2016年のiPhoneを振り返る&次期iPhoneへの期待(1/2 ページ)

» 2017年01月07日 06時00分 公開
[田中聡,ITmedia]

 2016年も大いにモバイル業界をにぎわせた「iPhone」。日本で発売された2016年のiPhoneを振り返るとともに、2017年に発売されるであろう新iPhoneへの期待をまとめたい。

iPhone SEよりも5sが脚光を浴びた?

 毎年、iPhoneは9月に新製品が発表、発売されるという流れが続いているが、2016年は3月にもひと山あった。そう、3月31日に発売された「iPhone SE」だ。

iPhone 2016年3月に発売された4型の「iPhone SE」

 iPhone SEは「iPhone 5s」のサイズとデザインがベースになっており、小型のiPhoneを求めるユーザー向けに開発されたモデルだったが、日本では他のiPhone級のヒットとは至らなかった。GfKの販売ランキングでは、iPhone新モデルの指定席だった総合トップは一度も獲得できず、最高位は7位止まり。SEより半年前に発売されたiPhone 6sの牙城を崩せなかった。

 一方で「iPhone 5s」の“復活”が印象深かった。3月4日にY!mobile(ソフトバンク)が、7月15日にUQ mobile(UQコミュニケーションズ)がiPhone 5sを発売した。11月ごろに実質100円に値下げされた効果もあって、Y!mobile版5sは、GfKの販売ランキングでiPhone SEが到達できなかった総合4位にまで上り詰め、2016年11月下旬から2016年12月末まで4位をキープするほど売れている。

iPhone Y!mobileから発売された「iPhone 5s」

 2013年9月という3年以上前に発売されたiPhone 5sがなぜいまだに売れているのかはこちらの記事でも述べたが、一言で言えば「安く手に入れられる現役のiPhone」だから。「現役」としたのは、5sは最新のiOS 10をサポートしており、iOSの新機能やアプリを余すことなく利用できるから。iPhone 5sは中古市場でも値頃感から人気があり、ゲオモバイルの2016年の販売ランキングでは、iPhone 5sと5が上位を独占している。CPUやカメラの性能はSEに譲るが、コスパを考えると5sで十分という人が多いのだろう。

 2017年にリリースされるであろう次期iOS(iOS 11)をiPhone 5sがサポートするかどうかは未定だが、少なくともiOS 11がリリースされる2017年秋までは、まだ5sの人気は続きそうだ。

7/7 Plusは「FeliCa」「防水」「デュアルカメラ」が大きなトピック

 9月16日に発売されたiPhone 7の大きなトピックは、「FeliCa(Apple Pay)」と「防水」の2つ、ということに異論の余地はないだろう。

iPhone 「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」

 FeliCa(おサイフケータイ)と防水は、これまでAndroidの独壇場だった。防水については使い方を工夫することで多少のカバーはできるが、FeliCaは生活インフラに関わる部分であり、「これがないからiPhoneへの乗り換えをためらっていた」というユーザーは多いだろう。iPhone 7でその穴を埋めたことで、iPhoneへの乗り換え障壁がぐっと下がった。

 日本のApple Payがクレジットカードのほか、交通サービスの「Suica」に対応したことも大きい。Apple Pay開始から数日間、Suicaのカードをなかなか登録できないなどのトラブルはあったが、これでiPhoneへの乗り換えを決めた人も多いだろう。

iPhone
iPhone FeliCaと防水の対応は、iPhone 7の大きなトピックだった

 日本で3キャリアから発売されたiPhone 7/7 Plusは、例年以上の事前予約を集めたそうで、2017年1月現在も好調に売れている。

 ただしFeliCaと防水は「さすがApple!」とユーザーを驚かせてくれる機能だったというよりは、ライバル(Android)にあってiPhoneにないものを補った機能にすぎない。

 「新機軸」という意味で面白かったのが、iPhone 7 Plusに搭載した「デュアルカメラ」だ。それまでのデュアルカメラといえば、3D画像を撮影するものや、Huaweiの「P9」が搭載したカラー+モノクロセンサーなど、2つのカメラを複合的に使うものが主流だったが、iPhone 7 Plusでは2つのカメラを切り替えて広角・望遠レンズを使い分けるという手法を取った。

iPhone iPhone 7 Plusに搭載されたデュアルカメラ

 筆者もiPhone 7 Plusを実際に使っているが、(明るい場所に限られるものの)光学2倍相当のズームをワンタップで切り替えられ、被写体の背景をボカせる「ポートレートモード」を利用できる望遠レンズは、これまでにないカメラ体験を与えるものだと感じており、楽しく活用している。

 2つのカメラを切り替えて使う仕様はLGエレクトロニクスの「V20 PRO」「isai Beat」や、ASUSの「ZenFone 3 Zoom」も取り入れており、スマホカメラの新しいトレンドになりつつある。そういう意味でも、2016年は例年以上に「Plus(iPhone 7 Plus)」が脚光を浴びた年だったといえる。

 販売ランキングを見ると、iPhone 7 Plusは6 Plusや6s Plusよりも多く、総合ランキングで上位にランクインしている。上記のカメラ機能に魅力を感じたことに加え、7 Plusのサイズ感を受け入れている人が増えたのだろう。Androidでは「Xperia Z5 Premium」や「Galaxy S7 edge」など、iPhone 7 Plusと同じ5.5型のスマホが増えたことも追い風になったのかもしれない。

 iPhone 6sに新搭載された「3D Touch」と「Live Photos」は、面白い機能ではあるが、スマホの使い方を変えるほどの機能ではなかった、というのが個人的な感想だ。だがFeliCa、防水、デュアルカメラは、ここ数年のiPhoneでは特にインパクトの高い新機能だったと思う。

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