インタビュー
» 2019年04月02日 06時00分 公開

バッテリーだけじゃない、新「ZenFone Max」の進化 「Zen SIM」の狙いは?SIMロックフリースマホメーカーに聞く(3/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]
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ZenUIをやめてピュアAndroidのUIを採用した理由

―― 今回はどちらもピュアAndroidを売りにしていますが、「ZenUI」はやめてしまったのでしょうか。

ASUS ピュアなAndroid UIを採用

阿部氏 これは弊社だけに限らず、Androidのメーカーは多くが専用UI(ユーザーインタフェース)を入れていました。ただ、あれをすることでAndroidと専用UIの両方でメモリを使い、パワーを余計に使ってしまいます。そのぶん、バッテリーの消費も多くなります。Maxシリーズのユーザーが求めるのはやはりバッテリーということで、ZenUIではなく、ピュアなAndroidにしています。この製品はバッテリーが長持ちするというコンセプトなので、ピュアAndroidの方が相性がよかったということです。

リー氏 ですから、決してZenUIを捨てたというわけではありません。ただ、ピュアAndroidを求める国の需要もあるため、バリエーションを広げています。ZenUIを搭載することで差別化できることもあれば、載せないことで差別化できることもあるということですね。

阿部氏 ただし、ピュアといっても、細かな機能は残っているので、厳密にいえばカスタマイズはしています。例えば、タップするだけで画面をオン/オフできる機能はあるので、100%ピュアというわけではありません。後は、FMラジオなどの機能も入っています。これはモトローラさんもそうですが、便利なものは載せつつ、UIはピュアにしているという形です。

「Zen SIM」を始めた経緯

―― 2機種と同時に、「Zen SIM」のサービスも始めました。あれはどういった経緯で始まったのでしょうか。

ASUS ZenFoneとセット販売する「Zen SIM」。中身はIIJmioの「みおふぉん」と同じだ

テン氏 SIMフリーモデルは一括購入になってしまいますが、現金を持っていなかったり、(限度額が足りずに)カードが使えなかったりという方もいまいた。Zen SIMで通信サービスを提供することで、分割購入もできるようになります。もう1つの理由が、ワンストップのサービスが提供できるというものです。Zen SIMがあれば、端末を買ったものの、SIMカードがないという不便さを解消することができます。

阿部氏 赤坂のショップがオープンしてからちょうど1年がたち、いろいろなことを模索していましたが、サービス拡充の一環として始めています。

―― Zen SIMはIIJが提供していますが、競合する他のMVNOに売りにくくなるということはないのでしょうか。

阿部氏 特にないですね。

テン氏 Zen SIMはASUSのストアのことを考えたサービスだからです。最初の「ZenFone 5」を出したころから、そういった考えはありましたが、ようやく実現できました。

―― 赤坂とネットのショップ以外で提供する予定はありますか。

テン氏 今のところありません。自社のストアに来てほしいという思いがあるからで、オリジナルのサービスとして提供しています。ただし、次は大阪にショップを作るということは、オフィシャルで言っています。時期は決まっていませんが、関東に1店舗あるので、次は大阪になります。もちろん、そこでもZen SIMは販売していきます。Zen SIM以外にも、ASUSのストアならではのサービスは、今後も増やしていく予定です。実はSIMカードまで提供するのは日本が初めてで、Zen SIMは台湾でも大きなニュースになっていました。

―― SIMフリースマートフォンの販路として、MVNOの比率が上がっているとうかがいましたが、その傾向に何か変化はありますか。

リー氏 特に増えても減ってもいませんが、この2機種に関しては、反響が大きいですね。採用はさらに増えていくと思っています。

―― 4月には、ドコモが分離プランを発表する可能性が高まっています。分離プランが義務化されると、ASUSにとってはどういう影響があると見ていますか。

阿部氏 個人的な意見ですが、分離プランはわれわれにとって確実に追い風になると思っています。端末の割引がほぼできなくなると、「キャリアモデルを買う意義はどこにあるのか」ということになりますからね。ただ、そのときにどうしていくのかは、これから考えなければなりません。

取材を終えて:ハイエンドモデル注力でMaxはどうなる?

 ナンバリングモデルから切り出されたZenFone Maxシリーズは、コストパフォーマンスが高く、以前よりも魅力が増している印象を受けた。ASUSとしても、SIMロックフリーのボリュームゾーンであるミドルレンジモデルの中心に位置付けていることがうかがえる。ユーザーからの反響もよく、実際、BCNランキングが公表した3月11日から17日のSIMフリースマートフォン販売データでは、ZenFone Max Pro(m2)が1位、ZenFone Max(M2)が10位に輝いている(関連リンク)。

 ただ、今後を考えると、ハイエンドモデルに注力するというASUS本社の方針が気掛かりになる。日本での売れ筋は、やはりミドルレンジになるからだ。インタビュー中にもあったように、何をもってハイエンドとするかの定義が異なるため、ASUSにはいち早く、より詳細な方針を示してほしいと感じた。

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