3月31日、「iPhone SE」が発売された。既報の通り、iPhone SEは「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」と比較して手頃な価格であることから、SIMロックフリー版を買ってMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」で使おう、と考えている人も少なくないだろう。
ただし、iPhone SEで格安SIMを使う場合、大手キャリアのSIMとは異なる“注意すべき点”がある。この記事では、iPhone SEで格安SIMを使う上で注意すべきポイントを実際の設定画面などを交えながら解説する。(2016年4月4日現在の情報をもとに作成)
キャリアを通して販売されるiPhone SEには、販売した事業者以外のSIMカードを受け付けない「SIMロック」がかかっている。キャリアが販売したiPhone SEで格安SIMを利用する場合、組み合わせによってはSIMロックを解除する必要がある。
ドコモが販売したiPhone SEを使う場合、ドコモ回線を利用する格安SIMならSIMロックを解除する必要はない。au回線を利用する格安SIMを使う場合は、SIMロックを解除する必要がある。ドコモのSIMロック解除は、端末購入日から6カ月経過すると行える。ただし、購入時に手続きをした回線でSIMロック解除の実績がある場合、手続き日から6カ月経過した時点でロック解除が可能となる。
au(KDDIまたは沖縄セルラー電話)が販売したiPhone SEを使う場合、au回線を利用する格安SIMでVoLTE非対応のSIMカード(黒色の「au Nano ICカード」)であればSIMロック解除の必要はない。
一方、VoLTE対応のMVNO専用SIMカード(au MVNO Multi ICカード)を利用する場合は、auが販売したものでもSIMロックを解除する必要がある。ドコモ回線を利用するMVNOサービスを利用する場合も、SIMロックを解除してからとなる。auのSIMロック解除は、端末購入日から180日経過すると行える。
ソフトバンクが販売したiPhone SEを使う場合、現状では利用する格安SIMを問わずSIMロックを解除する必要がある。ソフトバンクのSIMロック解除は端末購入から181日経過してから行える。
今後、ソフトバンク回線を利用した個人ユーザー向けの格安SIMが登場した場合は、ロック解除せずに利用できる可能性もあるが、「iPhone用」「Android用」など端末の種類によってSIMカードを分けている現状を考えると難しいかもしれない。
Apple StoreのWeb通販および実店舗では、SIMロックが最初からかけられていない「SIMロックフリー版」も販売している。SIMロックフリー版は、ドコモ回線・au回線両方の格安SIMに対応している。
iPhone SEには、大手キャリアの純正回線に接続するための「APN(Access Point Name)」という設定があらかじめセットされている。SIMロックフリー版やSIMロックを解除したiPhone SEに純正回線のSIMカードを入れると、自動的に設定が行われ、長くても数十秒でネットに接続できる。
しかし、iPhone SEには格安SIM用のAPNはセットされていない。そのため、iPhone SEで格安SIMを使う場合は、「構成プロファイル」をあらかじめインストールする必要がある。ダウンロードには純正の「Safari」を利用する。当然、ネット接続が必要となるため、別途Wi-Fi(無線LAN)ルーターなどに接続してダウンロード・インストールしよう。接続プロファイルのダウンロードや設定手順は、格安SIMのWebページで確認できる。
なお、構成プロファイルは端末に1つのみ適用できるので、別のMVNOの格安SIMを使う場合はあらかじめ削除した上でインストールし直す必要がある。また、大手キャリアの純正回線を利用する場合も構成プロファイルの削除が必要となる。
プロファイルをインストールしたら、Wi-Fiをオフにしてモバイル通信できるか確認しよう。ドコモ回線を使った格安SIMは「LTE」「3G」のいずれか、au回線を使った格安SIMは「4G」という表示が出て、ブラウザやアプリで通信できることが確認できれば成功だ。
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