5Gが創出する新ビジネス

5Gに向けて“協創”――ドコモがパートナー企業との取り組みを紹介DOCOMO Open House 2020(1/2 ページ)

» 2020年01月30日 16時50分 公開
[房野麻子ITmedia]

 1月23日と24日にNTTドコモが開催した「DOCOMO Open House 2020」では、間もなく始まる5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスを意識した展示や講演が多数行われた。

 このイベントにおいて、同社で5G・IoTソリューション推進室長を務める船越健志氏が、「5G時代のビジネス協創に向けて」と題する講演を開催。同社がパートナー企業と「協創(きょうそう)」を通して新しいビジネスを作る取り組みについて語った。

DOCOMO Open House 2020

「売る」から「協創」へ方針転換

船越さん ドコモの「協創」について語る船越健志氏

 船越氏によると、2017年に「中期戦略2020 beyond宣言」を発表して以降、ドコモの法人営業のスタイルは大きく変わったという。

 従来はフィーチャーフォン(ケータイ)から乗り換えるためのスマートフォンやタブレット、アプリケーションを提案することが中心だったが、「今は地方創生、社会問題の解決をテーマに、あらゆる分野で(5Gをはじめとしたドコモの技術を活用し、パートナーとともにビジネスを作る)協創の取り組みを進めている」という。

 今回のイベントでは、こうした協創の事例が250以上展示された。そのうち「5G Business」ゾーンに展示されていたものだけでも40以上に登り、いかに5G(第5世代移動通信システム)が注目されているのか伺い知ることができる。

 「5Gはインフラになる」といわれているが、自治体との協創事例も多い。東北(東日本大震災)の復興に関わる事例として、船越氏は海に浮かべて塩分濃度や海水温を定期的にチェックし、作業が必要なタイミングを把握する「ICTブイ」を紹介した。ノリの養殖に生かされており、高品質になると好評だという。

 このICTブイは、その後、九州の有明、さらには沖縄でもずくの養殖に生かされているそうだ。なお、ドコモが連携協定を結んだ自治体は27に上る。

事例 ICTブイの活用事例は、ドコモの法人向けWebサイトでも紹介されている

 5Gを生かして課題解決したいという期待は高いが、すでにIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった先端技術を生かした協創事例もあるという。船越氏は建設現場をIoT化するプラットフォーム「LANDLOG」と、ドコモのMaaS(※)の1つである「AI運行バス」、4K、8Kカメラの映像を分析する際などに活用する「エッジAI」の事例を紹介した。

(※)Mobility as a Service:ICT技術を活用し、さまざまな交通手段を1つのサービスと捉えてシームレスにつなぐ考え方

 5G時代ではIoT機器から集めるデータの容量も大きくなり、大容量のデータを扱うためのソリューションが増えると予想される。常時、クラウドとデータを送受信するのは、コストやパフォーマンス的に得策ではない。そこで、エッジ側(機器の設置場所に近い場所)でAIの処理を行える「エッジAI」が注目されているわけだ。

 実証実験では、ある施設の周辺に、4K(3840×2160ピクセル)で撮影できる高解像度監視カメラを複数台設置し、そこから得られた情報をリアルタイムに解析した。「周辺の道路を走行する自動車の交通量、車種、ナンバーを識別。さらに、駅からの歩行者の通行量などを属性別に把握」(船越氏)できたという。エッジ側で処理できない場合は、映像データを5Gで瞬時にクラウドへと送り、詳細な解析も可能だ。

 こうした技術はセキュリティサービスでの顔認証の他、農産物の生育管理などでも活用が期待できるという。

エッジAI ドコモのエッジAIプラットフォームサービスを使ったソリューション

 LANDLOGは、建設現場で発生するさまざまなデータを一元管理し、バリューチェーンの最適化に貢献する他、現場で働く作業者のバイタル(生体)データを取得・可視化し、安全安心な現場作りに役立つという。

LANDLOG 建設現場をIoT化して生産性向上や安全安心な働き方をサポートする「LANDLOG」

 AI運行バスは「バスとタクシーの良いとこ取りをした乗り合い交通」(船越氏)だ。2019年4月には商用運用もされており、全国16カ所に導入、輸送実績は24万人を超えている。

AI運行バス AI運行バスは有料・無料運行含めて全国16カ所に導入され、24万人超の輸送実績を達成
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月25日 更新
  1. KDDIのISP向けメールシステムで不正アクセス BIGLOBEや@niftyなどで情報漏えいの恐れ (2026年06月23日)
  2. 折りたたみiPhoneに近いサイズ感? 「HUAWEI Pura X Max」実機レビュー 横長“パスポート型”が合理的な理由 (2026年06月24日)
  3. Nothingが新スマホ「Phone (4b)」を7月7日に発表 「新しい世代のユーザーに届ける」 (2026年06月23日)
  4. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  5. 「ソフトバンクの株価なぜ低迷」「料金値上げの影響」「PayPayに次ぐ新事業は?」 株主総会での質疑応答 (2026年06月24日)
  6. NHKのスクランブル化、会長が完全否定 ネット上に「見ないのに払うのは納得いかない」との声 (2026年06月22日)
  7. 楽天モバイルが「WiFiスポット」開始 ローミング終了で「つながらない」ユーザー救済か (2026年06月19日)
  8. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  9. 腰掛け式のポータブルファン「FIELD WAIST FAN」を試す 4580円でファン×大容量バッテリー×ライトの安心感 (2026年06月22日)
  10. ドコモから「arrows Alpha2」登場 新素材とフルフラットパネルを採用、水中撮影にも対応 (2026年06月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー