日本では9月17日に配信が開始された「iOS 9」。すでにアップデートをした人も、これからアップデートをする人も、「iOS 9で何が変わったのか」は気になるところ。そこで、数回にわたってiOS 9のメリットを実感できる便利ワザを紹介していく。今回は「メモ」アプリに焦点を当てたい。
iOS 9では「メモ」アプリの機能が大きく拡張された。新機能の1つとして追加されたのが、指で手書きができる「スケッチ」だ。メモアプリを立ち上げて右下の「+」ボタンをタップすると、メニューが表れる。その中で×の左隣にあるアイコンをタップすると、スケッチ(手書き)が可能になる。
スケッチで選べるペンは「ペン」「蛍光ペン」「鉛筆」の3種類。それぞれの描画ツールの太さは調整できないが、カラーは24色が用意されており、特に黒→白に変化するグレイ系の色が充実している。間違えたところはやり直したり、消しゴムで消したりもできる。
面白いのが「定規」も使えること。最初は斜め45度で表示されるが、2本指で定規に触れると、定規を引く角度を自由に調節できる。定規のフチに沿って指を動かすと直線が引かれる。部屋の間取りやフローチャートなど、ちょっとした図版を描きたいときに重宝しそうだ。
作成した手書きメモは画像としてメールやSNSで共有したり、作成したページ(枚数)ごとに分割して「写真」フォルダに保存したりできる。
これまでも、メモアプリから(保存済みの)写真を挿入することはできたが、iOS 9ではより簡単に写真を挿入できる。メモメニューのカメラアイコンを選び、「フォトライブラリ」「写真またはビデオを撮る」から、写真やビデオを挿入できる。これまではできなかった、メモアプリから直接撮影して写真や動画を挿入することが可能になった。逆のパターンとして、写真の共有メニューからメモアプリを選んで、メモに写真を貼り付けることも可能だ。
例えばWebサイトを見ていて気になる記事があったときに、スクリーンショットを撮って写真アプリの「メモ」フォルダに保存しておく手もあるが、コメント付きで保存したいときは、メモアプリに写真を貼り付けてテキストを入力すればOKだ。
ただ、貼り付けた画像にスケッチで手書きはできないようだ。画像を貼り付けたメモを開いてスケッチツールを選ぶと、白紙の画面が表れ、貼り付けた画像の下を編集することになり、画像自体に書き込むことはできない。画像をタップすると拡大表示されるが、ここでも手書きはできなかった。記事(のキャプチャ画像)の気になる箇所に印を付けたいこともあるだろうから、ここは改善してほしいところだ。
ほかのアプリの共有メニューから、Webサイトのリンクをメモアプリに保存できる。Webサイトの記事で、一部分だけを保存するならスクリーンショットが有効だが、記事そのものを保存したいなら、SafariやChromeなどのブラウザから直接保存する方がいいだろう。
プリインストールされているマップやGoogle マップなどの地図アプリから、地点を選び、その場所をメモアプリに保存することもできる。気になる飲食店を見つけたときや、観光名所を巡ったときなどに記録しておくといいだろう。写真があれば、そちらも一緒に記録しておきたい。
通信速度を頻繁に測っている人なら、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリの測定結果をメモに保存するのもお勧めだ。同アプリから測定履歴も確認できるが、特に忘れたくないデータはメモアプリに保存しておくのも有効だ。
メモのメニューから「Aa」を選ぶと、メモのフォーマットを変更できる。初期状態の「本文」に加え、「タイトル」「見出し」「・箇条書きリスト」「-点線付きリスト」「1.番号付きリスト」を選べる。箇条書き、点線付き、番号付きは、リストアップしたものを記録しておく際に便利だ。
メモアプリ内にチェックリストを作成することも可能になった。メモのメニューから左端のアイコンをタップすると、チェックリストの「○」が表示され、項目名を入力して改行すると、自動で左端に○が付く。
この○をタップすると、チェックマークが付いてオレンジ色に変わり、タスクが完了したことが一目で分かる。メモアプリをタスク管理に活用していた人には、うれしい進化といえる。
ここまで説明してきたスケッチ(手書きメモ)、写真や動画の保存、Webサイトのリンクなどは、メモアプリの“添付ファイル”として保存される。これら添付ファイルは、まとめて閲覧することが可能だ。
メモ一覧の左下にあるアイコンをタップすると、カテゴリーごとに添付ファイルが表示される。「メモに貼り付けた画像」「Webサイトのリンク」などを手軽に探せるので便利だ。
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