日にはデザインを一新した「MX」を発売。表面をクリア素材で覆ったMeizu独特のデザインに加えて自社開発のFlyme OS(実質的にはAndroidで独自UIが動いている)の使いやすさは「おしゃれなスマートフォン」として女性にも人気となった。香港など中華圏の海外への進出も早くから行っている。

かつては中国スマートフォンの「顔」ともいえる代表的モデル「M8」(写真=左)。2012年1月1日の香港のMeizuショップ。「MX」発売当日の行列は夜まで続いた(写真=右)

 だが、Meizuは約1年に1機種しか投入しておらず、各社が毎月のように新製品を出す中で存在感を失っていった。後から出てきたXiaomiと比べると発表会の規模も小さく、固定ファン層を育てる戦略も行っていなかった。2013年9月に発売したAndoridスマートフォンとしては4機種目となる「MX3」は、後からスマートフォンとして世界初の128Gバイトメモリ搭載モデルや、Ubuntu OS搭載モデルを発表したものの往年の勢いは戻っていない。

 そのMeizuがXiaomi対抗として用意するモデルは、別会社のBigertech(筆戈科技)から登場する予定だ。2014年5月16日にBigertechのWebページで新製品のティーザー広告を掲載し始めている。スマートフォンとタブレット、そしてスマートウォッチなどの登場を予告していた。

 しかし、製品発表日と関係者が予想していたWebページサイト正式オープンの5月26日になっても新製品を発表せず、その後、同社のWebページから製品や会社情報に関するリンクも消失してしまった。

注目を集めたBigertechのティーザー広告(写真=左)。だが、現時点で一切の情報はなく、ワールドカップ情報を掲載しているだけだ

 HuaweiやCoolpadは、国内シェア10位の常連で豊富な製品ラインアップを武器に新しい製品を開発する力を持っている。それに対しMeizuは、メインの製品が年に1機種のMXシリーズだけということに加えて、低価格で高品質なXiaomi対抗モデルの投入は自社製品とのバッティングする可能性も高い。しかし、Xiaomiの対抗措置を取らなくてはメーカーとしての存続も危うくなる。そういう意味で、Bigertechから登場するはずの新製品動向に関係者やユーザーは注目している。

 低価格化が進む中国のスマートフォン市場だが、もはやユーザーは値段だけで製品を選ばなくなっている。Xiaomiを意識した「低価格で高品質、そして、ファッショナブル」な製品は、2014年のトレンドとしてほかのメーカーからも続々と出てくるだろう。

 Xiaomi包囲網は狭まりつつある。

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