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» 2017年05月25日 11時20分 公開

新料金プラン「docomo with」に質問集中――ドコモ吉澤和弘社長と一問一答 (2/2)

[房野麻子,ITmedia]
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囲み取材

囲み取材 発表会後の囲み取材に応じる吉澤和弘社長

―― docomo withは端末の購入サポートをやめる代わりに月々1500円割り引くということだと思うが、収益に与える影響はどうか。

吉澤社長 当然、収入が減ることになる。ただ、月々サポートがなくなるのでコストは減る。docomo withでは端末そのものは定価で買っていただくので、我々が仕入れる価格、調達価格に対して売値はそんなに高くない。粗利分は他の端末に比べると少し小さくなるというか、仕入れ値にちょっと(利益分を)乗せさせていただいて、それを正価で買っていただくことになる。料金が下がって収入は下がるが、月々サポートはなくなる。粗利は少なくなるので、我々の収入がその分、少なくなる。その辺の足し算、引き算ということだ。

―― そうすると、そんなに(収益には)影響はないということか。

吉澤社長 いや、今年度(2017年度)はかなりある。かなりというか、たぶん数十億円くらいの規模になる。

―― ユーザーはどれくらいの期間、端末を使うという計算なのか。今までの端末購入補助と比べると、4年以上は使わないとユーザーの得にはならないのではないか。

吉澤社長 正式には出していないが、端末の値段は2万円台半ばと3万円台半ば程度。月々1500円割引なので、24カ月だと3万6000円の割引になる。2万円台半ばの端末であれば、2年経つと端末代金は相殺される。そういう計算は成り立つ。

―― docomo withか従来通りの月々サポートか、機種によって選んでもらう形もできたと思う。機種を絞る形で提供することになったのはなぜか。

吉澤社長 新しい料金なので、新しく出す端末にまず適用した。既存のものにdocomo withを適用しようとすると、月々サポートタイプの販売方法と、今回の販売方法が同じ機種で混在する。ユーザーにとって、どちらがお得なのか、我々自身もどういうお勧めの仕方をしていいのか、非常に複雑になる。

 今回の2機種は端末購入補助の月々サポートは適用しない。次の端末をどういう風にするか、ユーザーの反応や状況を見ながら判断することになると思う。今は完全に分けてやらせていただく。

docomo with対象端末は月々サポートを使って購入できない docomo withの対象端末は月々サポートを使って購入できない

―― 他のキャリアにない、ドコモ限定のモデルから始めたというような意味もあるのか。

吉澤社長 Galaxy Feelについては、完全にドコモ独自のモデルになっている。arrows Beもかなりチューニングしてもらっている。そういう意味で、ドコモのモデルといってもいいかと思う。

―― ユーザーは、高価格帯モデルの方が何年も使えると感じると思うが。

吉澤社長 フラッグシップモデルは定価が8万円から10万円になる。当然割賦も効く(分割払いで購入できる)が、それを定価で買っていただけるユーザーがどれくらいいるのか。買いやすい料金で、月々サポートの適用を受けて買うユーザーがほとんどだと判断している。

 「定価で買うのだから1500円ずっと割引してほしい」という話が色々出てくると思う。それについては、状況を見て判断したい。

―― docomo withの利用者層はどう考えているか。

吉澤社長 基本機能をメインに使ったり、フィーチャーフォン(ケータイ)を長く使っていて、乗り換えたスマホも長く使う層だと思う。若者はあまり想定していない。

―― 収益への影響が数十億円という件は、減益要因で、単純に持ち出し費用、収益が減るということか。

吉澤社長 初年度はそのくらいかと思っている。先日の通期決算(説明会)で、シンプルプランとウルトラシェアパック30、ポイントの還元で300億円、それにさらに数百億円加わると話した。その数百億の一部。

「お客様還元」の説明 2016年度通期決算説明会では、2017年度内に段階を踏んでユーザーへの利益還元をしていくと説明していた。docomo withは「第2弾以降」の還元施策の1つという位置付けだという

