Apple Watchに搭載される「watchOS」が、10月末にアップデートされる。バージョンは「watchOS 4.1」。最大の目玉は、セルラー機能が搭載されたApple Watch Series 3単体で、Apple Musicのストリーミング再生が可能になることだ。筆者はこの最新OSの配信に先駆け、watchOS 4.1がインストールされたApple Watch Series 3を試用することができた。ここでは、その使い勝手を、お伝えしていきたい。
Apple Musicの再生は、Apple Watch側のミュージックアプリから行う。といっても、Apple Musicには約4000万という膨大な楽曲が登録されている。画面の広いiPhoneなら、好みの楽曲を検索して聞くということも簡単にできるが、ディスプレイサイズが小さいApple Watchでそれを行うのは困難だ。当然、ユーザーインタフェースもApple Watchに最適化されている。
Apple Watch側で可能なのは、登録したプレイリストを再生すること。プレイリストは、あらかじめiPhoneで登録しておいたものを同期する仕組みだ。iPhoneのWatchアプリを開き、「ミュージック」でApple Watchに移したいものを選ぶことができる。ここからApple Musicのプレイリストを登録しておけば、Apple Watch単体でのストリーミング再生が可能になる。
当たり前かもしれないが、Apple Watchでは、音楽をスピーカーに出力することができない。再生の際には、Bluetoothイヤフォンなどが必要になる。プレイリストを移し、Bluetoothイヤフォンを接続すれば、準備は完了。あとは、Apple Watch側でミュージックアプリを開き、プレイリストを選ぶと、音楽の再生が始まる。
ただ、あらかじめ登録した楽曲しか再生できないのでは、Apple Musicにある膨大な楽曲が、宝の持ち腐れになってしまう。うっかり、聴きたい曲のプレイリストを登録し忘れていたということもあるだろう。そのような場合は、Siriが利用できる。
Siriを起動し、「ドリカムの音楽を再生して」「ONE OK ROCKの音楽を再生して」などとアーティストを指定すれば、Apple Music内にある楽曲が選ばれ、再生が始まる。もっとアバウトに、「秋の音楽を再生して」といった選曲を頼むこともできる。この場合は、話しかけた内容に近いプレイリストから、楽曲が選ばれるようだ。ちなみに、この質問に対しては、綾香の三日月が選ばれた。
とはいえ、街中でSiriに話しかけるのは少々勇気がいる。実際筆者も、渋谷のど真ん中でSiriに楽曲を変えてもらおうと思ったが、恥ずかしさが勝ってしまい、小さな声でしか話せなかった。結果としてSiriは筆者の声を聞き取れず、きちんと楽曲を選ぶことができなかった。
人の多い街中と同様、電車の中などでも、Siriを使うのは難しいだろう。どちらかというと、Siriで選曲するのはランニングに出掛ける前の家や、ジムで黙々と走り込みをしているときかもしれない。その方が、ワークアウトのときだけiPhoneを置いておき、単体で通信するというApple Watch Series 3の利用シーンともマッチする。
Siriを使う関係上、Apple Watch Series 3に接続するBluetoothイヤフォンは、AirPodsがオススメだ。AirPodsは本体にセンサーが内蔵されており、ダブルタップでSiriが起動する。これを使えば、わざわざApple Watch側を操作する必要がなく、簡単にSiriを呼び出せる。音質にこだわるのであれば、同様の機能を搭載した、BeatsのBluetoothヘッドフォン/イヤフォンを選んでもいいだろう。
Apple Musicのもう1つの機能であるRadioにも、watchOS 4.1で対応した。watchOS 4.1では、アプリ一覧を開くと分かるように、Radioのアイコンが加わっている。聞き方は単純で、アプリを開くと、「再生中」「Beats 1」「ステーション」の3つのボタンが現れる。Beats 1を聞きたいときはボタンを押せばいいし、その他のステーションを呼び出したいときは、ステーションボタンをタップするか、画面を上にフリックすればよい。
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