「povo2.0」はどんな人にオススメ? データ容量20GBと3GB、維持費0円の場合を検証(2/2 ページ)

» 2021年10月04日 11時00分 公開
[島徹ITmedia]
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月の通信容量3GB、月額990円程度で利用する

 スマホ代をとにかく安くしたい人や、スマホを2台持った際の2台目で契約するのに最適なのが「データ3GB追加(3日間)」(990円)のトッピングを中心とした利用だ。

 LINEMOやMVNO各社の他、UQ mobileやY!mobileにも通信容量3GBで月額990円のプランは存在する。だが、これらは月の途中で3GBの通信容量を使い切ると割高なデータ追加オプションを利用するか、低速に制限された通信速度で使い続けるしかないものが多い。大容量プランへ変更するにしても翌月からの適用となる。

 だがpovo2.0は月額プランではなく自由にトッピングを追加して使うサービスなので、月の途中に通信容量が足りなくなっても、安く通信容量を追加できるのが強みだ。

povo20 1カ月の間に通信容量3GBを990円で使うことも、途中で他のデータトッピングの通信容量を追加することも自由だ

 例えば、まだ通信容量3GBを使い切っていないが、今日はどうしても外出先でライブ配信を見る予定があり通信容量を消費してしまうことが分かっている場合だ。そのときはデータ使い放題(24時間)を契約すればいい。通信容量3GBを温存したまま、24時間以内に使える通信容量が無制限になる。

 もし通信容量がなくなった場合は、データ追加3GB(30日間)を追加するだけでいい。これから何日か通信容量が増えそうならデータ追加20GB(30日間)など大容量のプランを選んでもいいだろう。追加したトッピングの通信容量は、有効期間の間使い続けられる。一般的な月額プランと違い、個人の利用スタイルやスケジュールに合わせて柔軟に選択できる。

povo20 月の途中で通信容量がなくなっても、データトッピングの追加で解決。有効期限内に通信容量を使い切れば無駄はない

 スマホをとにかく安く使いたいが、出張や旅行などで通信量が変動しやすく通信容量をやりくりしたい人には人はもちろん、コロナ禍でテレワークやリモートワークが中心になり、通信容量を余らせがちな人にとっても便利なプランだ。

維持費0円、月に数回iPadやモバイルルーターで利用する

 普段からモバイル機器を使いこなしている人にとってもっとも魅力的なのが、iPadなどのタブレットやモバイルルーターなどで使いやすい「基本料金0円」とデータ使い放題(24時間)の組み合わせだ。

povo20 写真はpovo1.0のものだが、アプリでデータ使い放題(24時間)を有効にするとすぐに24時間の通信容量が無制限になる

 毎月の基本料金は0円で、使いたい日にデータ使い放題(24時間)を支払えば5G対応の高速データ通信が使い放題になる。月に数日の利用なら1000円前後で快適に使えるだろう。時々のデータ通信のためだけに、毎月数千円の基本料金を支払わずに済むのはうれしい。

povo20 iPadやモバイルルーターを月に数回外で使う用途なら、povo2.0の基本料金0円という基本プランにデータ使い放題(24時間)の組み合わせで安く使える

 現在は楽天モバイルの1回線目が維持費0円かつ、月額上限3278円の通信容量無制限ということでデータ通信用途に契約している人もいるだろう。もし、毎日データ通信端末を持ち歩いているなら、楽天モバイルは安価に使える。

 だが、月に数日だけの利用や、都市部など楽天モバイルのサポートエリア提供が終了した地域での安定した接続や5G Sub-6を含む高速通信を求めるなら、povo2.0の方が魅力的といえる。

 注意点として、povo2.0は180日間以上有料トッピングの購入がない、または通話やSMSなどで660円を超える利用がない場合、利用停止、契約解除となることがある。とはいえ、180日以内に何度か有料トッピングを使っているなら問題にはならないだろう。

仕切り直しの「povo2.0」、auと差別化した独自サービスに期待

 今回大きくプラン内容を変更した「povo2.0」だが、もともとpovoは2020年10月にKDDIが発表した、KDDI Digital LifeとCircles Asiaの協業による、オンライン契約で料金プランを自由にカスタマイズできるサービスの開発という下地があった。

 実際には2020年11月の菅政権の発足以後、通信容量20GBの低価格プラン投入への圧力やドコモのahamoへの対抗もあってpovo1.0が提供されたが、今回のpovo2.0でもともと想定していた路線に戻ったともいえる。

povo20 2020年10月に、KDDI Digital LifeとCircles Asia社の協業による現在のpovo2.0の基本的なサービス概要は発表されていた

 povo2.0は、海外渡航機関や遠洋航海で日本国内にいる期間が少ない人や、トッピングの「DAZN使い放題パック(7日間)」(760円)などコンテンツ契約目当ての人にとっても魅力的なプランとなるだろう。

 povo2.0ならではの特徴として、対象店舗やサービスの利用で通信容量をもらえる「#ギガ活」や、キャンペーンとしてスタートアップサービスと提携してpovoのブランドアイテムを見つけると通信容量をもらえる「FIND povo」もある。サービス利用で通信容量をもらうという点は、従来の各社サービスでも見られたものでそこまで驚きはない。

povo20 「FIND povo」として、電動キックボードレンタル事業を手掛けるLuup(東京都渋谷区)などのスタートアップ各社が提供するサービスでpovoデザインのアイテムを見つけると多くの通信容量をもらえるキャンペーンを展開

 だが、povoと都市部の「スマートライフを引っ張るスタートアップ」との連携という枠組みは、若い世代や新しいサービスを好む都市部のユーザーにとっては魅力的なのではという印象を受けた。povoには料金プランだけでなく、現在のauとは異なる新しいサービスやブランド価値の創出も期待したいところだ。

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