今のソフトバンクからは攻めの姿勢が見えない?

» 2016年06月22日 22時15分 公開
[田中聡,ITmedia]

 6月22日に開催されたソフトバンクグループの株主総会では、モバイル事業を担うソフトバンクについての不満が、株主から出た。

 「ホワイトプランを発表して他社が追随するなど、以前のソフトバンクからは攻めの姿勢が見えたが、最近は(ソフトバンクが)他社を追随している。(シェアが)『3位でいい』と感じられ、以前のような何がなんでも1位を取る姿勢が見えないのが残念。利益率が世界一と満足している(※)感じを受ける。シェアでも1位を取る姿勢を、もう一度モバイルでも見せてほしい」(株主)

※ソフトバンクの2015年度における通信事業の利益率は54%で、これは世界で最も高い数字だという。ちなみにNTTドコモの利益率は40%。

ホワイトプラン 2007年に発表された「ホワイトプラン」

 確かに、ソフトバンクが2007年に発表した月額980円の「ホワイトプラン」は衝撃的だったし、NTTドコモとKDDIもこれを追随した。「他キャリアが追従、対抗値下げをした場合は、24時間以内にさらなる値下げを発表する」との公約もインパクトがあった(そして、実行していた)。現在は事実上の廃止となってしまった端末の「実質0円」も、ソフトバンクが最初に打ち出したものだし、iPhoneを日本で初めて導入したのもソフトバンクだ。

 もちろん、携帯事業が成熟して安定した利益が出せるようになった現在、やみくもに奇をてらった施策を実行する必要はないが、ソフトバンクが携帯事業に参入した当時と比べると、驚きが減った感は否めない。最近のホットトピックといえる「長期利用者向けの割引」も、ドコモとKDDIが発表会でしっかりと説明したのに対し、ソフトバンクはTポイントをプレゼントする施策を静かに発表したのみだった。2016年夏商戦に向けての発表会も、ソフトバンクのみ実施していない。

 株主からの質問に対して孫氏は直接答えず、ソフトバンクの宮内謙社長が回答。「4月から『ソフトバンク』と『Y!mobile』の2ブランドで展開している。Y!mobileの料金体系は他より圧倒的に安い。ソフトバンクとY!mobileの両方で、(2015年)12月からスマートフォンの新規シェアが圧倒的に高い。安値作戦を激しくやっていないことはない」と、Y!mobileで差別化を図っていることを強調した。

ソフトバンク 2つのブランドがあることを説明する宮内社長

 しかし、いくらY!mobileが安くても、ソフトバンクユーザーは何の恩恵も受けない。通信会社は同じ「ソフトバンク」だが、ソフトバンクユーザーが番号をそのままにY!mobileを利用するには番号ポータビリティ(MNP)が必要など、実態は異なるキャリアとなっている。ソフトバンクで圧倒的に利用者が多いiPhoneをY!mobileで使うには、SIMロックフリー版を別途購入するか、SIMロックを解除する必要がある(そして解除できるのはiPhone 6s/6s PlusとiPhone SEのみ)。

 宮内氏は、スマホ代を最大2000円割り引く「ソフトバンク光」が好調であることを説明していたが、基本料金の値下げなど、全ユーザーが幸せになれるプラスアルファも欲しい。ソフトバンクがかつてうたっていた「予想外」を、もう一度見てみたい。

ソフトバンク 「予想外」なソフトバンクを再び見たい

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