iOSのアクセシビリティにはどんな用途があるの?――応用編(1/2 ページ)

» 2015年07月07日 11時00分 公開
[杉本純ITmedia]

 前回は、iOSに搭載されているアクセシビリティ機能の1つ、VoiceOverについてご紹介しました。アクセシビリティは視覚などに障がいがあるユーザー向けの機能ですが、その一部は健常者がiPhoneやiPadを使う上でも役立つ場合があります。今回はその具体的な例を挙げてみましょう。

1.通知の読み上げ

 VoiceOverはiPhone/iPadが受信した通知を音声で読み上げさせることができます。例えば車を運転中や、イヤフォンで音楽を聞きながらジョギングしている場合など、画面をすぐに確認できない状況で非常に役立ちます。ただ、デフォルトの設定ではロック中(スリープ中)通知の中身を読み上げないので、VoiceOverの設定にある、「常に通知を読み上げる」をオンにする必要があります。

photo これをオンにすれば、ある意味Apple Watchより便……おっと誰か来たようだ

 ただ、この設定を有効にすると周囲の人にも通知の内容が聞こえ、プライバシー性が犠牲になります。不要なときはVoiceOverをオフにすることをお忘れなく。

2.本を読んでもらおう

 VoiceOverを使って、本を読ませることができます。任意のブックアプリ(iBooksやKindleなど)を開き、2本指下スワイプで読ませるだけです。ただ、VoiceOverに非対応のアプリもありますので、注意が必要です。筆者が試した限りではiBooksよりもKindleの方がちゃんと対応しているようです。

3.プレゼンに最適! ズーム機能を使おう

 VoiceOverとは異なる機能ですが、アクセシビリティの一環で「ズーム機能」があります。ホームボタン3回クリックのショートカットに入れておくとよいでしょう。ズームを有効にすると、3本指ダブルタップでズームのオン/オフができます。倍率の変更は3本指ダブルタップ後指を離さず上下にドラッグです。表示位置の変更は3本指ドラックで行います。基本的にいつでも呼び出せるので、特にiPhone/iPadを外部モニタに接続してプレゼンを行う際に重宝します。

 また、ズームモードにはフルスクリーンとウインドウモードの2つがあります。好きな方を選択しておきましょう。設定アプリを開き、「一般」→「アクセシビリティ」→「ズーム機能」の中にあります。

photophoto 左はフルスクリーンモードでの拡大、右はウインドウモードでの拡大

4.お子さんに触らせたいときに!アクセスガイドを使おう

 アクセスガイドを有効にすると、起動中のアプリから抜けることができなくなります。例えば子供にゲームで遊ばせたい、だけど他のアプリは触ってほしくない、といった場合に便利です。

 設定は設定アプリを開き「一般」→「アクセシビリティ」→「アクセスガイド」で行います。

 任意のアプリを起動後、ホームボタンを3回クリックしアクセスガイドを有効にすると、設定したパスコード(アクセスガイド専用のパスコード)の入力、またはTouch IDで指紋認証をしない限り、ホームや別アプリに抜けられなくなります。

 オプションで、時間制限や触れてほしくない範囲(広告の部分とか)を設定することも可能です。元々は子供向けの機能ですが、お店でキオスク端末的に展示する場合にも便利な機能です。

photo 「引き算しかできない計算機」なんてイタズラも…
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