インタビュー
» 2017年07月31日 11時50分 公開

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:「P9シリーズよりも売れている」 ファーウェイ呉波氏に聞く「P10」3機種の手応え (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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novaとP10 liteはすみ分けができている

―― P10 Plusも出し、機種数が増えています。2017年はnovaシリーズも発売しました。こことP10 liteのすみ分けは、しっかりできているのでしょうか。

HUAWEI nova lite 「HUAWEI nova lite」

呉氏 社内データで実売を見ると、お互いが対抗関係にあるのではなく、むしろ、お互いの販売を促進した形になっていることが分かります。P10 liteも発売してからほぼ1カ月たちましたが(インタビュー時点)、弊社の中では、P10 liteを出すことで、P9 liteの売れ行きが下がってしまうのではないかという見方がありました。ただ、実際には、P10 liteの発売後に、P9 liteの売れ行きがさらに勢いを増しています。

 ですので、今はP10 liteとP9 liteのどちらも売れています。P9 liteはすでに11カ月販売してきましたが、ピーク時より高い数字を維持しています。それは、やはり日本のSIMフリー市場が、今年大きく躍進しているからです。

 P10 liteとnovaシリーズには、しっかり違いもあります。novaにはどちらかというと、女性的でオシャレなイメージがありますが、P10 liteは若者向けです。novaを日本市場に投入した理由は、それ以前の年齢層が高く、男性が多かったからです。novaを出すことで、これまで弊社のユーザーではなかった若者や女性に対して、しっかり訴求をすることができました。

―― 楽天モバイル専売になっている、honorシリーズはいかがでしょうか。海外では「honor 9」も発売されました。

呉氏 honorシリーズは、2015年6月に初めて日本に導入して、今年で3年目になります。弊社のhonorブランドは、海外でオンライン専売になっていて、コストパフォーマンスのいいシリーズです。日本市場の実績としても、悪くはありませんから、引き続きご紹介させていただきたいと思っています。ただし、honor 9をリリースするタイミングについては、今はまだお話することはできません。

VoLTEは今後標準対応に FeliCaは……

―― P10 liteはKirinチップを搭載しながら、au VoLTEに対応しました。一方で、P10、P10 Plusは未対応です。これはなぜでしょうか。

呉氏 日本の3大キャリアのVoLTEについては、全てのラインアップで問題なく対応できます。そこに技術的な難しさはありません。これはHuaweiに限らずですが、今後のSIMフリースマートフォンは、日本の3大キャリアのVoLTEに、デフォルトで対応していくことになるはずです。ただし、開発期間を要するものではあるので、順次対応していく形になります。

―― FeliCaについては、いかがでしょうか。対応を表明されてから、何か変化はありましたか。

呉氏 そうですね。これは前にも申し上げたかもしれませんが、ほとんどのスマートフォンはNFCに対応しています。今は、NFCとFeliCaに両対応できる方法を探しているところ(両対応したチップはキャリアのスマートフォンや一部SIMフリースマートフォンに搭載されている)で、近い将来、それが実現できるようになります。ですので、FeliCa対応は技術の問題ではなく、時間の問題です。これは口先だけでなく、実際に取り組んでいる話です。

―― 決済という意味だと、御社は「Huawei Pay」というプラットフォームを中国で展開しています。これについてはいかがですか。

呉氏 こういった決済サービスを始めるには、まずクラウドサービスが必要になりますが、弊社はまだ日本では、スマートフォン向けのクラウドサービスを持っていません。日本でクラウドが配備されれば、そういった決済を開始できる可能性はあります。

 Huawei Payの用途はWeChat Payなどとちょっと違い、主に日常生活で、例えば地下鉄に乗るときなどに使われることがあります。また、一部のショッピングモールでも使えるようになっています。深センだけでなく、上海、北京でも利用できます。日本で買った端末にも、アプリを入れれば問題なく使えるようにはなりますが、プリインストールはしていませんし、(中国の)銀行カードの登録も必要になります。

 ただし、モバイル決済に関しては、日本と中国、その他の国で、環境が大きく異なります。日本では3大キャリアがおサイフケータイを手掛けていますが、中国だとキャリアではなく、WeChatなどのサードパティが主体で、ビジネスモデルも大きく違います。もちろん、これは新しいビジネスなので、非常に大きな利益をもたらす収益源になる可能性もあります。一方で、日本では、auがau WALLETのようなサービスを展開しているので、そういったところと競合関係になるようなことは考えていません。

取材を終えて:ハイエンドモデルが好調を後押し

 SIMロックフリースマートフォン市場の拡大に伴い、Huaweiは徐々に、ハイエンドモデルに力を入れ始めている。その読みが当たり、P10、P10 Plusの販売台数も伸びているようだ。その結果として、日本市場に対し、さらに前向きになっている様子がうかがえた。FeliCa対応の表明はその1つ。防水仕様を盛り込むことも、計画しているという。いずれも実現するのは2018年以降になる可能性は高いが、その時が今から楽しみだ。

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