年末企画ということで、2016年のスマホカメラ四天王の4台を比較してみた。どれが最弱かは各人の判断に任せるとして、取り上げたのは、おなじみのiPhone。2016年は「iPhone 7 Plus」。続いてソニーモバイルの「Xperia XZ」、サムスンの「Galaxy S7 edge」。4台目は評価をぐんと上げた「HUAWEI P9」である。HUAWEI P9が食い込んできたのが2016年の見どころだ。
まずはこれら4機種の基本性能を大チェックである。基本的にデフォルトの設定を利用しているので、撮影時の細かい調整や特殊機能はあとまわし。デフォルトできれいに撮れるのはどれか対決、と思ってください。
まずざっくりと各機種の基本から。
アウトカメラは、広角カメラが1200万画素でF1.8。28mm相当。望遠カメラは1200万画素でF2.8で56mm相当だが、今回は他とそろえるために広角カメラをメインで使った。iPhone 7のカメラは7 Plusの広角カメラと同じである。
カメラアプリは、タイムラプス、スロー、ビデオ、写真、ポートレート、スクエアと6つの撮影モードを左右のフリックで切り替えて使う。基本は「写真」。特に複雑なマニュアル撮影機能はないが、画面タップでのタッチAFや露出補正、HDR撮影機能、フィルターなどがある。
カメラアプリのシンプルさを、豊富なサードパーティー製カメラアプリで補っている感じだ。
アウトカメラは2300万画素でレンズはF2.0。他より画素数は格段に多いが、センサーサイズも普及型コンデジ並みの、他社よりちょっと大きめのものを使っている。
暗所でのAF速度を上げるためのレーザーセンサーや、ホワイトバランスの精度を上げるためにIRセンサーを搭載。
カメラアプリは、おまかせオートを中心に、Mモード、動画モード、各種アプリとフリックで切り替えて使う。
アウトカメラは1200万画素でF1.7とレンズが明るい。26mm相当とけっこう広角だ。
カメラアプリは機能が豊富でHDRはオート。静止画と動画をモード切り替えなしにさっと撮れるのがいい。
ライカとの協業でカメラ機能を強化した、2016年にブレークした端末。SIMロックフリー界からの参戦(まあ、今回使ったiPhone 7 PlusもSIMロックフリー版ではあるが)。
2つ並んだデュアルカメラがウリで、片方がカラー、もう片方がモノクロになっており、両者を合成することで画質を上げているほか、大口径レンズのシミュレーションを行うワイドアパーチャモードも魅力。1200万画素でレンズはF2.2。
カメラアプリは下から上にフリックすると各種設定が可能になるプロモードに切り替わるほか、ワイドアパーチャモードのオンオフが簡単にできるなど、よくできている。
さてこの4つの作例。バラバラだと見づらいのでまとめてみた。
このような青空背景で順光のカメラにとって非常に撮りやすい環境でも色に微妙な違いが出ていることと、レンズの画角の違い(Xperiaが一番画角が広く、iPhone 7 Plusが一番狭い)をチェックすべし。
もう1つ風景対決。まずは青空。青空がけっこう違うのが分かるかと思う。iPhone 7 Plusはちょっとくすんでいるがリアル。Galaxy S7 edgeとXperia XZは青空が強調されて派手目の画作りなのがポイントだ。
では中央辺りを拡大してみる。
画角と画素数の違いで等倍表示したときの表示範囲はちょっと異なっているが、同じ1200万画素で比べるとiPhone 7 PlusよりGalaxy S7 edgeやP9の方がディテールのシャープネスは高い。解像感が高いというよりは、ちょっと強めにシャープネスがかかっていると解釈した方がいいだろう。Xperiaはレンズに対して画素数がちょっと多すぎるかなと。等倍にするとディテールがわさわさしている。
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