ITmedia Mobile 20周年を記念し、大手キャリアが取り扱ってきた端末を振り返る企画も今回が最終回。最後にソフトバンクのスマートフォンを取り上げる。
ソフトバンクで最初のスマートフォンとされているのは、まだボーダフォンだった2004年の冬モデル、ノキア製の「Vodafone 702NK」だ。
Symbian OSを採用した3G携帯電話なので、現在の認識からはスマホといえないかもしれない。2.1型TFT液晶、有効130万画素カメラを搭載し、PCで管理している予定表やアドレス帳などのデータを同期させて持ち運べる「Nokia PC Suite」に対応。プロバイダーメールも利用可能など、当時としてはPC連携機能が充実していた。翌年にはWordやExcel、PowerPointなどを閲覧できる「702NK II」も発売した。
2005年にはウィルコム(イー・アクセスが吸収合併した後、Y!mobileに)がWindows Mobileを搭載した「W-ZERO3」を出しており、W-ZERO3シリーズは日本独自のスマートフォンとして人気を博した。
ボーダフォン時代の約3年間、特に目立ったスマートフォンは登場していない。ソフトバンクがボーダフォン日本法人を買収し、2006年10月にソフトバンクモバイルになってから、ボーダフォン時代に発表したHTC製のWindows Mobile搭載端末「X01HT」が発売された。こちらをソフトバンク初のスマートフォンと考える人もいるだろう。
X01HTは、HSDPA準拠の「3Gハイスピード」に対応した端末。QWERTYキーボードを搭載し、PCライクなスタイルで文字入力を行えた。
その後も、ノキア製の「X01NK/Nokia E61」(法人向け、2007年)や「X02NK/Nokia N95」(2008年)、HTC製でWindows Mobileを搭載した「X02HT」(2007年)や「X03HT」(2008年)も販売した。とはいえ、当時の端末はやはり日本メーカーの折りたたみケータイが中心だった。
ソフトバンクのスマートフォンの中では、やはりiPhoneが圧倒的な存在感を放っている。iPhoneとしては2代目の「iPhone 3G」を2008年に扱い始めてから、2011年にKDDIが「iPhone 4S」を扱うまで約3年間、ソフトバンクは日本で正規にiPhoneを取り扱う唯一のキャリアだった。
ただ、iPhone 3Gが爆発的に売れたという印象を筆者は持っていない。iPhone 3GではSafariの表示や文字入力でもたつくこともあったと記憶している。また、電子メール(i)は使えたが、「@softbank.ne.jp」のアドレスでメールを送受信することができなかった。当時、最重要コミュニケーション手段だったキャリアメールが使えず、また、使いこなすためにはPCが必要だったため、幅広く人気を集めるとはいかなかった。
次の「iPhone 3GS」では操作感が向上し、「@softbank.ne.jp」のアドレスを使ってキャリアメールをやりとりできるようになって、マニア以外の一般ユーザーも比較的抵抗なくiPhoneに移行できるようになった。デザインを一新した「iPhone 4」で人気が急上昇。電波感度が悪くなる事象で大騒ぎになり、購入者に「Bumper」を1つ無償配布することもあった。
iPhone以降も、HTC製の「Touch Diamond X04HT」(2008年)や「HTC Desire X06HT」(2010年)、サムスン電子製の「X01SC」(2009年)、デル製の「DELL Streak 001DL」(2010年)、ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイといった日本独自の機能も備えたシャープ製のAndroid端末「GALAPAGOS 003SH」(2010年)などが登場した。
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