ディスプレイサイズは5.99型で、とりわけで大画面というわけではないが、短辺側のベゼル幅が広いこともあって、ボディーサイズは大きい。解像度は2160×1080ピクセルで画面密度は403ppiと高精細だ。ディスプレイは“開いて”使うようになるため、どうしても横長で使うシーンが多くなる。
となると一覧性は意外と限られる。QuickEditでフォントサイズを「10sp」に設定した場合、表示できる行数は18行にとどまる。Chromeの初期設定状態でITmedia Mobileをスマートフォンビューで表示すると、最初の1記事分のタイトルしか表示できない。
カメラは、ディスプレイユニットの背面側とディスプレイ側に搭載する。背面側のカメラがメインで有効画素数2400万画素、ディスプレイ側は有効画素500万画素になる。メイン(アウト)カメラはディスプレイを閉じた状態でも使える。その場合は、ディスプレイ背面の1.9型サブディスプレイで映像を確認するため、自撮り専用になる。インカメラはビデオ会議などで利用することになるが、多くの場合、本体を横長にした状態で使うため、レンズの位置の関係で自分の顔を左前から撮影することになる(ある意味、“かっこいい”かもしれないが)。
なお、ディスプレイはヒンジに相当する場所に取り付けた「板バネ」パーツで本体と連結している。そのため、ディスプレイは決まった角度でのみ開くことになる。その角度は実測で約150度と広い。ディスプレイを開いた姿を通常のクラムシェルノートPCと比べると「開きすぎだろ」と思うかもしれないが、本体を机に置くとユーザーからは「見下ろす」位置関係になるので、これぐらいがちょうどいい角度になる。
Cosmo Communicator自体は2019年から日本で販売していたが、今回のCosmo Communicator with HDMIは、パッケージにUSB Type-C−HDMI変換アダプターコードが標準で付属する。本体のUSB Type-Cから変換アダプターとHDMIケーブルを介して大画面テレビのHDMI入力に接続すれば、大画面でCosmo Communicatorを利用できる。
以上、Cosmo Communicator with HDMIについて、ハードウェアキーボードによる日本語入力の使い勝手を中心に評価してきた。その使い勝手は、Unihertz Titanのような、立って使うハンドヘルドデバイスというよりは、ノートPCのように卓上に置いて使うクラムシェルスタイルに近い。キーボードのサイズは変則的ながらタイプ感は良好だが、ローマ字による日本語入力にはやや手のかかる設定の試行錯誤が必要。思考を中断しない日本語文章の入力には、非公認のサードパーティー製ユーティリティーの導入が望ましい。
スマートフォンとは異なる、省スペースのクラムシェルデバイスを望むユーザーにとって、Cosmo Communicator with HDMIは興味深い選択肢となるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.