Samsungの「Galaxy A」シリーズは普及価格帯を中心とした製品展開を行っています。モデル名は数字2桁で、10の位の数字が大きいほどハイエンド、また1の位はモデルの投入シーズンを表します。2020年後半から2021年に投入されたモデルは1の位が「2」で、日本でも「Galaxy A52 5G」「Galaxy A32 5G」が販売中です。この2機種の中ではもちろんGalaxy A52 5Gが上位モデルです。
海外ではこの他にも「Galaxy A42 5G」や「Galaxy A12」などが販売されており、6月には最新モデルとして「Galaxy A22 5G」が発売されました。現在、Galaxy Aシリーズは「02」「12」「22」「32」「42」「52」と6つのシリーズが販売されています。
Galaxy A22 5GはGalaxy Aシリーズの中で5Gに対応したエントリーモデル。この下のGalaxy A12とGalaxy A02は5G非対応の4Gモデルです。Galaxy A22 5Gの価格は筆者の居住する香港では1998香港ドル、約2万8000円。香港では2000香港ドルを切ると「安いな」と感じられ、Xiaomiなど中国メーカーの低価格5Gスマートフォンもこの価格前後のモデルが多数販売されています。
なお日本では、XiaomiやOPPOもだいぶ市民権を得ていますが、香港では圧倒的にAppleとSamsungが強い状況が続いています。コスパを考えてスマートフォンを買うときも、XiaomiよりもiPhoneやGalaxyの1世代前のモデルを選ぶ、という消費者が多くいます。しかし2020年のモデルでは5G対応機は多くありません。香港のキャリアはユーザーの5G移行を促していますが、Galaxy A22 5GはSamsungの出す低価格機ということで、香港の消費者受けがよく、低価格な5Gモデルのキラー端末として大々的に売り出しています。
Galaxy A22 5Gの背面はパステルカラーの上に半透明の板をかぶせたような、フロスト仕上げのようになっています。涼し気ですし最近の中国メーカーが似たような仕上げの製品を出しています。Galaxy Aシリーズの背面はプラスチックの質感を生かしながら深みのある色合いに仕上げたものがほとんどですが、Galaxy A22 5Gは従来のAシリーズとは一線を画した表情になっているのです。
本体カラーは4色で、紫、グレー、ホワイト、ミント。グレーは無難な色を求める人向け、他3色が夏っぽさを感じさせてくれる、流行で買うような色合いになっています。
Galaxy A22 5Gの主なスペックは、プロセッサがMediaTekのDimensity 700、メモリ/ストレージの最小構成が4GB+64GB。ディスプレイは6.7型(1080×2400ピクセル)、バッテリーは5000mAhで15W充電に対応しています。中国メーカーの低価格機と並ぶ性能を誇ります。
カメラは4800万画素+500万画素超広角+200万画素深度測定。4つありますが、1つはLEDフラッシュです。マクロはないものの、ボケ味のある写真が撮れるのでSNS用途にも十分使えます。またカメラ周りにスペックの数値などの記載がないので、スッキリとした仕上げになっています。ちなみにインカメラは800万画素です。
ズームはデジタル10倍まで対応していますが、実用的なのは2倍か3倍程度でしょうか。なお1つ上のモデル、Galaxy A32 5Gは4800万画素+800万画素超広角+200万画素マクロ+200万画素深度測定。価格差は香港で600香港ドル(約9000円)です。
スマートフォンは最低限使えればいいという人は香港でも多く、MVNOはGalaxy A32 5G、Galaxy A22 5G、Galaxy A12を「お手軽価格のGalaxy」としてアピール中。ハイエンドモデルの「Galaxy S21 Ultra」「Galaxy S21+」「Galaxy S21」という区分けよりも、Aシリーズの数字による製品区別は分かりやすいですね。XiaomiやOPPOなどが攻勢をかける中、Galaxy Aシリーズはしっかりとそれらに対抗しているわけです。
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