寺尾社長、BALMUDA Phoneは「結果オーライになると信じている」と自信

» 2022年02月10日 20時46分 公開
[田中聡ITmedia]

 バルミューダが2月10日、2021年12月期の決算説明会を開催した。2021年通期の売り上げは183.7億円(+46%)、営業利益は15.1億円(+15.3%)で増収増益となった。売り上げと純利益が過去最高となり、「2021年の数字はバルミューダのあるべき姿」と寺尾玄社長は胸を張る。

バルミューダ バルミューダの2021年通期業績

 携帯端末関連の売り上げは28.4億円に上り、空調関連の33.4億円、キッチン関連の96.3億円に次ぐ数字となっている。携帯事業で8.4億円の原価をかけているが、主な販路であるソフトバンクと提携できたこともあり、携帯事業単体でもしっかり利益を上げている。

バルミューダ 製品カテゴリー別の売り上げ

 一方、2022年12月期の業績予想では、現在開発しているBALMUDA Phone後継機の事業化が決まっていないため、売り上げに含めておらず、携帯端末関連の売り上げは2021年から61.9%減となる10.8億円にとどまる。その影響でバルミューダ全体の営業利益は47.3%減の8億円を見込むが、後継機が発売できるかどうかで、ここの数字は大きく変わる。

バルミューダ 2022年の業績予想では、営業利益が大きく下がっている
バルミューダ その要因は携帯事業だが、現時点では、開発中のBALMUDA Phone後継機は売り上げに含めていない

 2022年の業績予想は「望ましい数字だとは思っていない」との認識で、製造パートナーと原価低減や部品調達の面で努力をするとした。また、技術集積度の高い商品群となる「BALMUDA Technologies」にも引き続き注力し、「BALMUDA Phoneの継続的な価値の向上、このカテゴリーでの新商品投入を加速させていく」ことも宣言した。

BALMUDA Phoneの反響は「全てが想定外だった」

 2021年11月16日に「BALMUDA Phone」を発表して以来、寺尾玄社長が初めて公に姿を現したこともあり、質疑応答も含めて、BALMUDA Phoneの話に大半の時間が割かれた。

 まず、BALMUDA Phone発表後の大きな反響は「全てが想定外だった」と寺尾氏は振り返る。「ネット上での逆風が起きた理由の仮説を立てることができずに、数週間、頭の中の動きがストップしてしまった」と言うほどの混乱状態に陥り、仮説を立てるまでに1カ月を要したという。現在は「旗色が変わり始めているなという実感。私たちが望むべき姿に少しずつ近づいている」と同氏は捉えている。

バルミューダ バルミューダの寺尾玄社長

 その一端を示すのが、BALMUDA Phoneの“値下げ”だ。ソフトバンクは、2月11日からソフトバンクショップ直営店でBALMUDA Phoneを通常価格14万3280円から7万1664円(税込み)に値引く。発売から3カ月で大規模な値引きをすることは異例だが、その理由として寺尾氏は「現在の販売状況が、私たちが望んだものと乖離(かいり)がある」とし、販売が不調であることを挙げた。

 不調の要因は「ネット上の初動でのネガティブな見解が大きな影響を及ぼしている」と寺尾氏はみるが、「生活にマッチする人には顧客満足度の高い端末だというデータもある。私はこれまで携帯電話の中で一番使いやすいと感じている」と同氏。ソフトバンクも同様の見解だったとし、どのようにユーザーを増やすのかを考えた結果の施策だという。「BALMUDA Phoneをより多くの人にお使いいただく試みなので、望ましいことだと考えている」(寺尾氏)

BALMUDA Phoneは「やって絶対に良かった」

 BALMUDA Phoneについてはネガティブな評判が多く挙がっているが、「バルミューダのブランド価値を毀損(きそん)したという認識はない」と寺尾氏。BALMUDA Phoneを出したことで、同社の認知度は1〜2カ月で大きく上がり、市場調査では「おしゃれ、高級に加えて、チャレンジ精神旺盛も評価ポイントに挙がってきた」という。実際、11〜12月の家電商品の売り上げは好調だったようだ。

 BALMUDA Phoneの発表から今まで、寺尾氏は「まだ学び中」としながら、「ここ数カ月で多くの教訓を得られた」と振り返る。「コミュニケーションの仕方や説明の量、発表会や発表前のディザーの出し方など、もう少し違うやり方もあったと考えている」と同氏。また、トースターは1機種だけで7年売る一方で、スマートフォンは1年程度のサイクルで新製品に入れ替わる。「ここのスピード感の違いは感じている。ちょっとした国の違いもあるので、それに早く慣れないと、と思っている」(寺尾氏)

 「BALMUDA Phoneをやってよかったのか」という質問に対して寺尾氏は「やって絶対に良かったと思っている」と即答した。今は逆風が吹いているが、同氏は「結果オーライになるといまだに信じている」と自信を見せる。「ネット上の評価と声の多さに、最初はビックリしたが、改めてあの現象を考えると、すごいエネルギーがある。その人々の期待に応えることができたら、すごい成果が出せる。市場の高いポテンシャルを感じた」

 販路については「携帯端末の場合は、バルミューダだけで売るのは難しいと思う」との考え。BALMUDA Phone後継機の売り上げの見通しはまだ立っていないが、事業化されるとしたら、今回もキャリアと一緒に販売していくことが前提となるようだ。ドコモやKDDIなど他キャリアについては「現時点ではノーアイデア。数年したら、お話ししできるかなと予想します」と述べるにとどめた。

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