MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は10月にテストした、au系通信サービスとY!mobileの速度をお伝えする。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
10月のドコモ回線編は、以下の記事をご参照いただきたい。
今回、テストを行ったのは以下の5サービス。
auのLTE NETはMVNOではなく、auのスマートフォンで利用するインターネット接続サービス。いわば“純正”の通信速度となる。Y!mobileも同様に、大手キャリアであるソフトバンクの回線をそのまま使っているので“純正”回線となる。
調査条件は以下の通り。
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。各サービスの測定開始時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値を取っている。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
まずは午前中の測定結果から。ドコモ編でも述べているが、午前中は通信が混雑しにくいので通信速度が伸びやすい。ドコモ編では最速が下り平均75Mbpsだった。
au系サービスとY!mobileはどうだろうか。
今回のau系の下り平均速度は、前回と比べると控えめ。今回のドコモ系サービスの結果と比べても抑えめだ。
トップはKDDIグループの「UQ mobile」。au純正の「LTE NET」を抑え、平均30.34Mbpsを記録した。ちなみに、LTE NETは平均21.49Mbpsだった。
前回1Mbpsを切った「IIJmio(タイプA)」は、平均4.04Mbpsに復調。逆に、「mineo(Aプラン)」は前回の平均10Mbps台から平均1.58Mbpsと振わなかった。「Y!mobile」は平均16.98Mbpsでおおむね通常運転といった感じに。
上り平均速度はどのサービスも1〜3Mbps台。1位はやはりUQ mobileで平均3.84Mbps。ワーストはmineoの平均1.73Mbpsとなった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 8:51 | 1.58 | 1.73 |
UQ mobile | 8:51 | 30.34 | 3.84 |
IIJmio(タイプA) | 8:51 | 4.04 | 2.17 |
au(LTE NET) | 8:51 | 21.49 | 2.28 |
Y!mobile | 8:55 | 16.98 | 2.62 |
通常、ランチタイムの測定は通信が混雑するため、特にMVNOサービスは通信速度が落ち込みやすい。今回のドコモ編では17サービス中15サービスが下り平均1Mbps未満となり、計測不能なサービスもあった。
au系サービスとY!mobileの結果はこうだ。
下り平均速度のトップは、またもUQ mobile。平均83.79Mbpsと、午前中よりもむしろ速くなっている。前回も、ランチタイムの方が速い傾向にあった。2位は平均23.89Mbpsで純正のLTE NETだった。
一方、下り平均速度のワーストはIIJmioで平均0.24Mbps。mineoも平均0.52Mbpsと1Mbps未満の速度に終わった。Y!mobileは、おおむねいつも通りに下り平均12.44Mbpsを記録した。
上りの速度はY!mobileがトップで平均2.73Mbps。au系はすべて上り平均1Mbps台だった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 12:20 | 0.52 | 1.17 |
UQ mobile | 12:20 | 83.79 | 1.85 |
IIJmio(タイプA) | 12:20 | 0.24 | 1.64 |
au(LTE NET) | 12:20 | 23.89 | 1.91 |
Y!mobile | 12:25 | 12.44 | 2.73 |
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