世界を変える5G

ソフトバンクの5Gプレサービスでバスケ観戦 “5Gならではのコンテンツ”に課題石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

» 2019年08月24日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2       

ネットワーク構築のノウハウも蓄積し、商用サービスを目指す

 観客が集まるリアルな環境で、ネットワーク構築の知見を蓄積できるのも、ソフトバンクがプレサービスを行うメリットだ。実際に観客が入った状態のスタジアムで、電波の状況を確認でき、起りやすいトラブルなども事前に把握できるのは、ラボなどで行うテストとは違う、実地ならではのノウハウになる。先に挙げた周波数を選定した理由も、プレサービスならではといえる。

 担当者によると、「今回は体験スペースを決めていたが、実際はスタジアム全体でつながらないといけない」といった違いはあるものの、「お客さんが前を通ると、電波の状況悪くなることもある。人体ロスも考慮しながら(設計する)という学びがあった」(同)という。4Gよりも、利用する周波数帯が高くなり、直進性が強くなるため、全体をカバーしようとすると、「場所の追加も必要なってくる」(同)。

ソフトバンク 来場者が多数訪れた生の環境で5Gを運用でき、ノウハウも蓄積できたという

 ただ、ソフトバンクのプレサービスは、免許が与えられた本サービスの周波数とは異なるため、より“本番の環境”に近い実証実験も必要になりそうだ。端末も、現状では固定しており、ユーザーが手に取っているわけではない。本サービスでユーザーが端末を手に持ち、移動まですることを考えると、プレサービスよりも運用の難度はさらに上がる。プレサービスの次のステップにも、注目しておきたいところだ。

 また、5Gならではのサービスやコンテンツも、まだリアリティーに欠ける部分がある。率直にいえば、ソフトバンクのプレサービスで見たそれぞれのコンテンツには既視感があり、現実味がどこまであるのかが、いまひとつつかめなかった。過去にさまざまな展示会で見たサービスにも同様のものがあるうえに、ドコモやKDDIも似たような取り組みをしているため、“ソフトバンクらしさ”があまり感じられなかったのも事実だ。

 先の野田氏は、ソフトバンクの強みとして、膨大な基地局のサイトを既に保有していることや、Massive MIMOの技術を4Gで先行して採用したことに加え、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資するさまざまな企業のノウハウを持ち込みやすいことを挙げていた。「5G、IoT、ビッグデータを掛け合わせた、全体的なアプローチで取り組める」(同)というだけに、5G時代の、さらに具体的なサービス像を見せてくれることに期待したい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  6. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  7. ソニーaiboからの「撤退は勘弁して」──オーナーが不安視 同社「今後のお話」YouTubeで発信へ (2026年06月27日)
  8. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  9. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  10. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー