世界を変える5G
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» 2020年04月08日 06時30分 公開

5分で知るモバイルデータ通信活用術:待ちに待った5G! しかしスマホ購入が“大遅延” 一体何が? (1/2)

3キャリアの5Gサービスがいよいよ始まりました。筆者もメイン回線を5Gスマホに……したかったのですが、サービス開始日に間に合いませんでした。各キャリアの5Gサービスの「大容量」の特徴を確認しつつ、そのいきさつを語ろうと思います。

[島田純,ITmedia]

 3月下旬に、NTTドコモ、au(KDDIと沖縄セルラー電話)、ソフトバンクが相次いで5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスを開始しました。

 筆者もさっそく「5Gスマホくださ〜い!」と、5Gスマートフォンを事前予約して発売日に購入……できませんでした。予想外の“落とし穴”があったのです。

 今回の「5分で知るモバイルデータ通信活用術」では、そんな5G商用サービスにまつわるあれこれを見ていきます。

キャリアによって対応が分かれた5Gの「容量無制限」

 5Gでは、データ容量当たりの通信コストがLTE(4G)よりもさらに削減できるとされています。そのことに伴い期待されているのが、容量無制限の通信です。各キャリアの社長も、決算説明会などの場で5Gにおける容量無制限に言及していましたが、実際の対応方法は分かれました。

NTTドコモ:終了日未定のキャンペーンで容量無制限を実現

 まず、ドコモは「5Gギガホ」の契約者を対象とする終了日未定のキャンペーンとして容量無制限を実施することになりました。テザリング(インターネット共有)も対象ですが、海外ローミング中の「パケットパック海外オプション」を使った通信や、「5Gデータプラス」「データプラス」子回線における通信には月間30GBの容量制限がかかります。

 キャンペーンながら、国内での通信は容量無制限となるため、固定インターネット回線代わりに使うこともできます。海外での利用時や子回線での利用時も、スマホ単体で使う限りは、よほどのことがない限り月間30GBなら余裕をもって使えるはずです。

キャンペーン ドコモはキャンペーンで容量無制限を実現

 ただ、Xi(LTE)契約における「ギガホ」では、月間30GB(キャンペーンで60GB)の容量を「国内の自回線」と「海外の自回線+国内外の子回線」で柔軟に分け合えます。子回線や海外でこそ大量に通信する人にとっては、5Gギガホや、同プランを親回線とする5Gデータプラス/データプラスの契約は少しだけ「不利」になりそうです。

 なお、キャンペーンが終了すると、5Gギガホの月間通信容量は100GBとなります(海外利用分や子回線利用分の制限はそのまま)。制限容量を超過した場合の通信速度は上下最大3Mbpsで、ギガホの3倍となっています。この速度制限は5Gギガホを親回線とするデータプラスにも適用されます。

 また、少し細かいポイントですが、ドコモの5Gプランには定期契約がありません(※1)。「短期間だけ容量無制限の回線が必要だ」という場合でも、従来よりは契約しやすくなりました。

(※1)FOMA(3G)やXiの定期契約のあるプランから契約変更した場合は、変更前のプランの定期契約内に解約すると、当該プランの契約解除料がかかります(参考リンク:PDF形式)

パケットパック海外オプション利用時の留意事項 5Gギガホ(と5Gギガライト)では、パケットパック海外オプション利用時に月間30GBの容量制限がかかる。5Gギガホの容量が余っていても制限はかかるので注意が必要
5Gデータプラスの留意事項 5Gギガホを契約する回線を親回線とする5Gデータプラス(やデータプラス)回線には、月間30GBの容量制限がかかる

au:スマホ単体での国内データ通信で容量無制限を維持

 auは「データMAX 5G」「データMAX 5G Netflixパック」「データMAX 5G ALL STARパック」の3プランにおいて、スマホ単体での国内通信において容量無制限を実現しました。4G LTEサービス向けの「auデータMAXプラン Pro」「auデータMAXプラン Netflixパック」と同じ立て付けですが、月間通信容量が2GB以下となった場合は月額料金が自動的に1480円引きとなる点が新しいポイントです。

データMAX 5Gシリーズ auの「データMAX 5G」シリーズは、スマホ単体での国内データ通信を容量無制限としているが、テザリングや海外ローミング

 ただし、テザリングやデータシェア子回線の通信分、世界データ定額の利用分(以下まとめて「定額対象外通信」)については、プランに応じて月間30GB〜80GBの容量制限があります。容量超過時の通信速度は上下最大128kbpsと、ドコモの5Gギガホよりもかなり厳しい制限です。

 4G LTEプランと比べると、定額対象外通信の容量は増えてはいますが、容量超過時の通信速度は“据え置かれて”います。定額対象外通信を多用する人は注意が必要です。

要注意 データMAX 5Gシリーズでは、対象外の通信に対する容量制限が設定されている(画像は「データMAX 5G」プラン)

ソフトバンク:4G LTE向けプランと同じ「ギガノーカウント」を維持

 ソフトバンクは、5G専用プランは用意せず、現行の4G LTE向けプランに月額1000円の「5G基本料」をプラスすると5Gサービスを利用できるという組み立てです。5G基本料は、8月までの申し込み分はキャンペーンで2年間無料となります。

 このような組み立てなので、プランの内容自体は4G LTE向けプランと同様です。「メリハリプラン(データプランメリハリ)」を契約すると、「ギガノーカウント」の対象となる動画・SNSサービスのデータ通信は容量無制限で利用できますが、その他のデータ通信は月間50GBの上限があります。また、テザリングを利用する場合は有料オプション(月額500円)です。

ギガノーカウント SoftBank 5Gは、SoftBank 4G/4G LTE向け現行プランに「5G基本料」をプラスする形。メリハリプランを契約すると「ギガノーカウント」対象の動画やSNS(画像)の通信は無制限ですが、それ以外の通信は月間50GBの容量制限がある

5G対応のホームルーターは“なし”

 欧米では、5Gの商用サービスが「CPE(Customer Premises Equipment)」、簡単にいうと固定設置されるワイヤレスルーターからスタートした国もあります。自宅までの「ラストワンマイル」を光ファイバーやケーブルではなく電波でつなぐために5Gを用いる、という文脈です。

 5Gスマホが複数投入されたことからも分かる通り、日本のキャリアは5Gは最初から“モバイル通信用”であるという立場です。そのためか、ラインアップに据え置き利用前提のホームルーターは見当たりません。

サムスン製CPE 米国では、5G通信サービスがCPEからスタートした(写真は「CES 2019」で展示されたSamsung Electronics製5G CPE)
中国移動 中国でも、固定代替を意図した5G CPEが展開されている(写真は中国移動の5G CPE)
シャープ製CPE 日本でも、ドコモがプレサービス時にシャープ製の5G CPEを展開したが、発売には至っていない

 ただし、5Gルーターが全く発売されていないわけではありません。auは法人向けに「Speed Wi-Fi 5G X01」を発売済みで、NTTドコモも「Wi-Fi STATION SH-52A」を5月下旬に発売する予定です。いずれもシャープ製の5Gモバイルルーターで、2.5Gbps対応の有線LAN(2.5GBASE-T)とWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)による通信に対応しています。

 3キャリアの5Gエリアを見ると、主要駅やオリンピック施設、キャリアショップなどの「スポット」にとどまります。この現状からすると、固定インターネット回線を代替しうる5G CPEは時期尚早なのかもしれません。

Wi-Fi STATION SH-52A 現時点で日本における5Gルーターは、シャープ製の2機種のみ。モバイルルーターではあるが、若干サイズが大きい(写真はWi-Fi STATION SH-52A)
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