世界を変える5G

携帯キャリアは「5G」にどう向き合っていくのか? 各社のキーパーソンが語るCEATEC 2019(1/2 ページ)

» 2019年10月18日 16時36分 公開
[房野麻子ITmedia]

 幕張メッセで行われている「CEATEC 2019」において、10月16日、携帯4キャリアの社長、副社長が一堂に会して5Gについて語る「5G Summit」が開催された。前半部では各社が5Gの取り組みや展望について語った。4社はどのようなスタンスで5G事業に取り組んでいくのか。

ドコモ:来春にサービスもビジネスも始める

CEATEC 2019 ドコモの吉澤社長

 ドコモの吉澤社長は「5Gでより豊かな未来を」と題したプレゼンテーションの中で、中期戦略「beyond宣言」を実現するために「5Gが一番大きな手段になる」と語った。また、ビジネスシーンでよく語られているデジタルトランスフォーメーションを支えるIoT、AI、xR、クラウド、5Gといったテクノロジーの柱の中で「最も太い柱」との認識を示した。

 5Gには「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」という3つの特徴があるが、5Gはまず高速・大容量から始まるとされている。吉澤社長も「高速・大容量と低遅延はうまく組み合わせられると思うが、3つを同時に全部に実現するのはなかなか難しい」と語った。まずは高速大容量と低遅延という特徴を生かし、4K/8Kのストリーミングやスタジアムソリューションなどを提供することになる。

 ドコモは9月20日に5Gのプレサービスを開始しており、全国40拠点で5Gネットワークを構築。2020年6月末までに47都道府県全てに最低1カ所は基地局を設けるという。その後の1年間で1万局まで増やし、開設計画では2024年度末までに2万6334局に増やすとしているが、「これは最低限の数字」(吉澤氏)。より速いペースでネットワークを構築していくそうだ。

CEATEC 2019 開設計画よりも速いペースでネットワークを構築していく

 ネットワークシステムの話題では楽天モバイルの「完全仮想化」がよく取り上げられているが、ドコモもコアネットワークの仮想化を進めている。無線アクセスネットワークについても、コントロールユニットの親局と無線機の子局は「必ずしも同じベンダーでなくてもいい」(吉澤氏)。「ベンダークロス」を実現することにで、ネットワーク構築の効率化やコスト削減を図っていくという。なお、コントロールユニットの親局側の仮想化については「今、どういうやり方をするか検討している」状態だ。

 5Gのサービス展開については、3000以上の企業・団体が参加する「DOCOMO 5G Open Partner Program」でパートナー企業とさまざまなトライアルを行っている。コンシューマー向けにはラグビーワールドカップでの取り組みやMagic Leapと提携して提供しているxRゲーム、法人向けではワコムと共同で行っている3Dデザインの共同制作や日本プロゴルフ協会と行っているゴルフの遠隔レッスンの事例を紹介し「来春の本サービス開始のDay1から、ネットワークだけでなく、サービスやビジネスもスタートしている状況を作りたい」と意気込んだ。

CEATEC 2019 来春のサービス開始には、5Gネットワークはもちろん、サービスも提供するという。

KDDI:技術ではなく、5Gで何ができるかが重要

CEATEC 2019 KDDIの高橋社長

 KDDIの高橋社長は「おもしろいほうの未来へ。Tomorrow,Together」という副題を付けて、5Gに関するKDDIの取り組みと展望を語った。

 1Gから5Gまで全てを経験してきたという高橋氏。4Gと5Gで大きく違うこととして「4G立ち上げ機には、デバイスがゴロッと変わってスマホが出てきた。特にiPhone。だから4Gのネットワークはあっという間に全国に広がった」と指摘した。5Gでは「新しいデバイスが登場して状況が一変するような予感がまだないため、いろいろな工夫が必要」という考えだ。

 まずは「5Gは何ができるネットワークかということを、しっかりとお客さまに伝えないといけない」ということで提案したのが「au UNLIMITED WORLD」だ。「5Gネットワークを使うなら無制限の安心感を提供すべきだが、5Gを待たなくてもいいのではないかということで今秋からauデータMAXプランというアンリミテッドな料金を提供している」(高橋氏)

CEATEC 2019 5Gを見越してUNLIMITED(無制限)な世界を提供する

 サービスについてはARでも使われている「AUGMENT(拡張)」をキーワードとして展開している。これは単語の頭文字が「AU」だから選んだという理由もあるそうだが、「5Gは全ての体験価値を拡張していく時代なのでは。体験を創造していくという意味でAUGMENTを打ち出している」(高橋氏)と説明した。

 スポーツをAUGMENTしている事例としては、大学スポーツ協会「UNIVAS」とパートナーシップ契約による、大学スポーツのネット配信や自由視点リプレイ、スポーツギアのIoT化を紹介。また、街の事例として東京・渋谷区とのタイアップ、エンターテインメントの事例として、5Gを活用したドローンレースを紹介した。

CEATEC 2019 5Gを活用し、さまざまな分野で拡張した体験価値を提供する

 高橋氏は「5Gをテクノロジーで語るのではなく、テクノロジーを使って何が体験価値として提供できるかを大事にしなくてはいけない」と強調した。CEATECの展示についても、「5GやIoTを使ってこんなことができるという体験ブースがすごくたくさん並んでいて、大きく様変わりした」と言及していた。

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