スマホ時代に求められる「受け身なユーザー」や「行動の分断」への対策:「検索」時代の次へ

» 2014年11月13日 10時41分 公開
[村上万純,ITmedia]
photo Gunosy福島良典CEO

 「スマートフォンが浸透することで、ネットが初めてオタクのものじゃなくてマスのものになった」――Gunosy福島良典CEOは、「これまでネットにアクセスして来なかった人たちにストレスがないよう自然な形で面白いサービスを提供していき、テクノロジーによるブレイクスルーを起こしたい」と意気込みを語る。

 11月11日に開催されたGunosyの事業戦略発表会では、「グノシーを通じて見えるスマホ時代の未来」と題するトークセッションが行われた。福島CEOのほかに、Gunosy 竹谷祐哉COO、ジャーナリスト佐々木俊尚氏、「DeNAトラベル」の運営会社エアーリンク マーケティング本部長 土屋益雄氏、アルバイト求人サイト「ジョブセンス」など運営するリブセンス取締役 中島真氏らが登壇し、スマホ時代に企業がユーザーに提供できる価値や市場変化について議論した。

スマホ時代の課題は「目的なきアクセス」や「行動の分断」

photo ジャーナリスト佐々木俊尚氏

 スマホが世の中に普及してきた今日において、PCやスマートフォンでサービスを展開する各企業は、それぞれ現在のユーザー動向をどう捉え、どのような課題を抱えているのだろうか。佐々木氏は「フィーチャーフォンの時代はGREEやDeNAが5000万を超えるユーザーを抱えており、今は地方のケータイユーザーがスマホに移行している」と話し、スマホの“マスメディア化”を指摘する。

 中島氏は「スマホからの流入が伸びており、スマホとPCの比率が6:4になっている。PCは自ら検索してくる主体的なユーザーが多いですが、スマホユーザーは明確な目的なくサービスにアクセスしてくる“柔らかい人”が多い。そういった人たちに対して最適なサービスの提供の仕方はどうかと模索している最中です」と説明した。

 土屋氏も自社ユーザーに同様の傾向があると話し、「スマホはSNS、アプリなどさまざまな経路があるので、それぞれに対してしっかり対策をしないといけない。スマホの小さい画面の中で、情報量の多い旅行情報を見てもらうために、ユーザビリティをどこまで追求できるかが重要」と付け加えた。

photophoto エアーリンク 土屋益雄氏(写真=左)。リブセンス 中島真氏(写真=右)

 プラットフォーム化を発表したGunosyの福島氏は、スマホ時代を象徴する主なポイントを2つ挙げ、それぞれ「ユーザー行動の分断」と「提供アプリのバラバラ化」と表現した。

 ニュースキュレーションアプリGunosyが人気を集める理由として、福島氏は中島氏が指摘したように「スマホユーザーは受動的で目的がはっきりしないため」と分析する。「電車に乗っている時などの隙間時間で何か面白いことをしたい、面白いものを読みたい」という、曖昧な目的を持つ人をうまく捕らえたのがGunosyだという。しかし、隙間時間で触るので1セッションあたりの時間は短く、スマホ上で何か購入したり、予約をしたりという作業は途切れ途切れに分断されてしまう。「隙間時間を埋めるGunosyには、その隙間時間の中で各行動を分断させないように完結させる解決策が求められている」と福島氏は現状の課題を語った。

 一方で、スマホは肌身離さず持ち歩くものであるため、1日の中での接触時間は長い。「そのため、ユーザーが持つさまざまな興味・関心を満たさないといけないが、実際は各機能に特化した雑多なアプリがバラバラと点在している現状がある」と福島氏は問題点を指摘する。「例えばInstagramは写真機能に特化したことで人気を集めるアプリだが、写真加工だけしていてもユーザーは満たされない。バラバラになったアプリをまとめるプラットフォームのようなものが必要だと考えている」(福島氏)と持論を展開した。この2つの課題をGunosyによって解決していくという。

Gunosyが起こす、「予約、契約の革命」

 福島氏は、Gunosyが目指す先にあるのは「予約や契約の革命」だと意気込む。福島氏はタクシー配車アプリ「Uber」を例に出し、「これまではタクシーを路上で呼んで、乗車した時点からサービスを受けていたが、Uberによって予約する段階から決済して降車するまでの一連の流れがサービス化されることになった。また、満足を得られれば、ユーザーは次もUberを使おうということになる」と説明する。つまり、ユーザーが特定のサービスを主体的に選択するよりも前にある、潜在的なニーズまでをも取り込むようなサービス設計が必要だと考えているということだ。

 最近ではECサイトや求人サービスなどでもユーザーの興味関心に合わせたレコメンドをする機能が実装されている。Gunosyは東京大学の大学院で人工知能を研究していたメンバーが立ち上げたサービスだ。受け身なユーザーの潜在的なニーズを満たすようなレコメンド機能などが今後充実していくことにも期待したい。

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