「OCN モバイル ONE」をドコモショップで契約して使ってみた 料金の特徴や通信速度は?(1/3 ページ)

» 2022年04月19日 16時00分 公開
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 NTTドコモやKDDIなどの大手通信キャリアから通信回線網を借り受け、音声通話サービスやモバイルデータ通信などのサービスを格安で提供する事業者はMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれています。各MVNOは大手通信キャリアから通信回線網や基地局を借り受けていますが、契約プランは異なっており、契約手続きはWebでするか、一部の家電量販店・併売店などでするか、に限られていました。

 そうした中、2021年10月21日から、ドコモの回線を用いたMVNOサービス「OCN モバイル ONE」が、全国のドコモショップでも契約手続きが可能となりました。ドコモショップでの契約手続きが可能、dポイントとの連携が可能になったMVNOは「ドコモのエコノミーMVNO」と呼ばれており、OCN モバイル ONEの他にもフリービットが提供している「トーンモバイル for docomo」があります。

 「スマホに興味があるが、データ量をほとんど使わないのでスマホ料金は安くしたい。しかし、Webでの契約手続きはどうも苦手」といったドコモユーザーの方からすれば、ドコモショップで手続きができ、かつ低廉な料金プランを提供しているOCN モバイル ONEは救世主になるかもしれません。

 しかしスマホ/ケータイジャーナリストの石川温氏による「澤田淳NTT社長『エコノミーMVNOは見守ろうと思う』ーNTTドコモとしての情報発信に一抹の不安」の記事には、

「周りの人の話を聞くと、ケータイを使っているような親世代が、ドコモショップに行くと、なぜか解約させられてOCN モバイル ONEを契約され、メアドを失ってきたなんてことが散見される」

 といったショッキングなことも書かれています。真相は不明ですが、どうやらドコモショップでOCN モバイル ONEを契約できることはメリットだけではないようです。

 この記事ではドコモの「ギガライト」「5Gギガホプレミア」などの「ギガプラン」、オンライン専用プランである「ahamo」といった「ドコモブランド」と、MVNOであるOCN モバイル ONEの料金プランを比較。同じドコモ回線を使ったMVNOである「IIJmioギガプラン」との通信速度を比較。そして、筆者自身が東京都内のドコモショップでOCN モバイル ONEの契約手続きをした体験談や、これからドコモショップでOCN モバイル ONEを契約する方に向けての注意点。これらについて解説していきます。記事内の料金表記は全て税込みです。

OCN モバイル ONE、ドコモのギガプラン、ahamoとの料金比較

 OCN モバイル ONEはNTTのグループ企業であるNTTコミュニケーションズが2013年よりサービス展開しているMVNOです。今回の記事で取り上げるプランは音声通話ができるものに限りますが、新規申し込みができるプランはデータ量によって5つのコースに分かれています(※2022年7月にOCN モバイル ONE事業はNTTコミュニケーションズからNTTレゾナントへ移管される予定)。

 料金プランは以下の通りです。

  • 500MB/月コース:550円
  • 1GB/月コース:770円
  • 3GB/月コース:990円
  • 6GB/月コース:1320円
  • 10GB/月コース:1760円

 3Gケータイからの乗り換えユーザーを意識している料金プランのためか、「500MB/月コース」では最大10分までの無料通話を含んでいます。さらに500MB/月コースは今ならキャンペーンが実施されており、60歳以上の方であれば12カ月間500MBのデータ量が追加され、毎月合計1GBまで同一料金で使うことができます。

 国内通話料は11円/30秒、かけ放題は月額935円で10分以内の通話がかけ放題になる「10分かけ放題」、月額1430円で24時間かけ放題になる「完全かけ放題」、そして同一月内でよく電話をかける上位3番号への通話が24時間かけ放題になる月額935円の「トップ3かけ放題」の3種類です。

 2021年から現在にかけて、MVNOの小容量帯における「料金値下げ合戦」の勢いはすさまじく、あるMVNOが月額料金を安くしてくると、別のMVNOがもっと料金を安くしてくる、といった応酬が繰り広げられました。ですので現在のOCN モバイルONE の料金も今後安くなる可能性もあります。

 OCN モバイル ONEの月額料金をイメージしやすくするために、ドコモの「ギガプラン」、ahamoとの比較を示したものが以下の図です。いずれのデータ容量帯でも、OCN モバイル ONEがはるかに安いことが分かります。以下の図は他のサービスと組み合わせると適用される「セット割引」のようなものは組み込んでいません(ただし、「はじめてスマホプラン」には月額165円が無条件で永年割引される「はじめてスマホISP割」のみ適用させています)。

OCN モバイル ONE 料金比較

ahamoとOCN モバイル ONEの違い

 サービスフル装備のドコモのギガプランから幾つかの機能やサービスをカットしたものがahamoです。ahamoとOCN モバイル ONEのサービスの違いについて見てみましょう。

 ahamoになくてOCN モバイル ONEにあるサービスは、以下の通りです。

  • 留守番電話(月額330円)
  • キャッチホン(月額220円)
  • 余ったデータ量を翌月末までくりこせるデータ繰り越し(無料)
  • データ量を他のSIMカードで4枚までシェアできるデータシェア(音声通話SIMの場合月額572円/枚)
  • 最大200kbpsの低速通信に切り替えて、データ量を消費しないようにできる節約モード(無料)
  • かけ放題を考慮しない場合の通話料(OCN モバイル ONE 11円/30秒、ahamo 22円/30秒)

 割引額は小さいですが、OCN モバイル ONEは光回線のOCN光とセットにすることで最大5回線まで月額220円の割引を適用する、といったサービスもあります(500MB/月コースは除く)。

 逆にahamoにあってOCN モバイル ONEにないサービスの代表例(優位性)は、ahamoには月額2970円の中に国内通話5分かけ放題が含まれていることです。1台のスマホで複数の通信プランを切り替えて使えるようにするeSIMもahamoは対応していますが、OCN モバイル ONEは対応していません。また、ahamoは有料にはなりますが、契約後もドコモショップで各種手続き変更のサポートを受けることができます。

 一方、OCN モバイル ONEは最初の契約手続きこそドコモショップでの対応は可能ですが、契約後のアフターフォローについては、原則OCN モバイル ONE専用の電話窓口での対応になります。ahamoはドコモ本体のブランドですが、OCN モバイル ONEはドコモとは別会社のNTTコミュニケーションズが運営しているブランドであることを考えれば、これも納得がいきます。

 家族がドコモを使っていて、自分がOCN モバイル ONEやahamoに変えたらどうなるか? 家族がドコモを使っているドコモユーザーの方であれば、家族間通話無料になる「みんなドコモ割」、家族割引である「ファミリー割引」も、OCN モバイル ONEに移ればそのサービスからは外れます。ahamoに関してもほぼ同じことが言えますが、みんなドコモ割のカウント対象にはなり得ます。

 契約事務手数料も、オンライン専用のahamoでは無料ですが、OCN モバイル ONEの場合は、ドコモショップで契約しても、オンラインで契約しても契約事務手数料として3300円とSIMカード発行手数料として433円かかります。

OCN モバイル ONE 料金比較その2
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