2021年10月に発売された最新の「iPad mini(第6世代)」は、待望の8型大画面でスピーカーの迫力アップ、iPhone 13シリーズと同等の最新かつ高速なA15 Bionicの他、USB Type-C端子も搭載した、高コスパの魅力的な小型タブレット端末だ。
だが発売後、「ゼリースクロール」と呼ばれる現象がSNSなどで話題となった。これはiPad mini(第6世代)を縦向きに持って画面を上下にスクロールすると、ブラウザに表示した文章や、写真アプリのサムネイルなどが斜めにゆがんだように見えるというもの。筆者が確認した限り、自身が購入したモデルから店舗の展示モデルまで例外なく確認できた。
実際の見え方は肉眼や液晶パネルを撮影した動画を見た方が理解しやすい。ここでは動画で紹介しよう。まず、一般的なiPad(現行のiPadや以前のiPad miniなど、iPad Pro以外のモデル)でのスクロールの見え方を示し、次にiPad mini(第6世代)でのスクロールの見え方を示す。
なお、このゼリースクロールと呼ばれる現象は、液晶パネルの表示の仕組みと、人によって異なる目や認識の差の両方が関わるので、気になる人と気にならない人の違いはある。また、動画をスマホなどの小さい画面で見てもやや分かりづらいので、できればPCなどの大画面で見ることをお勧めする。
カメラを通した映像だが、後からスクロールしたiPad mini(第6世代)の画面がゆがんで見えるという人は多いだろう。映像だと気にするほどでもないと感じるのだが、iPad miniシリーズは画面をやや顔に近づけて見るので、実際にブラウザなどを操作していると気になる人が多いというわけだ。
肉眼で見たい場合は店頭のiPad mini(第6世代)を縦向きにして、ブラウザの「Safari」で文字の多いサイトや「写真」アプリのサムネイル画面を上下にスクロールすると分かりやすい。なお、この現象が確認されるのは液晶パネルを見たときだけだ。iPadで画面録画をしても、内部のデータ処理に何ら問題は起きていないので、ゼリースクロール現象は確認できない。
まずこのゼリースクロール現象だが、実は他のiPadや一般的なPCの液晶でも画面の向きによっては普通に起きる現象だ。
先ほどの動画で比較した一般的なiPadと、iPad mini(第6世代)の差だが、今度は横向きにした上で上下スクロールした動画を以下に示す。横向きにすると、今度は一般的なiPadの方にゼリースクロールと呼ばれるゆがみが起きることが分かる。
ここからiPad mini(第6世代)の液晶パネルは、従来モデルと内部設計の縦横が異なっているものと考察できる。従来のiPad miniや他のiPadは縦向きで上下スクロールしても文字や画像サムネイルがゆがんで見えると認識されなかったが、今回のiPad mini(第6世代)ではよく使う縦向きでこのゼリースクロールと呼ばれるゆがみが見えたことから話題になったわけだ。
なお、一般的なPCに使われている横長の液晶パネルも、縦向きにして上下スクロールするとゼリースクロールと呼ばれる現象を確認できる。横向きの状態で滑らかに横スクロールする場合も同様だ。とはいえ、PCの画面を縦向きにして使う人や横スクロールを利用する人は少ないので、ゼリースクロールが話題になることはほぼない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.