世界を変える5G

5G AndroidからiPhoneまで 秋冬スマホはミッドレンジに注目すべき理由(2/5 ページ)

» 2020年09月08日 11時30分 公開
[島徹ITmedia]

5Gエリア拡大に向け、キャリアはミッドレンジの5Gスマホを投入

 秋冬モデルのもう1つの特徴が5Gだ。現在の5Gスマホは2020年初旬発売のハイエンド機が中心だが、秋冬ではミッドレンジの5Gスマホが増える見込みだ。

 なぜ5G対応のミドルハイやミッドレンジなのか。理由はこれまでの4Gや3.5G、3Gへの転換期と同じだ。通信需要の増加に合わせて利用者をより快適な高速・大容量の5G中心のネットワークへと順調に移行させつつ、5Gネットワークへの投資を効率よく回収するためだ。

5Gスマホ ソフトバンクは2023年度に5Gスマホ利用者の割合を6割まで伸ばす見込み。4G向け周波数の5G利用も含め、早急な5G中心のネットワークへの移行を急ぐ(2021年3月期第1四半期決算発表より)

 直近でも、ネット動画視聴やリモートワークの普及で利用者の通信需要が増大しており、キャリアはこの需要に適したサービスとして5Gスマホ向けの通信量無制限や大容量プランを用意している。だが、これらのサービスを多くの利用者へ提供するには、本格化する5Gエリアの全国展開と並行して、安価な5Gスマホが必須となる。

5Gスマホ ドコモは2020年度内に5G全国エリアの拡大と並行して、5G普及モデルの投入により250万契約を目指す(2020年度第1四半期決算説明会資料より)

 5Gの普及に向けた時期に、総務省によるスマホの割引規制という強烈なブレーキがかかってしまった一方で、現在のスマホはミドルハイやミッドレンジの性能が向上しており、ネット動画やリモートワークは問題なく利用できる。この2つを考慮すると、キャリアとしては手ごろな価格である程度高性能な5G対応ミドルハイやミッドレンジのスマホラインアップの強化が最適解となる。

 現状でも、auは「ZTE a1」「Mi 10 lite 5G」、ソフトバンクは「OPPO Reno3 5G」「ZTE Axon 10 Pro 5G」といった、3万〜7万円あたりの中国メーカー製ミドルハイやハイエンドの5Gスマホを取り扱っている。

5Gスマホ auは9月よりXiaomi製「Mi 10 Lite 5G XIG01」を発売。5G搭載かつSnapdragon 765G搭載のミドルハイながらも、4万2740円という低価格を実現している

 ドコモも2020年後半に普及価格帯の5Gスマホの投入を予定している。この秋から特に冬シーズンには5G対応ミドルハイやミッドレンジが店頭に出そろうのは既定路線というわけだ。

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