「使い勝手に不満なし」「ずっと使い続ける」――スマホの月額料金を50%節約した“格安SIM”ユーザーたちの声その月額料金、払いすぎていませんか?(2/2 ページ)

» 2014年07月30日 10時16分 公開
[村上万純,ITmedia]
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「月額マイナス6000円。通信容量はコントロール可能」 40代男性(ゲーム会社)の場合

 海外端末を利用する40代男性(ゲーム会社)は、MVNOサービスを使う知人や後輩に話を聞いたことがきっかけで、格安SIMについて調べ始めた。「ドコモの料金には常々不満があり、キャリアサービスも一切使っていなかった」こともあり、特にMVNOを利用することに抵抗はなかった。ただし、SMSを使う上で電話番号を変えたくないという理由で「MNP転入可能かどうか」を重視していたという。

 そこで選んだのが、月額1600円の「IIJmio高速モバイル/D 音声通話機能付きSIM ミニマムスタートプラン」。今回取材した3人の中で唯一の音声通話付きプランだ。購入したのは、ビックカメラの「BIC SIM」。「フィーチャーフォンとの2台持ちが面倒なので」音声通話付きプランを選択。基本的に通話する機会はないが、親との連絡はメールや電話で行う。

 IIJを選んだのは、「老舗のプロバイダである」という安心感から。「インフラなので、突然サービスを終了されると困る」という意見は最もだ。今回の取材からも分かるように、MVNOを選ぶ際でも、提供企業のブランドに対する信頼感や安心感は重要な指標になるようだ。

 端末は、約3万円でAmazonから購入した海外版SIMロックフリーのものを使っている。その前は別の海外端末を使っていたが、水没したため防水対応の端末を選んだという。

 月々の料金だが、現在はセキュリティオプション含めて月2000円程度かかっている。それ以前は「タイプXi にねん」(743円)、「Xiパケ・ホーダイ フラット」(5700円)、「moperaUスタンダードプラン」(500円)で、オプション含め月8000円程度だというから、月6000円程度安くなった。

 通信速度やデータ通信容量についても、「ドコモと契約していたときとほぼ変わらず、ちょっと遅くても気にならない」という。ちなみにIIJmioの通信速度は低速通信時で上下最大200Kbpsだが、通信を開始した最初の75Kバイトまでは速度制限をかけない「バースト転送」が可能になっている。そのため、ほかのサービスより初速が速く感じる仕様だ。

photo 専用アプリから月々のデータ使用量を確認できるほか、クーポン機能で高速データ通信と低速通信を随時切り替えられる

 また、専用アプリを使って高速データ通信と低速通信のオン/オフを切り替えられる「クーポン」機能も頻繁に使っているという。月単位で高速データ通信を使える容量に上限があるが、オフ時は容量を使わずにためておくことができる。余った容量は翌月にも繰り越せるので、利用に応じてデータ容量をコントロールできる仕組みだ。

 「Facebookの利用時はやや遅いと感じるが、クーポンをオンにすると違和感はない。容量節約のために普段はクーポンをオフにしている。慣れてくると、使用するサービスごとにオン/オフして、通信容量を調整できるようになる」。しかし、200kbpsでもTwitterやRSSリーダーを利用するくらいなら問題ないという。デメリットは、「LINEでID検索やフリーコインの利用ができないこと」。

 また、普段はNexus 7も持ち歩いているが、Wi-FiモデルなのでSIMカードは差せない。「外出時はスマホでテザリングして使うこともあるが、特に問題なく利用できる」と話す。動画やしっかりとした調べ物をする際などは自宅でPCやタブレットを使っているという。

 今後も現行プランを使い続けるか尋ねると、「月6000円近く料金を抑えられたので、使い続けると思う。ただし、通信する機会が増える帰省時や国内旅行時は、チャージして容量を追加する必要があるかもしれない」と答えた。普段使いする分には、月1Gバイトで十分事足りているという印象を受けた。

コスパに満足。ただし、端末調達や設定などでハードルあり

 今回話を聞いた3人は、いずれも3000〜6000円の節約に成功し、格安SIMサービスを「価格に見合ったもの」と割り切って利用している。価格が安い代わりに通信速度や容量が制限される、キャリアのサービスが使えないなどのデメリットがあることも理解しているため、利用満足度も高い。

 月々のデータ使用量を確認すると、キャリアの定額プランの上限である7Gバイトまで使っていない人も多いだろう。しかし、格安SIMを導入するには、端末を調達したり、APNの設定をしたり、分からないことがあったら自分で調べて解決したりと、一定のリテラシーが求められるのも事実。価格面で恩恵を受ける人が多い一方で、まだ誰もが気軽に利用できるサービスとは言い難い。

 また、SIMロックフリースマートフォンをタブレットやフィーチャーフォンと組み合わせる2台持ち利用も目立った。音声通話など、格安SIMサービスで不足する側面をほかの端末でどう補うかも重要になってくる。

 今回取材した格安SIM・格安スマホのユーザーは、誰もが「これからも使い続ける」としている。月額料金を抑えたいと考えている人は、自分の用途や目的に合った格安SIMサービスについてじっくり調べてみるのもいいだろう。その際は、以下の記事も参考にしてほしい。

 成長を続けるMVNO市場は、新サービスや新端末が続々と登場している。キャリアの2年契約が切れる時期が近づいた際、いま一度携帯電話料金の見直しを検討してみてはいかがだろうか。

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