OPPOが12月14日、オンラインイベント「OPPO INNO DAY 2021」にて、自社開発のイメージングNPU(ニューラルプロセッシングユニット)「MariSilicon X」を発表した。
MariSillicon Xは、画像や映像の処理に特化したプロセッサ。全ての処理をつかさどるSoC(システムオンチップ)ではなく、QualcommのSnapdragonなどとは共存する形となる。6nmプロセスで製造されており、NPU、ISP(イメージングシグナルプロセッサ)、多層メモリアーキテクチャで構成されている。
1秒間に18兆回の処理(TOPS)を行い、iPhone 13シリーズが搭載する「A15 Bionic」の15.8兆回を上回るとOPPOはアピールする。また、ワットあたり11.6TOPSという電力効率も特徴としており、高いパフォーマンスを発揮しながらバッテリー消費を抑えるという。
1Tbpsのメモリサブシステムに加え、最大8.5GB/sの追加帯域を持つDDRを備えており、データを読み書きする際の遅延を抑え、消費電力の削減にも貢献する。ノイズリダクションを行う際、「Find X3 Pro」だと2fpsの映像を処理するのに1693mWの電力を消費するが、MariSillicon Xなら40fpsで797mWしか消費せず、4Kの映像を約20倍高速で処理できるとしている。
各フレームに拡張機能をリアルタイムで適用することで、暗所でも鮮明に撮影できる「ナイトモード」を動画でも利用できるようになる。HDR機能も強化しており、4KウルトラHDビデオの撮影が可能に。Find X3 Proの4倍となる、20ビット、120dbのダイナミックレンジを持つ。撮影した画像のコントラスト比は100万:1に及ぶ。
RGBWセンサーのポテンシャルを最大限引き出せるよう改善し、「RGBW Proモード」ではテクスチャーの品質が1.7倍向上した。
MariSillicon Xは、2022年度第1四半期に投入するOPPOのスマートフォン「Find X」シリーズに搭載する予定。
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