生活と体験がクロスする――ZからXに生まれ変わった「Xperia X Performance」開発秘話:開発陣に聞く(2/3 ページ)

» 2016年08月16日 15時45分 公開
[田中聡,ITmedia]

日本モデルだけ“樹脂パーツ”が入った理由

 日本で発売されているXperia X Performanceには、背面の下部にグローバルモデルにはない樹脂が加えられているが、これは通信品質を重視した結果だという。金属素材は端末内部のアンテナとの電波干渉を引き起こす要因になるので、通信品質の面では不利になる。素材1つで実効速度に大きな影響が出るのだろう。

Xperia X Performance 背面に加えられた樹脂パーツ

 「日本は世界でも類を見ないほど通信環境が良く、お客さまが求める通信に対するニーズが強い。その中でキャリア様とどれぐらいのスピード感を目指すかを話し合った結果、このようなデザインにしました」(矢部氏)

 樹脂パーツを入れたのは日本版のみ。となると、グローバルモデルは通信品質が劣るのか? といううがった見方もできるが、「海外版の通信品質が劣るわけではありません。通信がつながる/つながらないは、本体の能力や電波環境など、さまざまな要因があるので、その地域で使っていただくうえで、日本の電波方式に最適化したということです」と矢部氏は補足する。

 例えばドコモでは「PREMIUM 4G」として、理論値で下り最大375MbpsものLTEに対応しているが、この速度にできるだけ近づけたいと考えたのだろう。では日本版のXperia X Performanceがフルメタルになったら、どうなってしまうのか? 矢部氏は「日常的に動画サービスなど見られない、といったことはありませんが、通信速度が上がっているキャリア様の水準をクリアする上で、通信に力を入れました」とのことだった。

 樹脂が入ることでデザインが損なわれることは否めないが、同じ商戦期で発売されたAQUOS ZETAやGalaxy S7 edgeなどと比べて、実効速度で差が出ることは避けたかった――という、キャリアとメーカーの思惑もあったのだろう。

放熱の効率も向上

 Xperia X Performanceという製品名が表す通り、スマホの“パフォーマンス”も向上させた。

 バッテリーの持ちは、米Qnovoと共同開発した充電の最適化技術を導入した結果、Xperia Z2よりも2倍の持ちを実現したという。ここで伸ばしたのは、満充電から0%になるまでの時間ではなく、バッテリーの寿命。「スマートフォンの買い換えサイクルが25〜30カ月へと長くなっている」(矢部氏)中で、長寿命化に重きを置いた。

 Xperiaシリーズで毎回気になる「発熱」については、Xperia Z5シリーズではヒートパイプを1本から2本に増やして放熱効率を高めたが、Xperia X Performanceでも同様の処理を施している。加えて、「メタルの方が(ヒートパイプの)伝導率がいいので、熱を逃がす効率はだいぶ改善している」(矢部氏)という。さらに、「Z5でも採用していたグラファイトシートの枚数や面積を増やした」(同氏)ことも、放熱効率を高めた。

 Xperia Z5シリーズから採用した指紋センサーも継承しているが、認証スピードが向上しているという。「Z5と同じセンサーを採用していますが、中のソフトウェアをチューニングしたことで、認証が速くなっています。具体的な数字はありませんが、実際にお客さまの声としても挙がっています」と矢部氏は手応えを話す。指紋センサーの搭載位置を引き続き側面にしたのは「手に持ったときのなじみやすさを重視して、自然な動作でロックを解除できるようにした」(矢部氏)ためだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月06日 更新
  1. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  2. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  3. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  4. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  5. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
  6. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  7. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  8. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー