MVNOの速度無制限サービス、どうして実現できたのか?SIM通

» 2015年03月16日 14時04分 公開
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 スマートフォンを頻繁に利用している人にとって、悩みの種となっているのが、一定量のデータ通信をすると急速に通信速度が低下してしまう“速度制限”です。

 モバイルの通信サービスは、有線の回線ではなく、電波という有限の資産を多くの人が共用することで通信を実現しています。そうした環境下で特定のヘビーユーザーが大容量通信をし続けると、有限な電波の周波数帯域幅を占有する形となり、他の人が通信しようとしても帯域幅が足りず通信速度が大幅に落ちたり、そもそも通信できなかったりといった、問題が発生してしまうのです。

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 多くのモバイル通信サービスは、ヘビーユーザーの使いすぎを防ぎ、多くの人が快適に通信できる環境を実現するため、高速通信容量を料金に応じて1ヵ月当たり何GBまでと規制したり、あるいは3日間に何GB以上通信すると翌日の通信速度を落とすなど、さまざまな速度制限を設けています。

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 しかしながら最近では、動画や本格ゲームなど、スマートフォンでもGB単位の通信容量を短時間で費やしてしまうコンテンツの利用が進みつつあります。そのため従来以上に、速度制限に引っ掛かって通信速度が落ちてしまうというユーザーが増えているのも事実です。

 そうした声を受けてか、最近一部のMVNOが、どれだけたくさん通信しても速度が低下しない“速度無制限”をうたうサービスを提供するようになってきました。速度無制限のサービス自体は以前から存在していたのですが、通信速度が数百kbps前後と、非常に低速なものが主流でした。しかし、最近ではLTEによる高速通信が可能でありつつ速度無制限を実現するサービスが増加傾向にあります。

 LTEでの高速通信による速度無制限サービスの先駆的存在が、ぷららモバイルLTE(NTTぷらら)の「定額無制限プラン」。通信速度は下り最大3Mbpsと、通常のLTE回線と比べれば制限されてはいますが、どれだけ通信しても速度制限がかからず、3Mbpsの速度を維持できることが大きな注目を集めました。さらにその後、U-mobile(U-NEXT)が、どれだけ通信しても下り最大150Mbpsの速度を維持できる「LTE使い放題」を開始。b-mobile(日本通信)も同様に、LTEによる高速通信の使い放題サービス「b-mobile SIM 高速定額」を開始するなど、高速通信と速度無制限を両立したサービスが拡大傾向にあります。

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 しかし、よくよく考えてみると、MVNOに回線を提供しているドコモなどの携帯電話キャリアも、月に何GB、あるいは3日間に何GB通信すると速度が低下するといった通信速度制限を設けているのが一般的です。しかもMVNOは、携帯電話キャリアにお金を支払って帯域を借りている立場であることから、利用できる帯域の幅はキャリアよりも狭いはずです。

 にもかかわらず、MVNOが速度無制限を実現できるのはなぜでしょうか?その理由は非常に簡単で、MVNO側が帯域幅に関係なく、大量にデータ通信をするユーザーに対し、あえて制限をかけていないからです(P2Pなど一部サービスに対し制限をかけている場合もあります)。

 無論、制限をかけなければユーザー1人当たりのデータ通信量が増え、車で言えば渋滞が発生しやすくなることから、その分、他のユーザーの通信に影響が出る可能性が高まります。それゆえ使い放題サービスは他のサービスと比べ、通信速度の上限は同じであっても実際の通信速度は遅くなりがちだという声も多く聞かれますし、ぷららモバイルLTEのように、最初からあえて通信速度の上限を抑えることで、使い放題を実現しながらも多くのユーザーが快適に利用できる仕組みを整えているサービスも存在します。

 有限の電波を用いたサービスである以上、高速通信を維持しながら際限なくデータ通信を利用するには、何らかの制限を受け入れるか、相応の対価を支払うのが原則です。それだけに速度無制限のサービスを利用する際は、必ずしも他のサービスと同じ通信速度で常に利用し続けられるとは限らない点に、十分注意する必要があるでしょう。

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