「VAIO Phone」は世界に羽ばたけるか? スマホ低コスト化の理想と現実バラして見ずにはいられない(1/3 ページ)

» 2015年05月29日 14時23分 公開

 2014年7月。多くのファンを持つPCの「VAIO」ブランドがソニーを離れ、新たなメーカーとして独立した。そして3月。同社から、“VAIO”ブランドを冠したAndroidスマーとフォン「VAIO Phone VA-10J」がMVNOの日本通信から発売された。本体価格は約5万円。製品には日本通信のSIMカードが同梱されているが、端末自体はSIMロックフリーで、周波数帯域が適合すれば他キャリアのSIMでも利用できる。

photo「VAIO Phone」

部品はグローバルクラス

 VAIOブランドのVAIO Phoneではあるが、当のVAIOは“デザイン監修”を手がけたにとどまり、日本通信が主体となって企画・開発が進められた。製造はODM大手の台湾Quanta Computerで、パナソニックが台湾で発売した「ELUGA U2」とデザインやスペックが酷似している点も大きな話題となった。

photo 「VAIO」のロゴは世界的に有名。日本ではもちろん、価格が下がれば海外でも売れまくるだろう

 そのVAIO Phoneだが、部品は高品質な世界標準品を使用している。プロセッサは世界シェアトップの米Qualcomm製「MSM8916」(クアッドコア)を採用し、メモリ(RAM)サイズは2Gバイト。写真や音楽を保存するストレージ(ROM)は16Gバイトだが、MicroSDカードで補完できる。LTEの通信チップはQualcomm、そして通信品質を高めるノイズフィルターなどは村田製作所製だ。一部の国の端末にみられる“安かろう悪かろう”的な部品は使用されていない。

photo 分解図。端末の構成は先進国向けの製品と変わらない
photo ノイズフィルターやアンテナスイッチ、分波器など、無線部分の多くで村田製作所の部品を採用

 スマホや携帯電話の多くは、アンテナを筐体下部に搭載していることが多い。これは電磁場が人体に及ぼす影響を考慮し、通話時に頭部から離れた場所で電波を送受信するためで、ほぼ世界共通の構造である。

 しかしヒソヒソ話をする時などに口元を手で覆ったりすると、このアンテナがふさがれて通信状態が不安定になってしまう。その場合、筐体上部に装備されている予備アンテナが動き始める。廉価な端末になってくると上部アンテナを搭載しない例もあるが、本機では予備アンテナも装備されていた。

photo 廉価モデルでは省略される予備のアンテナも搭載

 筐体下部にはアンテナと接続する小さな基板があり、幅広いフレキシブルプリント基板(FPC)と高周波ケーブルでさらにメイン基板と接続されている。FPC上にはノイズ対策と思われる黒いコーティングがあり、こうした細かい部分も国内端末と変わらないクオリティである。端末の性能を支える電子部品の観点からは、サクサク動き、普段使いに全く支障がないハイクオリティな製品と言えるだろう。

photo メモリはRAMとROMをワンチップ化。従来のプロセッサの上にRAMを単体で載せるより安くなる
photo SIMカードスロットはSIM2枚を収納可能だが、使えるのは右側の1スロットのみ
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月18日 更新
  1. “クレカ障害”の原因、三井住友カードが明らかに 都内店舗は「現金や交通系ICカードをご利用ください」と客に案内 (2026年07月16日)
  2. “クレカ障害”にJCBと楽天カードがコメント 朝のラッシュを直撃 (2026年07月16日)
  3. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
  4. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  5. “クレカ障害”で「現金を持つべき?」の声 三井住友カード「弊社システムで障害は発生していない」 (2026年07月16日)
  6. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  7. 手ぶらで改札を通れる! 東武東上線・池袋駅に「顔認証改札」が登場、気になる仕組みとセキュリティを解説 (2026年07月16日)
  8. 日本通信がMVNOサービスでシェア5位に 月額290円からの“合理的プラン”が好調 (2026年07月15日)
  9. “クレカ障害”の根本原因、Visa日本法人が明かす――「外部からの攻撃等によるものではございません」 (2026年07月17日)
  10. 中古iPhoneの注文増加 “新品は高すぎ” ――コレが消費者の本音か BelongとMM総研が分析 (2026年07月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー