OPPO、カメラ特化のNPU「MariSilicon X」発表 iPhone 13を上回る性能をアピール

» 2021年12月14日 23時56分 公開
[田中聡ITmedia]

 OPPOが12月14日、オンラインイベント「OPPO INNO DAY 2021」にて、自社開発のイメージングNPU(ニューラルプロセッシングユニット)「MariSilicon X」を発表した。

MariSilicon X OPPOのイメージングNPU「MariSilicon X」

 MariSillicon Xは、画像や映像の処理に特化したプロセッサ。全ての処理をつかさどるSoC(システムオンチップ)ではなく、QualcommのSnapdragonなどとは共存する形となる。6nmプロセスで製造されており、NPU、ISP(イメージングシグナルプロセッサ)、多層メモリアーキテクチャで構成されている。

MariSilicon X 画像や映像の処理に特化したチップとなる

 1秒間に18兆回の処理(TOPS)を行い、iPhone 13シリーズが搭載する「A15 Bionic」の15.8兆回を上回るとOPPOはアピールする。また、ワットあたり11.6TOPSという電力効率も特徴としており、高いパフォーマンスを発揮しながらバッテリー消費を抑えるという。

MariSilicon X 「A15 Bionic」よりも高い演算能力を持つことをアピールする

 1Tbpsのメモリサブシステムに加え、最大8.5GB/sの追加帯域を持つDDRを備えており、データを読み書きする際の遅延を抑え、消費電力の削減にも貢献する。ノイズリダクションを行う際、「Find X3 Pro」だと2fpsの映像を処理するのに1693mWの電力を消費するが、MariSillicon Xなら40fpsで797mWしか消費せず、4Kの映像を約20倍高速で処理できるとしている。

MariSilicon X Find X3 Proよりも20倍の処理性能を誇る

 各フレームに拡張機能をリアルタイムで適用することで、暗所でも鮮明に撮影できる「ナイトモード」を動画でも利用できるようになる。HDR機能も強化しており、4KウルトラHDビデオの撮影が可能に。Find X3 Proの4倍となる、20ビット、120dbのダイナミックレンジを持つ。撮影した画像のコントラスト比は100万:1に及ぶ。

MariSilicon X 動画でもナイトモードが利用可能になる
MariSilicon X 4KのウルトラHDビデオを撮影できる
MariSilicon X iPhone 13 Pro MaxやFind X3 Proとの画質比較。MariSilicon搭載カメラの方が広いダイナミックレンジを確保している

 RGBWセンサーのポテンシャルを最大限引き出せるよう改善し、「RGBW Proモード」ではテクスチャーの品質が1.7倍向上した。

 MariSillicon Xは、2022年度第1四半期に投入するOPPOのスマートフォン「Find X」シリーズに搭載する予定。

MariSilicon X 次期Find Xシリーズに搭載する見込み

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