インタビュー
» 2017年07月07日 18時45分 公開

開発陣に聞く「AQUOS R」(後編):「すごい発見」だった発熱対策、OSバージョンアップの秘策 「AQUOS R」の裏側 (2/2)

[田中聡,ITmedia]
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動く充電台「ロボクル」を採用した狙い

 シャープのスマートフォンといえば、AIを活用した音声エージェント「エモパー」も特徴だが、AQUOS Rでは、このエモパーをさらに便利に使える卓上ホルダ(充電台)「ロボクル」が用意される。ロボクルにAQUOS Rをセットして、着信やメールの受信があったとき、電話やアラームが鳴ったとき、新しい情報があるときに画面が点灯すると、ロボクルがくるっと回転。インカメラが見つけたユーザーに対して、エモパーがこれらの情報を話しかけてくれる。

AQUOS R 動く充電台「ロボクル」
AQUOS R 新着メールを受信すると、ロボクルが教えてくれる……というデモ

 シャープはどのような狙いで、ロボクルの採用を決めたのか。

 小林氏は「モダリティ(話し手の表現)を出したかった」と話す。「これまでのエモパーは、言うなれば、置いたスマホがしゃべるだけでしたが、まばたきやうなずきなどがあると、本当に生きているように感じられます」と同氏。そこで、動きを加えられるロボクルの採用が決まった。

 ロボクルにはもう1つ、家でスマホに触れる時間を減らしたいという狙いもあるようだ。「スマホに着信があるので手に取ると、そのままSNSも見始めて、家でも長くスマホを触ることはありますよね。でも、ロボクルがぱっとユーザーを見て、スマホを手に取らなくて済むと、劇的に(生活が)変わると思うんです」と小林氏。スマホに触れる時間が減った分は、家族との会話や他の趣味に時間を使える。ロボクルには、ユーザーのライフスタイルを変える可能性も秘めているといえる。

 当初からエモパーの開発に携わってきた、IoT通信事業本部 IoTクラウド事業部 プロダクトソリューション開発部 技師の飯田義親氏は、「ロボクルが、ユーザーを向いて話しかけてくれるのは、大きな変化です。ユーザーに向き合って伝えることは、今までのスマホはできていなかったことです。向き合うことで、驚きや気付きを与えてくれます」と、ロボクルの新しさを話す。

 ロボクルのハードウェアの開発を担当した、IoT通信事業本部 パーソナル通信事業部 回路開発部 技師の三島啓太氏は、滑らかに回転させることが難しかったと話す。「それを克服するのに、モーターの選択、ギアのバランス、摩擦力の軽減などを工夫しました。摩擦が大きすぎて最初は回転音もうるさかったですし、モーターは小型にしないとならないという構造的な問題などもありました」(同氏)

AQUOS RAQUOS R ロボクルの開発を担当した飯田氏(写真=左)と三島氏(写真=右)

 ロボクルは最大210度まで回転するほか、広角のインカメラを搭載しているので、例えばテレビ台に置くといった日常でのシーンなら、「どこにいても見つけてくれる」(小林氏)。

 なお、回転するための動力が必要になるため、ロボクルを利用するには充電をする必要がある。

 このロボクル、auとソフトバンクのAQUOS Rには付属するが、ドコモ版には付属せず、オプション品としての扱いもない。ドコモユーザーはがっかりだと思うが、シャープブランドで販売することを検討しているそうだ(auやソフトバンクから購入するという手もある)。

 AIを用いたサービスは続々と登場しているが、エモパーとロボクルの組み合わせは、ユーザーに新しい体験をもたらしてくれそうだ。

※これでインタビューは終わり……のはずでしたが、もう少し続きます。

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