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» 2018年04月05日 21時00分 公開

「通信」と「ユーザー」を中心にワクワクを提供し続ける――KDDI・高橋新社長就任会見(2/2 ページ)

[井上翔,ITmedia]
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報道関係者との質疑応答

 プレゼンテーションの終了後、高橋社長は報道関係者との質疑応答に臨んだ。主なやりとりは以下の通り。

質問に答える高橋社長 質問に答える高橋社長

KDDIとベンチャー企業との関わりについて

―― 5Gについては、御社でもさまざまな取り組みをしていると思う。ベンチャー企業の協力がないと賄えない部分はあるのか。

高橋社長 通信サービスの上に乗っかるサービスを作る上で、KDDIが単独でやるとどうしても狭いものになってしまう。

 ベンチャー企業にとどまらず、いろいろな企業が5G通信プラットフォームの上で新しいビジネスモデルを作って行くというのが、これからの(サービスの)あるべき姿だと思う。

―― 競争力を持つベンチャー企業の中には、(特定の)大企業のカラーが付くことを嫌がるところがあると思う。どのようにして、そのようなベンチャー企業を確保していくのか。

高橋社長 これはコアな(核心を突く)質問だと思う。

 1990年代、CVC(企業によるベンチャーキャピタル)が流行したことがある。多くの企業がベンチャーに投資をしたものの、なかなかうまく行かないことが多かったように記憶している。投資によってベンチャー企業に(投資元企業の)「色」が付いてしまったことと、投資に関する意思決定において「シナジー(相乗効果)を期待してしまったことが、失敗の原因と思う。

 ベンチャーに投資する上で一番重要なのは、そのベンチャーを“大きく”することにあると思う。投資をした後「(投資元である)KDDIの事を放っておいて良いから(企業として)大きくなりなさい」と(声がけを)すれば、企業色も出ない。その上で、「KDDIの持つアセット(資産)を最大限に使いなさい」というふうにしている。

―― ベンチャーキャピタル(VC)はたくさんある。KDDI Open Innovation Fundの投資を受けるメリットはどこにあるのか。

高橋社長 社内には数十人のファンド運用者がいる。先ほどの話ともつながるが、運用者にはKDDIのアセットを使って投資先をいかに(企業として)大きくするかを主眼に置くように指示している。この点がCVCとして他社と違う点だと思う。

 今度開始するKDDI Open Innovation Fundの第3弾では、(グループ企業である)ソラコム、ARISE analytics、Supershipが投資プログラムに加わる。「KDDIグループのアセットを使って、ベンチャー企業に大きくなってもらう」というのが、目指す姿だ。

他の大手キャリアとの競争環境について

―― 通信ではMVNO、メッセージングサービスではLINEなど、大手キャリアと競合するサービスを提供する企業が増えている。大手キャリアであるNTTドコモやソフトバンクとは今後「協調」するのか、それとも引き続き競合として「競争」していくのか。

高橋社長 難しい質問をしますね(笑)。

 ドコモとソフトバンクは、基本的には今後も「コンペティター(競争相手)」であるという認識だ。

 ただ、競争環境は徐々に変わってきていることも認識している。通信事業者の“弱み”は、他の業界の企業を巻き込むと「KDDIだけ」「ドコモだけ」「ソフトバンクだけ」という部分が出てきてしまうことにある。

 そのような観点では、上の(サービス)レイヤーでは協調する分野があっても良いと考えている。例えば、auの「Cメール」は、SMSとして他社と相互に送受信できるようになっている。

 「あるときはコンペティター、あるときは協調する」という関係になるのかな、と思う。

au WALLETの将来像について

―― au WALLETについて、将来的に「資産運用」「ローン」といったサービスを検討しているとのことだが、どのようなサービスを考えているのか、決まっていることがあれば教えてほしい。

高橋社長 au WALLETは「お財布」を意識したサービスとして始めた。

 今後このウォレット(お財布)が重要な意味を持ってくる。「送金」や「現金化(払い出し)」といった機能を持たせる場合、法令上銀行業免許が必要で、本人確認もしなくてはならない。

 今回は(グループ企業の)じぶん銀行と連携することで「リアルタイムチャージ」「送金」「プリペイド残高の払い出し」を実現できた。資産運用やローンについても、この連携のスキームを活用して取り組んでいこうと考えている。

―― au WALLETに追加予定の「QRコード決済」について、後発になると思うが、いつから始めるつもりか。

高橋社長 2018年度中には始めたいと考えている。

―― QRコード決済は、サービスは増えているものの、加盟店が増えていないように思う。どうやって加盟店を増やしていくのか。

高橋社長 一部(規格によって)独自拡張をしていることもあるが、QRコード自体は基本的に仕様が統一されている。

 既に(別のQRコード決済を)導入しているコンビニエンスストアなどでは、少しの投資で対応できるはずなので、個別に(加盟店として)開拓していくことになる。中小規模の店舗については、(QRコード決済を推進している)他社と組んで開拓していくことも視野に入れている。

―― 他社と組むとは、(LINE Payを展開する)LINEなどと一緒にやるということか。

高橋社長 使える店があればあるほど良いと言う観点では、加盟店開拓については競争分野ではないと思う。みんなと一緒にできるに超したことはない。

 その上で、サービス面で差別化していけば良いのだと思う。

コンテンツサービスは「乞うご期待」

―― 3G時代はauのコンテンツサービスにワクワク感があったが、昨今ではそのワクワク感をドコモに持って行かれているように思う。auのコンテンツサービスについて何か考えていることはあるか。

高橋社長 スマートフォン中心になって、独自のコンテンツをそろえることが難しくなっているが、体制が変わったので(コンテンツサービスにも)しっかり取り組んでいきたいと思っている。

 ただ、全てを自前でそろえる必要はないと考えている。通信とサービスをマージ(統合)して勝負する時代になっているので、それに資する提案ができるようにいろいろ検討している。「乞うご期待」といったところだ。

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