OCN モバイル ONEがドコモの「エコノミーMVNO」に参入し、500MBプランを提供する狙いは?MVNOに聞く(4/4 ページ)

» 2021年10月28日 14時06分 公開
[石野純也ITmedia]
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5Gの準備も進めている

―― ネットワーク品質についてはいかがでしょうか。接続料が下がり、料金プラン改定前後で遅くなるMVNOは減っている印象も受けます。

植本氏 帯域の部分はかなり頑張っています。直近のデータを見ても、UQ mobileやY!mobileと変わらないぐらいです。エコノミーMVNO発表会でも「MVNOの品質で大丈夫か?」という質問が出ていましたが、今は明確に品質が上がっていて、昼間でもあまり遅くなりません。ドコモやその他のキャリアを使っていた方にとっては、一定の品質がないとやはり厳しい。そういった方々にも、違和感なく使っていただけるMVNOでありたいと思っています。

 理由として大きいのは、やはり接続料の単価が下がってきていることです。下がりきる前から投資はしていましたが、相対的に同じ金額で借りられる帯域が増えました。各社ともそうだと思いますが、その中でも一番をキープしています。

―― コロナ禍でリモートワークが増え、通信が分散したという話も耳にしたことがあります。

植本氏 それもあります。もともと昼間も上限には張り付きませんでしたが、リモートワークが一気に普及して、(トラフィックの)山ができにくくなり、全体的に品質が上がりました。逆に言えば、コロナ禍前は皆さん、勤務中にスマホは触らず、律義にきっちり12時にお昼休みを取っていたということですよね(笑)。夕方混むのも同じで、5時半なり6時ぐらいまで勤めてきっちり帰っていたからです。

―― 今後の展開ですが、現状、OCN モバイル ONEは5Gに対応していません。ご予定はありますか。

植本氏 対応する準備はしていますので、近いうちにしたいと考えています。少しだけ社内での議論や検討は残っていますが、準備は進めています。

取材を終えて:近い料金体系のMVNOが参入したときに強みを出せるか

 OCN モバイル ONEがエコノミーMVNOに参画した最大の理由は、ユーザー層の拡大にあった。確かに、500MBプランを契約するフィーチャーフォンのユーザーが、Webや家電量販店でMVNOにMNPするとは考えづらい。その意味で、多くのフィーチャーフォンユーザーを抱えるドコモショップは、優良なチャネルといえる。中容量以下のサブブランドを持たないドコモにとっても、機会損失を防げる。4月の料金改定で10GB以下にプラン数を絞った背景には、こうしたすみ分けを意識した側面があった。

 ただ、近い料金体系のMVNOがエコノミーMVNOに参画してきたときに、今の優位性がどこまで維持できるのかは未知数だ。OCN モバイル ONEは今後、ドコモの完全子会社になるNTTレゾナントに移管される予定だが、今の仕組みでは子会社としての強みも生かせない。ドコモが特定の1社を優遇できないためだ。ここで生き残るには、OCN モバイル ONEとしての色をより濃く出していく特徴づけが必要になりそうだ。

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