―― (docomo withは)サブブランド対策の意味合いもあるのか。

吉澤社長 Y!mobile(ソフトバンクとウィルコム沖縄)さんとかUQ mobile(UQコミュニケーションズとUQモバイル沖縄)さんに、ある程度ポートアウト(転出)している数は当然ある。ポートアウトを防ぐという意味にもつながるが、どちらかというと今いるユーザー、今、長くドコモを使っていただいているユーザーに、この機種を使っていただいて、ずっと長くドコモにいてもらうことが基本の考えだ。

 10年、15年、端末を長く使ってもらっているけれど、料金面でまだまだ恩恵を受けていないユーザーを留めて、長く使っていただく。結果としてポートアウトが少なくなって、ドコモに留まっていただくという狙いは当然ある。ただ、セカンドブランド対応という意味合いではない。

―― 実質価格的な見方からすると、docomo withは“実質マイナス無限円”のように、使えば使うほどマイナスが大きくなる。ガイドラインをクリアするためにミドルレンジ以下(のスペックの端末)にしなければいけなかったという事情があったのか。

吉澤社長 今は端末購入補助に対してはルールがあるが、基本的にdocomo withは期限を定めない。(そのため、)ガイドラインに照らして問題ないということを確認している。「1500円割引」と言っているが、これは実際にはタリフ(料金)になる。

―― いつ頃に(docomo withの)導入を決めたのか。

吉澤社長 (携帯電話料金や提供条件に関する)タスクフォースが始まった頃には「頻繁に端末を買い換えるユーザーだけがメリットを得ていて、長く同じ端末を使っているユーザーの料金が高止まりして、それが買い換えるユーザーの割引に反映されているのではないか」と言われてきた。ただ、我々は料金の多様性を前々から検討していた。

 8年前か9年前に、これと同じような料金があった(筆者注:FOMAの「バリュープラン」と「ベーシックプラン」のことと思われる)。そういう意味で歴史は繰り返すではないが、多様な料金プランということで検討している。

―― 以前のMONOのようなスタイルを今後も継続するのか、それともdocomo withの方に移行するのか。

吉澤社長 ミドルレンジやローレンジモデルに対して、docomo withの方に入れるのか、今のような600数十円程度で売るのか、その判断はしなくてはいけないと思う。できればdocomo withの方に寄せていきたいというのが今の思い。今回出してみた状況をしっかり見た上で判断する。

―― 「スグ電」は終話もタッチ不要でできるようになったが、どういう狙いか。

吉澤社長 センサーなど、さまざまな技術を発話とうまく組み合わせれば、そういった機能ができるという検討はずっと進めていた。スマホはタップしなければいけないが、例えばシニアは発信や終話時に、どのボタンを押せばいいのか迷うことがある。(スグ電は)そういったところに対応できる。タップをしなくてもいいテクノロジーで、便利を提供するのが狙いだ。

スグ電の新機能を自らデモした吉澤社長 スグ電の新機能を自らデモした吉澤社長

―― 格安スマホの競争においても、優位に立つというような狙いはあるのか。

吉澤社長 そこまでは考えていない。格安スマホの事業者の方がどういう機能を付けるかは全然わからないが、それで格安スマホと対抗しようというイメージはない。便利なもの、今までにないものを出していこうという思い。サービス、料金も含めてトータルでユーザーに受容していただく狙いがある。

―― サブブランド対抗ではないということだが、対抗するような、さらなる料金プランやポイント還元はこれから考えていくのか。

吉澤社長 サブブランドに対抗というか、結果としてうまくサブブランドに対処できる結果になるかもしれない。docomo withがどういう風になるか見えないが、逆に効果があるということであれば、結果としてサブブランド対応ができたということになると思う。

―― docomo with第2弾というものが出るのか。

吉澤社長 サブブランド対抗ということで何か出すかということでは、今は明確にはない。

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